援護射撃(えんごしゃげき)
「援護射撃」とは、敵の攻撃から味方を守るために後方や側面からの射撃をおこなうことから転じて、仲間や味方をかばうための発言や行動をあらわす言葉です。
当事者でない者が外からサポートする意味で使われます。「援護射撃するから共に頑張ろう」「隣の課に援護射撃してもらう」という使い方をします。
加勢や援助することを意味する「助太刀」とは、意味が似ているため類語として挙げられる言葉です。
力添え(ちからぞえ)
「力添え」は、仕事の手助けをするという意味の言葉です。「力添えできます」などと使います。会話では、接頭語の「お」をつけて、「お力添え」ということが多いかもしれません。丁寧なニュアンスが加わり「お力添え願えますでしょうか」というように、目上の人に対しても援助を求めることができます。
「助太刀」とほぼ同じ意味で使えますが、「力添え」の方が日常会話に馴染むといえるでしょう。
「助太刀」と同じように「日本刀」が由来の言葉2つ
「助太刀」の由来が、果たし合いや仇討ちにおいて太刀を抜いて加勢することであるということは既にお伝えしたとおりです。日頃使っている言葉には、「助太刀」と同じように日本刀に由来するものがあります。ここでは、前触れもなくという意味の「抜き打ち」と、相手の話に合わせて受け答えをする「相槌を打つ」の2つを解説します。
抜き打ち(ぬきうち)
「抜き打ち」は、予告や前触れもなく突然おこなうことを意味する言葉です。
武士の作法として、戦いの前に名前や身分を名乗るというものがありました。その作法なしに、日本刀を抜くと同時に瞬時に斬りつける様子からきているといわれています。
「抜き打ちテスト」や「抜き打ち検査」など、ありのままの実力や状態を把握するためにおこなうものが多いといえます。準備する時間を与えないように、あえて実施することを告げないのが「抜き打ち」です。
相槌を打つ(あいづちをうつ)
「相槌を打つ」とは、相手の話に合わせて受け答えをする様子をあらわす言葉です。
相槌の「槌(つち)」は物を打つための工具を指します。刀などを作る鍛冶屋の職人が日本刀の刃を鍛える際、師匠が槌を打つ間に弟子が槌を打つことに由来しているのです。師匠と弟子が調子をあわせて槌を打つことを「相の槌」、あるいは「相槌」といいました。転じて、相手の話に合わせて受け答えすることをあらわすようになったとされています。
まとめ
「助太刀」は援助する、力を貸すという意味をあらわす言葉です。もともと果たし合いや仇討ちの場面で太刀を抜いて加勢することを意味していましたが、転じて広く助ける意味で使われるようになりました。
「助太刀」と同じように助ける、支援するといった意味の類語には「助け舟」「援護射撃」「力添え」などがあります。また「助太刀」と同様に日本等に由来する「抜き打ち」や「相槌を打つ」なども、日常的に使われている言葉だといえます。「助太刀」の由来や意味を知り、適切に使えるようにしましょう。
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