沈む瀬あれば浮かぶ瀬あり(しずむせあればうかぶせあり)
「沈む瀬あれば浮かぶ瀬あり」とは、良いこともあれば悪いこともあるということを示した言葉です。どんなに好調でもいつかは沈むこともあり、反対に、どんなに落ち込んでばかりの状況でも、いつかは良いことがあるという意味で使われます。
(例文)
・A社には落ちたけどB社からは内定をもらえた。【沈む瀬あれば浮かぶ瀬あり】とはよく言ったものだ。
・部長からはいつもけなされているけれど、社長には褒めてもらえた。【沈む瀬あれば浮かぶ瀬あり】だ。
一の裏は六(いちのうらはろく)
「一の裏は六」とは、さいころの裏と表のことです。一の目の裏は六であることから、良いことも悪いことも表裏一体であること、悪いことが起こっても、いつかは良いことが起こることを表現しています。
(例文)
・うまくいったと浮かれてはいけないよ。【一の裏は六】だから。
・これで良かったと思ったけれど、果たして本当に良かったのだろうか。【一の裏は六】というから、実際のところはわからないものだ。
楽あれば苦あり/苦あれば楽あり(らくあればくあり/くあればらくあり)
「楽あれば苦あり」とは、楽しいこともあれば苦しいこともあるという意味です。「苦あれば楽あり」と表現することもあります。
(例文)
・大好きなミュージカルをほぼ毎日立て続けに観劇した。明日からはいよいよテスト勉強だ。【楽あれば苦あり】、仕方のないことだ。
・【苦あれば楽あり】というけれど、いつになったら楽になるのだろうか。
【目次】
「塞翁が馬」の英語表現
「塞翁が馬」は故事成語なので、直訳の英語表現はありません。そこで、「塞翁が馬」に含まれる「長い目で見たら、幸福か不幸かはわからない」という意味を持つことわざを紹介します。
Every cloud has a silver lining.
直訳すると、「どんな雲も裏は銀色に光っている」です。厚く覆われた雲の裏側に青空があるように、どんなに悪い出来事が起きたとしても、必ずいい出来事があるということです。落ち込んだ人を励ます時にも使えるフレーズですね!
Life is unpredictable.
こちらは、「人生は予測できない」という意味。「予測できる」という意味の「predictable」に否定形の「un」がついて、「unpredictable(予測不可能)」となります。人生何が起きるか予想できないのは、どの国の人でも考えることなのでしょうね。
最後に
「塞翁が馬」は、古代中国のとりでに住むおじいさんのエピソードから生まれた故事成語です。具体的なエピソードを知っていると、日常生活の中でも使いやすくなるでしょう。
また、「塞翁が馬」には、類語がたくさんあります。「禍福は糾える縄の如し」や「沈む瀬あれば浮かぶ瀬あり」、「楽あれば苦あり」なども日常的に使える言葉なので、使い方を例文と一緒に覚えて、言葉のバリエーションを増やしてみてくださいね。
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