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2021.12.21

「蒟蒻」の意味とは? 歴史や作り方、食べた時の効果・効能などを解説

「蒟蒻」と一口に言っても、その歴史や作り方を知っている人は少ないのではないでしょうか。今回はそんな「蒟蒻」の意味から歴史、作り方、食べた時の効果・効能など様々な視点でご紹介していきます。

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「蒟蒻」の意味とは?

「蒟蒻(こんにゃく)」と聞くと、一般的に思い浮かべるのは、加工食品の「蒟蒻」ではないでしょうか。まずは、「蒟蒻」の意味からあらためて見ていきましょう。

■意味

「蒟蒻」という言葉には、2つの意味があります。1つ目は、サトイモ科の多年草(一度植えると、毎年花を咲かせる植物のこと)で、2つ目はサトイモ科の多年草の茎でつくった加工食品のことです。1つ目の植物のことを「蒟蒻芋」、もしくは「蒟蒻玉」といいます。これが、2つ目の加工食品「蒟蒻」の原料になっています。

■「蒟蒻」の栽培は約3年かかる

「蒟蒻」は、種芋を植えてから収穫までに約2〜3年かかる食材です。1年目の春に植え付けた「蒟蒻芋」は11月頃に一度掘り起こします。冬の間は温かい場所で保管しておき、翌年の春にまた植え付けます。再度秋に掘り起こし、1年目と同じことを繰り返し、3年目の秋にようやく収穫されるのです。

蒟蒻

■「蒟蒻」の花とは?

実は「蒟蒻」も花を咲かせる植物で、その花の色は赤紫色です。形が特徴的で、天に向かって棒状のようなものが伸び、それを取り囲むように花びらがついています。また、数年に1度しか咲かない貴重な花でもあります。「蒟蒻(こんにゃく)」の花言葉は「柔軟」。加工食品にある「蒟蒻」は感触的にも柔らかく、煮物や炒め物など、さまざまな料理に使えることからも、花言葉である「柔軟」はぴったりといえますね。

「蒟蒻」の歴史や作り方とは?

「蒟蒻」は、日本が原産ではなく、東南アジアが原産の植物です。「蒟蒻」が日本に伝わった時代や、今の加工食品である「蒟蒻」が出来上がった時期まで、その歴史を見ていきましょう。また、「蒟蒻」を作る方法も合わせて紹介しますので、チェックしてみてください。

■歴史

「蒟蒻」はもともと、ミャンマーやマレーシア、タイなどのインドシナ半島が原産といわれています。奈良時代、日本に仏教が伝わったのと一緒に、食用としての「蒟蒻」が輸入されたといわれています。その後、鎌倉時代に、それまでは貴族や僧侶の間でのみ医薬品や間食用として食べられていたのが、ようやく民衆にも食べられるようになりました。

江戸時代になると、水戸藩は「蒟蒻」の栽培を奨励し、「蒟蒻」を水戸藩の専売とし、「蒟蒻芋」を乾燥させ、粉にすることを考え出しました。このことが、それまであまり保存の効かなかった「蒟蒻芋」の長期保存と遠方への流通、そして通年の製造を可能にしたのです。この水戸藩の動きが、今の「蒟蒻」産業をつくったといえるでしょう。

その後、水戸藩の専売が解禁されると、「蒟蒻」の産業は全国に広がりました。大正時代に入ると、「蒟蒻芋」に海藻の粉を混ぜる作り方になり、現在食べられている「蒟蒻」が生まれたのです。

■作り方

ここでは、現在では一般的になっている粉から作る方法と、昔ながらの作り方である芋から作る方法を紹介します。

蒟蒻

【精粉から作る方法】
1. 約1Lの水に約30gの精粉を少量ずつ加えて、よく混ぜる。弾力のあるのりのような状態になったら30分以上置いておく。
2. 約100mlのぬるま湯に、約1.5gの水酸化カルシウムを加えて混ぜ、石灰水をつくる。
3. 1に2を入れ、すばやくかき混ぜる。
4. のり状になったらバットなどに移し、上からおさえるようにして表面をならし、30分置いておく。
5. 蒟蒻が固まったら、適当な大きさに切り、30分以上弱火で茹でる。中まで火が通ったらできあがり。

