「鬼灯」の意味や読み方とは?
赤い提灯のような実をつける「鬼灯」。お盆に飾ったり、寺院などで「ほおずき市」が開かれたりするため、なじみがある人も多いでしょう。鬼灯は、生薬として使われるなど、古くから親しまれている植物。本記事では、鬼灯について見ていきましょう。
意味
鬼灯の読み方は「ほおずき」。ナス科ホオズキ属の多年草です。原産地は主に東アジアや日本。その他、ヨーロッパや西アジアなどに約100種類分布しています。
5月から7月頃に花が咲いた後、「萼(がく)」の部分が発達。丸い実を包む袋状に変化します。オレンジに色づくのは8月から9月頃とされています。
お盆になると、仏花として鬼灯を飾る地域は多いでしょう。そのため、鬼灯といえば“夏の風物詩”という印象を持つ人もいるかもしれません。鬼灯はその実の形から、ご先祖様や死者を導く提灯に見立てられ、仏壇や精霊棚に飾るようになったとされています。
「ほおずき市」も有名
7月頃になると、日本各地の寺社仏閣では「ほおずき市」が開かれます。特に有名なのは、東京都にある浅草寺の「ほおずき市」でしょう。浅草夏の風物詩として知られ、境内には約100軒ほどの露店が並びます。色とりどりの風鈴とともに真っ赤に色づいた鬼灯が目に鮮やかで、江戸情緒を味わえると評判です。
生薬として使われることも
観賞用の鬼灯は、生薬としても使われています。全草を酸漿(さんしょう)、根茎を酸漿根として扱われ、咳、発熱、のどの痛み、むくみなどに効き目があるとされています。
由来や語源
鬼灯の名前の由来には、さまざまな説があります。鬼灯の実が赤く染まることから、「頬」をイメージさせるため「ほおずき」と呼ばれるようになったとか、実を包んでいる部分がまるで火がついたように見えることから「火火着(ほほつき)」と呼ばれていたなどがありますが、いずれも真偽は定かではありません。
鬼灯の種類
「鬼灯」は、耐寒性が強いため初心者でも比較的育てやすい植物です。主な種類には、「サンズンホオズキ」「ヨウラクホオズキ」「丹波大実ホオズキ」があります。
「サンズンホオズキ」は草丈15cm〜20cmと小型の品種のため、鉢植えに向いています。「ヨウラクホオズキ」は、薙刀(なぎなた)のような細い形の萼が特徴で、江戸時代にはすでに栽培されていたという古い品種です。また、「丹波大実ホオズキ」は、特に実が大きく、草丈が100cmほどになる大型品種。主に切り花として使用されています。