「無花果」とはクワ科の落葉樹木
「無花果」とは、クワ科の落葉樹木です。読み方は「いちじく」です。別名「映日果」とも呼ばれています。
辞書では以下のように解説されています。
無花果
クワ科の落葉高木。高さ約4メートル。葉は手のひら状に裂けていて、互生する。初夏、卵大の花嚢を生じ、内部に多数の雄花と雌花をつけるが、外からは見えない。熟すと暗紫色になり、甘く、生食のほかジャムなどにする。茎・葉は薬用。寛永年間(1624~1643)に渡来した。日本のものは雄花を欠き、挿し木でふやす。いちじゅく。
(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
「無花果」はアラビア半島が原産とされており、アダムとイヴが身につけていたと言われるほど古くから栽培されている植物です。日本で多く作られている品種は、「桝井ドーフィン」です。次に有名な品種が「とよみつひめ」で、果肉がとろりとしていて甘みが強い特徴があります。
「無花果」の語源は中国語
「無花果」の語源は、中国語とされています。中国では「無花果」は「映日果(イェンジェイクォ)」と呼ばれています。中国から「無花果」が伝えられた際に、名前が日本人には「イチジク」と聞こえその名が付いたとされています。
また「無花果」が少しずつ熟していく様子を指して「一熟(イチジュク)」と呼び、その後言葉が変化し、現在呼ばれている名前になったという説もあります。ちなみに中国の「映日果」の語源はペルシャ語の「Anjir」が元になっています。
「無花果」の花言葉と由来
「無花果」の花言葉は、以下の5つです。
・子宝に恵まれる
・多産
・豊富
・裕福
・実りある恋
「無花果」は一つの樹木にたくさんの実を付ける様子から、上記のような花言葉が付けられるようになりました。花を見たことがないのになぜ花言葉があるのか、疑問になった方もいるかも知れませんが、実は「無花果」には花があります。
では、いったいどこに花があるのでしょう?
「無花果」の豆知識2つ
1.「無花果」の花は実の中にある
2.「無花果」の旬は年に2回ある
これらは他の植物にはあまり見られない特徴でもあります。特に旬を覚えておけば、時期を見極めて毎年美味しい「無花果」が食べられるようになりますよ。
また知っておくと日常会話のネタとして使えるので、是非参考にしてみてください。以下でそれぞれ解説していきます。
1.「無花果」の花は実の中にある
「無花果」の花は、実は実の中に存在しています。つまり私達が実として食べている部分が花なのです。無花果の実の中は普段は空洞ですが、6月頃に割って中身を確認すると、花が咲いているのです。
この花がそのまま果実になっています。果実がつぶつぶになっている部分は、全て花が咲いた跡といわれています。実の中に花を咲かせる植物はなかなかいないため、珍しい特徴といえるでしょう。
このようになった理由は、イチジクコバチという蜂が関係しています。この蜂は、「無花果」の雄花にある穴から内部に入って卵を生みます。その卵が成虫になり花粉を付けて、別の「無花果」に移動することで、「無花果」は受粉しているのです。
そのため外に花を付ける必要がなくなり、現在の形になったとされます。