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LIFESTYLE雑学

2022.05.11

「いとおかし」ってどういう意味?今さら聞けない使い方と活用場面

「いとおかし」は、美しいものや風情のあるものなどを表す古語です。枕草子や源氏物語などの有名な作品にも登場しているため、一度は聞いたことのある表現かもしれません。幅広い意味を持ついとおかしの使い方を、現代語も交えて詳しく解説します。

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「いとおかし」の意味

「いとおかし」とは、平安時代に使われていた古語です。1つの単語がさまざまな意味を持つため、いとおかしの意味も多岐にわたっています。現代にも通じる「いとおかし」の意味を見ていきましょう。

いとおかしとは意味使い方使うシーン場面

(C) Shutterstock.com

「とても趣がある」「非常にかわいらしい」

「いとおかし」とは、副詞である「いと」と、多様な意味を持つ「おかし」、を組み合わせた言葉です。当時の仮名遣いでは「いとをかし」と表記されていました。

いとおかしは「とても趣がある」「非常にかわいらしい」などの意味を持ち、感動した気持ちを表すときに使われます。きれいな景色や優雅なものなど、何かに心が動かされた際に使う褒め言葉といえるでしょう。

「おかし」とは当時の美しさを表す概念ですが、非常に幅広い意味を持つ多義語です。現代の言葉に近いものを当てはめると「きれい」「面白い」「興味深い」「滑稽だ」などが挙げられます。

2つの意味がある「いと」

「いと」は副詞にあたり、後に続く言葉を修飾する役割を持ちます。いとは「とても」「非常に」などの意味に加えて、「それほど」「たいして」という否定の意味も持ち合わせています。

いとおかしが「非常に美しい」などと訳されるように、いとは後に続く形容詞を強調する役割。英単語の「very」をイメージすると分かりやすいかもしれません。

一方、打ち消しの言葉として使われる場合は「それほど~でもない」と訳されることもあります。いとにはニュアンスの異なる2種類の意味があるため、後ろに続く言葉に気を付けましょう。

ニュアンス豊富な「おかし」

「おかし」にはさまざまな意味があり、現代でも使われる「おかしい」と同様に「面白い」「滑稽だ」という意味も含まれています。

枕草子などでも見られるように、季節の様子や自然に対して使う際には「趣がある」「風情がある」と訳されるのが一般的です。

女性や子どもに対して使うときは「かわいらしい」「美しい」など。おかしは、使われる対象によって異なる意味を表しているのです。

また、「おかしきこと」を「興味深いこと」と訳すケースもあります。ポジティブな意味合いはもちろん、興味を惹かれるという意味もあるのです。

「いとおかし」の使われ方

「いとおかし」はどのような意味合いで使われる言葉なのでしょうか。平安時代の例文を使って、具体的な用法を確認しましょう。

いとおかしとは意味使い方使うシーン場面

(C)Shutterstock.com

平安時代ではさまざまな感性を表す

「いとおかし」という表現は、平安時代を代表する源氏物語の中にも登場しています。

若紫の章には「をかしの御髪や」という表現がありますが、ここでは髪の美しさを描写する形容詞として「をかし」が使われています。

「春はあけぼの」から始まる枕草子の一節では、季節ごとの情景が描かれています。

「夏は夜。月のころはさらなり。闇もなほ、蛍のおほく飛びちがひたる。また、ただ、ひとつふたつなど、ほのかにうち光りてゆくもをかし。雨など降るもをかし。」

この「をかし」は、ほのかに光る蛍や夏の雨に「風情がある」「趣がある」ことを指しているのです。

「あはれ」との使い分け

「もののあはれ」ともいうように、平安時代の美しさを表すもうひとつの言葉が「あはれ」です。現代仮名遣いでは「あわれ」と表記され、おかしと同様趣があると訳されますが、それぞれ異なるニュアンスを持っています。

あわれには「しみじみとした趣」などの意味があり、もの悲しく寂しい気持ちを表現するときにも用いられます。面白いという意味を含むおかしと比較すると、より切なく情緒的なイメージがあるといえるでしょう。

同じ意味を持つ言葉といっても、おかしには明るくライトな雰囲気があります。ポジティブな褒め言葉としては「おかし」を、しみじみと情緒的な美には「あわれ」を使うとよいでしょう。

「いとおかし」はどんな場面で使われる?

いとおかしは、同じ美を表すあわれと比べると感覚的に使われる表現です。現代の言葉に例えながら、いとおかしが使われる場面を説明します。

いとおかしとは意味使い方使うシーン場面

(C) Shutterstock.com

感動やかわいいと感じたときに使える

枕草子にはおかしという表現が頻繁に出てくることから、「おかしの文学」とも呼ばれています。おかしは身の回りの何かを「いいな」「面白いな」と思ったときに、使いやすい便利な表現なのです。

「ここから見える夜景はいとおかし」「我が家の猫はいとおかし」など、自然の美しさに感動したときはもちろん、かわいらしいものを見たときにもおかしが使えます。「おかし」という形容詞は、明るく楽しい心の動きを表現するのに適しているといえるでしょう。

現代で近い言葉は「やばい」「エモい」

驚いたときや嬉しいときなど、つい「やばい」と口にする人もいるのではないでしょうか。おかしを現代語に置き換えると、「やばい」「エモい」などが近いともいわれています。

エモとは「感情的な」という意味を持つ英単語「emotional」の略であり、感情が動かされたときに使われる表現です。広い意味での感動を意味するおかしと同様に、心の動きを言い表す言葉といえるでしょう。

私たちが何かを「かわいい」「すてきだ」と感じたときに出る「やばい」と同様の感覚で、平安時代の人たちは「いとおかし」を使っていたのかもしれません。よく利用する現代語に例えることで、古語も身近に感じられるのではないでしょうか。

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