ポリエステル素材のアイロンがけ
ポリエステルは、石油を原料として人工的に作られた合成繊維のひとつです。洗濯を繰り返しても型崩れしにくく、速乾性やシワのなりにくさに優れています。比較的手入れしやすい素材ではあるものの、アイロンがけにはちょっとした工夫が必要です。うっかりシワを作ってしまった場合の、適切なアイロンがけの方法を紹介します。
まずは洗濯表示をチェック
ポリエステル素材にアイロンをかける場合、はじめに確認しておきたいのが衣類の「洗濯表示」です。洗濯表示を確認せずに何となく扱ってしまうと、せっかくの衣類が台無しになってしまいます。
ポリエステルは合成繊維の中でも耐久性があり熱に強いため、基本的にはアイロンがけをしても問題ありません。しかし、洗濯表示に習ったアイロンがけをしないと、生地が傷みテカリなどのトラブルにつながってしまいます。衣類によっては、混紡繊維やデザインなどの理由から、アイロンマークにバツ印が付いているものもあるため、その場合は洗濯表示に従いアイロンがけは避けましょう。
(参考:消費者庁)
温度は低温から・当て布で安心
ポリエステル素材にアイロンをかける場合、必ず低温から行い、当て布を使用するのが基本です。シワが伸びにくいようであれば少しずつ温度を上げましょう。テカリや色移りの原因になるため、温度は最高でも約140℃までに留めるのが理想です。
家庭に当て布がない場合は、生地が薄めのハンカチやてぬぐいなどで代用できます。衣類への色移りを防ぐため、なるべく白色で無地のものを選びましょう。また、万が一焼け焦げてしまった場合に備え、不要になったものを使用すると安心です。
当て布は、過度な熱が伝わるのを避け、大切な衣類を守る役割があります。面倒だからと衣類に直接アイロンをかけるのはトラブルの原因になりかねません。必ず用意するようにしましょう。
アイロンの「あて布」の役割とは?|あて布を使ったアイロンがけの方法
アイロンをかけるときの注意点
ポリエステルのアイロンがけは、「ドライモード」を選択し短時間で済ませるのが理想です。アイロンシールやワッペンの接着には不向きなため、避けるのが無難でしょう。
テカリの原因になるので短時間で済ます
ポリエステルはシワが伸びやすい素材のため、短時間でアイロンがけを済ませることができます。同じ場所に長時間熱が加わるとテカリの原因になり、場合によっては生地が溶けてしまうこともあるため注意が必要です。
衣類全体にかけるというよりも、気になる部分のシワだけを伸ばすよう意識してアイロンがけをするとよいでしょう。とくに、アイロンがけに不慣れな人は「一カ所に当てすぎない」「布を平らにしてまっすぐかける」の2点を意識すると、アイロンでのトラブルを防ぐことができます。
スチーム機能も避けた方が無難
一般的に家庭で使われるアイロンには、熱の力でシワを伸ばす「ドライモード」と、蒸気の力でシワを伸ばす「スチームモード」が搭載されています。
ポリエステルなどの合成繊維で作られた衣類は、スチームモードではなくドライモードが適しています。アイロンでシワをきれいに伸ばすはずが、スチームモードを選ぶことで逆にシワを生み出してしまうこともあるため注意しましょう。
ただし、テカリを直したいときはスチームモードが有効です。シワを伸ばしたいときは「ドライモード」、テカリを直したいときは「スチームモード」と、用途に合わせて使い分けましょう。