【目次】
・断捨離とは
・断捨離で得られるメリット
・断捨離を成功させる片付けのポイント
・アイテム別のコツはある?
・断捨離リバウンドをしないためには
断捨離とは
近年よく耳にする「断捨離」は、物を持たない暮らし方や思い切った捨て方で話題に上がっています。しかし本来はどのような意味があるのでしょうか?断捨離が生み出されたルーツと、混同されやすい言葉の違いを紹介します。
ヨガの思想からできたメソッド
断捨離は「ヨガの思想」から生み出された、人生によい影響を与えるメソッド(体系的な方法)です。「断行」「捨行」「離行」の三つの考え方を、日常に落とし込めるよう考えられました。それぞれの意味は以下の通りです。
・断行:外部から入り込んでくるいらないものを断つ
・捨行:現在手元にある不要なものを捨てる
・離行:依存または執着しているものや事柄から離れる
一般的に、断捨離とは「物を捨てる」こととして認識されがちですが、生きていく上で必要のないものは取り入れず、不要なものを捨てて手放す、という考え方です。できるだけシンプルに生きるライフスタイルを目指す行為でもあります。
2009年作家のやましたひでこ氏の著書『新・片付け術 断捨離』のヒットにより、〝断捨離〟という言葉が世に知られるようになり、2010年には新語・流行語大賞にノミネートされました。
ミニマリストとの違い
断捨離と同じような意味として取り上げられるのが「ミニマリスト」です。ミニマリストとは、最小限という意味の「minimal(ミニマル)」から派生した言葉で、元は社会主義の思想でした。現代では大量生産・大量消費の風潮を疑問視して、本当に必要なものだけを持つことで心から豊かさを得られるというライフスタイルを体現する人をミニマリストと呼びます。
断捨離とミニマリストは、どちらも「不要なものを生活からなくす」という大意は同じですが、目指すゴールが違います。
ミニマリストは「生活で不要な物は持たない」「最小限の物で暮らす」という考え方や行動です。断捨離でいう「断行」と似ている部分があります。
しかし断捨離では不要な物を捨てることは推奨していますが、最小限まで物をなくすことは目指していません。自分が必要と感じるものはOKとしているので、目指している方向は全く違う形といえます。
「ミニマリスト」と「断捨離」の違いって? 〝最小限のもの〟で暮らすメリットと断捨離のコツ|Domani
断捨離で得られるメリット
断捨離というと、家の中を全て見直していらない物を捨てるため、時間や手間が大変そうと思う人は多いでしょう。楽ではありませんが、得られるメリットにはどのようなことがあるのでしょうか?
自分の価値観を再確認できる
断捨離を行うと、自分が好きな物とはどのようなものか「価値観を再確認」できます。
流行の影響を受けていたり、勧められてよく考えずに買ったりした物は、それほど思い入れがなく、捨てても困らないと感じることが多いはずです。
いらない物を仕分けすると「本当に必要な物はなにか」という、自分の好みを見直せます。自分を見直すことで、新たに購入する際にも無駄を省き、必要ない物は選択肢に入れずに済むのです。
探し物に費やす時間が減る
物にあふれた生活をしていると、収納するスペースも片付けの手間も掛かります。こまめに片付けをする人でも、持っている物が多いとそれだけ時間が取られてしまうでしょう。断捨離をして身の回りにある物の数を少なくすれば、探す手間や時間の削減につながります。
例えば、クローゼットの中にデザインがそれぞれ違う白いシャツがあったとすると、どれを着るか迷う時間が取られます。もしも着回しできる定番の1着のみであれば、悩んだり探したりせずにコーディネートを組むことがができます。
持ち物をシンプルにすることで、取られていた時間を別のことに使えるのです。
無駄遣いが減る
断捨離によって必要な物だけ残すと、これから先に買わなくて済む物を確認できます。物が減って収納場所のスペースが空くことで、日用品のストックはいくつあるか、どんなデザインの服を持っているか一目瞭然です。ストックの数も把握できるので、忘れて無駄に購入することも減るでしょう。
また一度断捨離をすると、安易に物を買おうとは思わなくなるので、その分本当に必要な物に投資したり、好きな物事にお金を掛けたりできるようになるのです。
「断捨離」とは?断捨離のやり方と得られる効果を徹底解説! | Domani
断捨離を成功させる片付けのポイント
断捨離は失敗すると、物を手放しきれず整理ができなかったり、なくしすぎて不便になったりする可能性もあります。断捨離を成功させるために気を付けたいポイントを紹介します。
「いる」「いらない」「保留」の三つに分類
家の中を1日で断捨離するのは、現実的ではありません。まずは場所を決めて、捨てる物と残したい物を仕分けることから始めます。その場所にある物全てを一度取り出し、「いる」「いらない」「保留」の三つに分類します。
「毎日使っている」「毎年限定した時期に必ず使う」ものなどは「いる」に、「何年も使っていない」「パッケージから一度も出していない」ものなどは「いらない」に分けられるはずです。
「たまに使う」「もう使わないけれど愛着がある」と迷うものは、「保留」に仕分けしましょう。
手元に残すものの量を決める
