そもそも「お局様」の意味とは?
「職場にいる“お局様”、もしかして私もそう思われているかも?」…そんな不安を感じたことはありませんか? 40代になり、キャリアを重ねてきた女性なら、もしかしたら一度は頭をよぎったことがあるかもしれません。
そもそも、お局様って本当はどんな存在なのでしょうか? この記事では、お局様の意味や心理、「お局様」と呼ばれないための対処法について紹介します。
意味
「お局様」の読み方は「おつぼねさま」。もとは「御局」という、宮中や大名家などにおいて、とても高い地位にある女性を指す語として使われていました。それが転じて、職場や組織内で長年勤務しているベテランの女性を意味するようになったとされています。
辞書でも意味を確認してみましょう。
おつぼね‐さま【▽御▽局様】
俗に、職場で、勤続年数が長く、特に同性の同僚に対して力をもっている女性のこと。→御局
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
とはいえ、すべてのベテラン女性が「お局様」にあたるわけではありません。職場で幅を利かせている人や、同性の同僚などに対して力をもっている女性に対して用いることがほとんどです。周りから尊敬されたり、憧れられたりする人に使うことはあまりないでしょう。
お局様の心理
ここからは「お局様」の心理を見ていきましょう。なぜ「お局様」になるのでしょうか?
指摘する人がいないから口うるさくなる
仕事に限らず、年齢を重ねると、誰にも指摘をされなくなります。問題行動があっても、よっぽどでない限り、怒られることがないでしょう。実はこれはとても怖いこと。誰かに指摘されて初めて気づく自分の偏りやマイナス面があるからです。「お局様」は、指摘してくれる人がいないから、口うるさくなってしまったのかもしれません。
責任感が強い
過去、上司だった人のマネジメント力がなく、「お局様」が仕切るようになったというケースもあるでしょう。責任感の強さから「このままではダメだ。私がなんとかしなければ!」と一念発起し、前に出るようになった可能性があります。「お局様」を生んだのは、本人の支配欲などではなく、上司や環境のせいだったのかもしれません。
変化をうまく受け入れられない
「お局様」にとって、職場は長年働き続けてきた愛着ある場所です。今のままの職場を守りたいという心理が働き、細かなことに口出しをしたり、変化を避けようとするのかもしれません。
また「お局様」自身が、変化を受け入れられない可能性もあります。知らない間に自分よりも後輩のほうがスキルや能力が高くなっていて、後輩のやり方が理解できないこともあるでしょう。年下が増え、周りから腫れ物に触るような扱いをされるけれど、どう対応すればいいかがわからないまま時が過ぎていることもありそうです。
「お局様」と呼ばれないための対処法
「あの人の言うことに反論してはいけない」「あの人には従わないといけない」と周りに言われてしまうような存在にはなりたくない! きっと誰もがそう思うでしょう。ここからは「お局様」と呼ばれないための対処法を見ていきましょう。今すぐできることをピックアップしました。
全体のレベルアップを考える
長く勤務していると、スピーディーかつ正確に仕事をこなせるようになるのは、当たり前のことです。それだけの経験を積み重ね、場数を踏んでいるからこそですが、これは誰にでもできることではありません。だからこそ、自分のことだけでなく、部署やチーム全体のレベルアップを意識したいですね。
レベルアップに必要なのは何かを考えながら、周りと意見交換をしてみましょう。改善や解決のヒントが見つかるかもしれません。
会話は傾聴を意識する
部署内のメンバーと会話する時は「聴くこと」に意識を向けてみてください。相手の意見や考え方、価値観を知ることは、自分の成長につながります。「これはいいな」と思うことがあれば、自分の仕事や生活に取り入れてみましょう。気持ちが変わり、より仕事を楽しめるかもしれません。
特に、後輩と話す時は、相手の言うことに耳を傾けてみましょう。思いもかけないアイデアやヒントをもらえるかもしれません。
たまには楽しく息抜きを
同僚や先輩、後輩を誘い、息抜きをするのもおすすめです。仕事抜きで楽しく過ごす時間は、相手との距離を縮めてくれるでしょう。予想もしない共通項が見つかったり、興味のあることが同じで意気投合したということもありそうです。職場ではわからないお互いの一面を知ることで、よりスムーズなコミュニケーションが実現するかもしれません。
誰に対しても、感謝や労いの言葉をかける
普段、職場のメンバーには、どのような言葉をかけていますか? 同僚や後輩に何かをしてもらった時、きちんと感謝の気持ちを伝えていますか? 職場で相手にかける言葉には、人間性が出ます。注意はするけれど、感謝や労いの言葉はあまりかけていないと気づいたら、まずはそれを変えましょう。
「ありがとうございました」「助かりました」という言葉は、言ったほうも言われたほうも幸せな気持ちになるはずです。相手がよろこぶ言葉がけを意識したいですね。
厄介なお局様への対処法
ここからは、社内にいる厄介な「お局様」への対処法を解説します。ポイントを押さえ、ターゲットになるのを回避しましょう。
感謝の気持ちを伝える、甘える
厄介な「お局様」は、支配が好き。支配できないと感じる相手はターゲットになりやすいです。それを踏まえ、あえて感謝の気持ちを伝えましょう。「〇〇さんのおかげです」「困ったら〇〇さんに頼れるのでありがたいです」といった感じを、ところどころで出すのです。媚びる必要はありませんが、感謝の気持ちを伝えて上手に甘えることができれば、ターゲットにはならないでしょう。
接点を持たない
「お局様」の視野に入らないようにするのも一つです。特にお局様グループとは、できるだけ接点を持ちたくないですね。ランチタイムをずらしたり、同じ場所で過ごすのを避けたりして、顔を合わせる機会を減らしましょう。
相談を持ちかける
「お局様」は頼ってくる後輩に弱い傾向があります。それを踏まえ、あえて相談したり頼ってみたりしてはいかがでしょうか?「この仕事がうまくできないんです」「〇〇さんのようにうまくやるにはどうすればいいですか?」のように頼ってみるのです。案外よろこんで話を聞き、親身になってくれるかもしれません。ただし、プライベートなことを話すのは避けましょう。問い詰められても、うまく交わしてくださいね。
周りに相談するのも一つ
どうしても解決できない場合や、強いストレスを感じる場合は、信頼できる上司や先輩などに相談しましょう。話を聞いてもらい、一緒に解決策を考えてもらうのです。ただし、相談する人を見誤ると、状況が悪化する可能性があります。「お局様」に対して物を言える人や、対等に関われる人、うまく立ち回れる人にお願いしてみましょう。
最後に
いつの時代も、どこの職場にもいる「お局様」。敵に回すと厄介ですが、気に入られて困っているという人もいるでしょう。また、キャリアを重ねると、自分自身がお局化していないか気になりませんか? 不安な人は、紹介した内容を参考にセルフチェックしてみてください。
TOP画像/(c)Adobe Stock
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