威嚇(いかく)
「威嚇」は「いかく」と読み、「おどしつける」や「威力・武力などを用いたおどし」という意味です。武器などの力を利用し、人を恐れさせておどすという表現として「威嚇」は利用できます。「威嚇」を使った例文は次のとおりです。
・自分の縄張りに入ってこないように猫が【威嚇】をする。
・犯人を止めるために【威嚇】射撃をした。
このように相手や周りに対して攻撃をするかのように見せておどす様を表現する際に、「威嚇」は利用されます。
脅迫(きょうはく)
「脅迫」は「きょうはく」と読み、「自分の都合のよい状態にするために相手を力ずくで従わせようとする行為」という意味です。刑法上では、罪として規定している用語です。「脅迫」を使った例文は次のとおりです。
・爆破をほのめかす【脅迫状】を送る。
・ネットで写真をばらまくと男性に【脅迫】されている。
このように「脅迫」は生命や財産、自由などに対して害悪を告げる際に利用される言葉です。「脅迫」は脅迫罪となり、刑事罰に該当します。
恐喝(きょうかつ)
「恐喝」は「きょうかつ」と読み、「相手を脅して金品などをゆする」という意味です。「恐」は人をおどして恐れさせる様、「喝」は声がかすれるほど大声を出す様子であり、「恐喝」の語源となっています。「恐喝」を使った例文は次のとおりです。
・報酬をめぐって同僚に【恐喝】された。
・お金をくれと先輩から【恐喝】されている。
「恫喝」と「恐喝」は似た言葉ですが、ただおどすだけの場合は「恫喝」、おどして金品などを要求する場合は「恐喝」に該当します。
威迫(いはく)
「威迫」は「いはく」と読み、「威力で相手をおどして従わせようとする」という意味です。「威」は堂々として威厳がある様、「迫」は押し迫る様子を表し、「威迫」の語源となっています。「威迫」を使った例文は次のとおりです。
・後輩が先輩に【威迫】されていたが、一歩も引いていなかった。
・前方の車に【威迫】されてしまい、割り込みを許してしまう。
このように、「威迫」は乱暴な言葉や威力で無理に従わせる際に利用する言葉です。「強談威迫(ごうだんいはく)」という四字熟語にも使用されています。「強談威迫」は「乱暴な言葉で自分の要求を通そうと強引に談判しておどす」という意味を持つ言葉です。
強迫(きょうはく)
「強迫」は「きょうはく」と読み、「人をおどして恐れさせる」という意味です。「強」は強くまたは強引である様、「迫」は押し迫る様子を表現し、「強迫」の語源となっています。「強迫」を使った例文は次のとおりです。
・嘘を言うように上司から【強迫】される。
・金額を増やすために寄付を【強迫】される。
あることをするように無理強いをさせる場合に「強迫」は使用されます。また「強迫観念」という四字熟語にも使用されている言葉です。
「強迫観念」は不合理性に本人も気づいているものの、自分の意志に関係なくある考えが絶えず頭に浮かび、除去しようとしても取り除けない状態を意味します。
【目次】
まとめ
「恫喝」は心を表現する部首である「りっしんべん」と「板に穴を開ける」という意味がある「同」が合わさってできた言葉です。「何らかの目的のために大声でおどして恐れさせる」という意味として使用されます。
現代で社会問題となっているパワハラが人格や尊厳を侵害する行為であるように、「恫喝」も相手の人格や尊厳を侵害する行為です。間違った認識や使い方を防ぐためにも「恫喝」の正しい意味を理解しておきましょう。
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