「助太刀」とは「すけだち」と読む
「助太刀」とは「すけだち」と読み、果たし合いなどに加勢すること、またそこから転じて援助や助力することを意味する言葉です。時代劇の「助太刀いたす!」といったセリフで耳にしたことがある人も少なくないでしょう。
古くから用いられてきた表現が根付き、今でも使われている言葉の一つといえます。辞書にはどのように「助太刀」の意味が記載されているか、確認してみましょう。
【助太刀:すけだち】[名](スル)あだ討ちや果たし合いなどに助力すること。転じて、加勢や援助をすること。また、その人。「助太刀を頼む」「助太刀してもらう」
(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
由来は「太刀」を抜いて加勢すること
「助太刀」はもともと仇討や果たし合い、決闘において、自分の命をかけて誰かを助けるときに使われていました。長さ80センチ前後の刀剣を「太刀」といいます。太刀を抜いて加勢することから、「助太刀」というようになったようです。
現在では太刀を抜いて果たし合いに加勢するシチュエーションはありませんが、「助ける」「援助する」という意味で広く使われています。
【例文付き】「助太刀」の使い方
「助太刀」の意味と由来を確認したところで、言葉の使い方を確認してみましょう。「助太刀する」と使う場合は自分が誰かを助けることを、また逆に「助太刀してもらう」と使う際には自分が助けてもらうことをあらわします。
【例文】
・引っ越しの準備が大変だと聞いて、【助太刀】しに来たよ
・納期に間に合いそうもないので、隣の部署に【助太刀】してもらった
・イベントが盛況で人手が足りない。申し訳ないが【助太刀】を頼みたい
・君の【助太刀】がなければ、絶対に間に合っていなかった
大切な局面で義をもって助けるという使い方が多い
「助太刀」の現在の使い方は、太刀を抜いて命がけで加勢するという意味ではなく、さまざまな状況において困っている相手に力を貸すというものがほとんどです。
それでも「助太刀」の語源が影響するのか、そこまで重要ではない場面でなんとなく力を貸すというよりは、大切な局面で義をもって助けるという状況で使われることが多いようです。
「助太刀」の類語3つ
「助太刀」にはいくつかの類語があります。ここでは、次の3つの類語をご紹介します。
1.「助け舟」
2.「援護射撃」
3.「力添え」
いずれも加勢や援助を意味する「助太刀」と同じように、助ける、手伝うといった意味をもつ言葉です。「助太刀」を使う状況で、同じように使うことができます。1つずつ意味と使い方を確認していきましょう。
助け舟(たすけぶね)
「助け舟」には困っている人を助けるという意味があり、「助太刀」と同じように使える言葉の1つです。ほかにも、文字通り水上で遭難した人や船を助ける救助船の意味もあります。
もともと救助船の意味で使われていましたが、発展して幅広く力を貸す、助ける意味で用いられるようになりました。「助け舟を出す」「助け舟を求める」というように使います。助け舟は、切羽詰まったときの手助けから些細なサポートまで幅広く使える点が特徴です。