 【蒟蒻芋から作る方法】
1. 蒟蒻芋(約500g)を洗ったら、皮をむき、適当な大きさにカットする。
2. 蒟蒻芋をやわらかくなるまで茹でる。
3. 茹でた蒟蒻芋に、約1.5Lの水を加え、ミキサーにかける。
4. すりおろした蒟蒻芋を鍋などに入れ、1〜2時間置いておく。
5. 約200mlのぬるま湯に、約2gの水酸化カルシウムを加えて混ぜ、石灰水をつくる。
6. 4に5を加え、かき混ぜる。
7. バットなどに6を入れ、表面をならし、1時間程度置いておく。
8. 7が固まったら、適当な大きさにカットし、鍋で約1時間茹でる。
※蒟蒻芋は素手で触るとかぶれることがあるので、ゴム手袋をして触りましょう。

「蒟蒻」を食べるとどんな効果がある?

「蒟蒻」は身体に良い栄養素を多く含む食材です。「蒟蒻」100gあたり、約2.2gの食物繊維、約33gのカリウム、約43gのカルシウム、約0.4mgの鉄が含まれています。特に、「蒟蒻」に含まれる食物繊維は、便秘の改善を促したり、コレステロール値の上昇を抑えたりなど、さまざまな働きをしてくれます。「蒟蒻」の効果・効能を見ていきましょう。

1:便秘解消

蒟蒻

食物繊維には、水溶性食物繊維と、不溶性食物繊維の2種類がありますが、「蒟蒻」に含まれるのは不溶性食物繊維。これは、水に解けない食物繊維で、小腸で消化されず、そのまま大腸に運ばれます。大腸の中でかさを増すことで、大腸を刺激し、排便を促してくれるのです。もともと「蒟蒻」に含まれるグルコマンナンは水溶性食物繊維ですが、石灰水で固めることにより不溶性食物繊維に変わります。食用として編み出された方法が、結果的に身体に良い動きをする性質に変えたとは意外ですね。

2:少量で満腹効果が得られ、ダイエット食に最適

「蒟蒻」は低カロリーで低糖質の食材です。弾力性と歯応えがあるので、必然的によく噛んで食べることに。これがダイエットに効果的な食べ方で、そうすることで「満腹中枢」が刺激され、少量で満足感が得られるのです。さらに、「蒟蒻」は、約97%が水分で、糖質も100gあたり約0.1gと、ほぼ含まれていません。ダイエット中で食べる量を減らしたい時にぴったりの食材といえます。

3:メタボリックシンドロームや生活習慣病などの病気予防にも

蒟蒻

「蒟蒻」は、メタボリックシンドロームや生活習慣病の予防に効果があるともいわれています。代表的な作用は、コレステロール値の上昇を抑えてくれることです。コレステロール値を正常に保つためのポイントは、「カロリーを摂りすぎない」、「脂肪を摂りすぎない」、「食物繊維を摂る」こと。ですから、低カロリーで食物繊維を多く含む「蒟蒻」は、最適な食材です。

また、血糖値の上昇を抑えてくれることも「蒟蒻」による効能です。まず、「蒟蒻」は、血糖値を上げるブドウ糖は含んでいません。また、グルコマンナンは、体内に入ると、水分を吸収し膨張しながら、ゆっくりと腸の中を移動していきます。消化に時間がかかるため、血糖値の上昇を抑えてくれるのです。

最後に

食物繊維やカリウムなど身体に良い栄養素を多く含み、ヘルシーな「蒟蒻」。煮物やおでんなど、寒くなると特に登場機会の多い食材ですが、季節関係なく積極的に摂ってみてください。

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