「月桂樹」とは?
ローリエとして料理のスパイスにも使われる「月桂樹」。オリンピックのメダリストが頭に被っている冠は「月桂樹」の葉で作られていることは知っていますか? 今回は生活のあらゆる場面で活用されている「月桂樹」の特徴や育て方、活用方法などを紹介します。
「月桂樹」とは
「月桂樹」は、クスノキ科の常緑小高木。地中海地域原産で、古くから栽培されている植物です。樹高は10m以上あり、5月には淡黄色の花を咲かせます。
「月桂樹」といえば、その葉はローリエ、ローレルと呼ばれ、臭み消しのハーブとして煮込み料理に使用されることで有名。艶々とした濃い緑色の葉には、月桂油、シネオール、オイゲノールなどの成分が含まれ薬用としても使われます。
日本には明治末期に渡来し、各地で栽培されました。日露戦争の戦勝記念樹として採用されたことから有名になり、記念樹や生垣として使われることが多い樹木です。主な品種には、美しい黄色の葉が特徴的な「オーレア」、緑の葉にクリーム色の斑模様が入る「斑入り月桂樹」、細い形の葉が特徴の「アングスティフォリア」などがあります。
育て方
「月桂樹」は、日当たりの良い場所を好みますが、明るい日陰でも育ちます。耐暑性もあるため、初心者でも比較的育てやすい樹木といえるでしょう。水はけのいい土地でよく育ちますが、乾燥にも強いため土質にこだわる必要もありません。植え付けは4月中旬〜下旬、または9月頃が最適です。
ただし、移植には弱いため、庭や鉢植えに植え替える場合は、根を傷つけないように注意しましょう。また、「月桂樹」の葉枝は繁りやすいので、気になる場合はこまめに剪定するのがおすすめです。剪定は真冬の時期は避け、枝を間引いて風通しを良くしてあげましょう。
「月桂樹」の花言葉
「月桂樹」の花言葉にはどのようなものがあるのでしょうか。 一緒にみていきましょう。
1:勝利・栄光
古代ギリシアでは、太陽神アポロンの木とされている「月桂樹」。古くから「月桂樹」の枝で“月桂冠”と呼ばれる冠を作り、英雄や勝者に授ける風習があったのだとか。輝かしい名誉をもった特別な者に与えられる植物だったことから「勝利」「栄光」という花言葉がつけられています。
2:裏切り
「月桂樹」は春になると淡黄色の小花を咲かせ、ほんのりと芳香が漂うことも特徴です。そんな可憐な花には、「裏切り」という少し怖い花言葉が。人への贈り物には避けたほうが無難です。
3:私は死ぬまで変わりません
こちらは、「月桂樹」の葉の花言葉です。どうしてこのような花言葉がつけられたのか定かではありませんが、「月桂樹」は常緑樹。一年中葉の色が変わらないことが関係しているかもしれません。
「月桂樹」の冠の作り方
オリンピック選手が頭につける「月桂樹」の冠を、自宅で簡単に作る場合にはリースの作り方を参考にしてみましょう。
まずは、頭の大きさに合うリース土台を準備します。リース土台とは、木の枝を組み合わせて作った輪っか状のアイテムです。このリース台に、月桂樹の葉を5枚ほど束ねたものをワイヤーで巻き付けていきます。
続いて、次の束をワイヤーを隠すようにリース台の内側に向けて置き、ワイヤーで巻き付けます。これを一周するまで繰り返します。月桂樹の枝が緩まないように、しっかり締めながら巻くことがポイントです。月桂樹の葉以外にも、唐辛子や松ぼっくりなどの木の実を組み合わせると、より華やかな冠になります。
「月桂樹」の葉の活用法は?
乾燥させた「月桂樹」の葉は、ローリエとして料理の香辛料に使用されます。独特の香りが肉や魚の臭みを消してくれるので、スープやシチュー、肉料理には欠かせないスパイスです。鍋に1〜2枚入れるだけで香りづけになり、より本格的な料理に。
海外では、「ブーケガルニ」の材料としても使われます。「ブーケガルニ」とは、タイムやパセリ、セロリなど複数のハーブを束ねたもので、煮込み料理に入れると、それぞれの風味や香りが料理に深みを出してくれます。
その他にも、「月桂樹」の葉には、胃液の分泌を高める効果や、神経痛や肩こり、冷え性などを緩和する効果があるとされ、お茶として飲んだり、薬用として使用されたりしています。
また、「月桂樹」の枝は、リースやスワッグの材料としても人気。「月桂樹」やユーカリ、ヒバなどの香りのある植物とドライフラワーを組み合わせれば、オシャレなアイテムが作れます。余分な枝を切り、好きなもの同士を組み合わせて、壁に飾ったときの見栄えなどを考えながらアレンジしていきます。
組み合わせが決まったら、束ねた枝の部分を麻紐でくくりつけ、リボンで飾り付けるのもおすすめです。壁のフックにリボンを引っ掛ければ、簡単にインテリアとして飾ることができます。見た目も可愛く、ほのかなハーブの香りも楽しめるの、一石二鳥のアイテムの完成です。
葉の乾燥方法
自宅の庭に「月桂樹」が生えている場合は、自宅で乾燥させて使うこともできます。生のまま利用することもできますが、生の葉には青臭さがあり、苦味も出やすい傾向があります。そのため、乾燥させてスパイスやハーブとして使うのがおすすめです。
収穫した葉を洗ったら、キッチンペーパーを敷いたザルに並べ、その上からまたペーパーをのせます。ザルなどで重しをして、風通しの良い日陰で干しましょう。大体1~2週間ほどで自然乾燥できます。
最後に
勝利と栄光のシンボルとして古くから親しまれてきた「月桂樹」。「月桂樹」の葉は、食用以外にもリースやスワッグとしてインテリアに使ったり、入浴剤としても使用できます。入浴剤として使う場合、葉は生でも乾燥のものでも可能で、ガーゼなどで袋を作りちぎった葉を入れるだけ。
清涼感のある「月桂樹」の香りにはリラックス効果も期待できるそう。「月桂樹」の活用法を覚えて、暮らしの中に取り入れてみてはいかがでしょうか。
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