断捨離するものを仕分ける前に、断捨離する場所には「どのくらいの量が収納できるか」という「適正量」を把握してから、手元に残す量の目安を決めましょう。
目分量では判断が付かない場合は、収納場所に収める用に収納ボックスを用意しておく方法もあります。ボックスに収まる分だけ残すと決めておけば、仕分けしやすくなります。
収納ボックスを利用すると、その後の買い足しにも役立ちます。「収納ボックスに収まる分しか物を持たない」「買った分だけ捨てる」と決めておけば、衝動買いで物があふれることを防げます。
残すものを使用頻度別に分けて片付ける
残すものの中でも、さらに「使用頻度が高い物」と「低い物」に分けられます。毎日の生活の中で、よく使う物は手前に置き、時々しか使わない物は奥の方へ移動させます。
使用頻度によって分けておくと、また断捨離をする際に収納の奥にしまって使わなかった物を「いらない」に仕分けできる可能性も。こうすることで、処分を次の機会に持ち越しても判断しやすくなります。
保留のものは期限を付けて後で判断
断捨離後、「保留」した物は目に付かない場所にしまっておき、一定期間置いてから見直しましょう。ただし、保留する際はいつまで置いておくか期間を決めます。
保留になるものは、「愛着があり迷う」というものが多いです。たとえ使う機会がもうなかったとしても、捨てたことで後悔してしまう可能性も考えられます。後悔が残ってしまうのは、断捨離で目指したいものとはズレが生じます。
一度時間を置くと、保留したものに対する自分の思いや考えを整理でき、客観的に見つめ直せます。気持ちを落ち着かせて、保留にしたものをどうするか再度判断しましょう。
アイテム別のコツはある?
断捨離によって手放す物には、主に衣類や本、食器などが挙げられます。アイテムによって断捨離のポイントが変わるため、コツをチェックしておきましょう。
衣類の場合
衣類は生活の中で増えやすいアイテムで、収納に悩む人は多いはずです。「いつか着るかもしれない」という思いから、着られなくなった洋服でも「捨てられない」と思考のループを繰り返してしまいます。
一度全ての衣類を見直して、何年も着ている服やほつれがある服、そもそも自分のテイストには合わないものを処分しましょう。1年以上着ていない服は、これから先も着る機会はないと考えるのが賢明です。サイズアウトした服は、ダイエットの目標に役立ちそうならば取っておいてもよいかもしれません。
判断に悩んだら、一度その服を着て鏡で確認するのも一つの手です。買った当時は流行してよく着ていた服でも、月日が流れて再度袖を通してみると違和感を抱くかもしれません。「今の自分に必要な服」を残すためには、1人ファッションショーは有効な手段です。
本や雑誌の場合
ついたまってしまい捨てられないのが、本や雑誌などの書籍です。
読み途中のまま置かれている本は、今後も読む機会はないと考えて処分しましょう。気に入っている作家の作品だけ厳選して残すのも一つの方法です。
雑誌は、残しておきたいページだけ切り取りスクラップして、処分しましょう。雑誌はその時の最新の情報が載っているため、数カ月で情報が古くなるからです。
近年は電子書籍で読めるものが増えてきました。これを機に移行するのもおすすめです。
食器などの場合
食器は自分で購入することもありますが、お祝いでもらうことも多く、何かと増えやすいアイテムです。家族用と来客用で使い分けていると、普段使わないのに場所を取っている食器もあるでしょう。
頂き物で好みのテイストに合わない・使いにくいという食器、ちょっと高級なブランドの食器など、使わずに寝かせていては宝の持ち腐れです。よほど気に入っている物以外は処分してしまいましょう。
使える食器はごみとして出すよりも、フリマを利用したり、知り合いに譲ったりするのがおすすめです。
断捨離リバウンドをしないためには
断捨離をしても、その後の行動次第では「リバウンド」をする場合があります。シンプルな生活を崩さないためには、どのような点に気を付ければよいのでしょうか?
一つ買ったら一つ捨てる
物を増やさない極意は「一つ買ったら一つ捨てる」ことです。買い物の際は「これを買うのならば、古い物をどれか捨てよう」と決めてから買えば、物が増えずに済みます。
例えば新調したい服がある場合は、同じテイストの服や同じ季節の服を捨てる、というように「入れ替え」をするのです。そうすれば収納としてはプラマイゼロとなり、断捨離が無駄になりません。
物の位置と持つ量を変えない
手元に残す物は置き場所を固定し、その場所に収納する量の上限を決めます。置き場所を決めることで整理整頓がしやすく、例えばストックは一つだけと決めておけば無駄な買い物を減らせます。
しかし、しばらくすると物が増えてしまったと感じることがあるかもしれません。そんなときは、大掃除や季節の衣替えなど時期を決めて、定期的に「プチ断捨離」をするのがおすすめです。
断捨離の最終的な目標は「不要なものを手放し、増やさず、執着をなくしてよりよい生活を手に入れる」ことです。環境を整えて断捨離を継続することで、ライフスタイルをも変化させて、自己肯定感や幸福感を高めることを目指しましょう。
トップ画像・アイキャッチ/(C)Shutterstock.com
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