「ファジー」の意味とは?
年上の人と話しているとき「ファジー」という言葉を耳にした経験がある人もいるかもしれません。さまざまな場面で使われる、「ファジー」の意味を解説します。
境界が明確ではないこと
「ファジー」とは、境界が曖昧で明確ではない様子を表す言葉です。「曖昧ではっきりしない」というとネガティブな印象を受けるかもしれませんが、「考え方が柔軟である」などポジティブな意味合いでも使われることがあります。
英語の「fuzzy」は、「綿毛状の」「ぼやけた」などの幅広い意味を持つ形容詞です。カタカナ語のファジーも、基本的には同じ意味を表しているため、ふわふわとして輪郭がおぼろげな綿毛をイメージすると意味がつかみやすいでしょう。
英語では「生地や服の表面が毛羽立っている」という意味を持ちますが、カタカナ語のファジーにはそのような意味は含まれないことが大半です。基本的には、人や物事に対して使われる表現と考えてよいでしょう。
平成2年には流行語大賞に
耳慣れない表現に感じる人もいるかもしれませんが、ファジー(ファジィ)という言葉は1990年(平成2年)の流行語大賞に選ばれています。そのため、90年代には日常的に使われていた言葉だったのです。
ファジーという言葉は、人間の曖昧な考え方をあえてプログラミングに取り入れる「ファジー工学」で有名になりました。日本では松下電器が最初にこの理論を取り入れ、その後も多くのメーカーが開発を続けたことで流行語にもなったのです。
人間の感覚を数値化して家電などに応用した「ファジー制御」は、エアコンや炊飯器などにも使われています。なじみがない言葉のように思えても、ファジーは普段の生活の中に溶け込んでいるのです。
参考:「現代用語の基礎知識」選 ユーキャン 新語・流行語大賞
「ファジー」は良い意味にも悪い意味にもなる
人に対してファジーという表現を使うとき、褒め言葉にもなれば悪いところを指摘する言葉にもなります。それぞれの意味や、例文を見ていきましょう。