雲泥の差
「雲泥の差」とは「うんでいのさ」と読みます。意味は以下の通りです。
非常な隔たり。たいへんな差。雲泥の違い。
引用:小学館 デジタル大辞泉
「雲泥の差」も、「月と鼈」と同じようにたいへん大きな差があることに対して使われます。「雲泥」は「空に浮かぶ雲と地面の泥」を指すことから、ふたつの間に大きさ差異があることの例えとして用いられます。
・有名大学を出た彼とそうでない僕とは給料が雲泥の差だよ。
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提灯に釣鐘
あまり馴染みのないことわざですが、「提灯に釣鐘」も類語になります。意味は以下の通りです。
《形は似ているが比較にならないところから》つりあいがとれないことのたとえ。
引用:小学館 デジタル大辞泉
「提灯に釣鐘」もふたつのものを比べて釣り合いがとれないことを表す言葉です。「提灯」は、割り竹を骨にして紙を張った証明具のことで今でも屋台の店先に吊り下げられています。「釣鐘」は寺院の鐘楼に吊るしてある、青銅で鋳造した大きな鐘のことです。
紙で作られた「提灯」に比べると「釣鐘」の方が、圧倒的に大きく高価なものです。このことから、昔は身分が釣り合っていない人を比べるときに多く使われたといわれています。
・提灯に釣鐘という言葉があるように、決して結ばれてはいけない身分の二人だった。
雲泥万里
「雲泥万里」とは、「うんでいばんり」と読みます。意味は以下の通りです。
物事が非常にかけ離れていること。天地雲泥。うんてんばんてん
引用:小学館 デジタル大辞泉
「万里」には、「非常に遠い距離」という意味があります。美しい雲と汚れた泥では果てしないほどに大きな差があるということです。
・彼と自分では仕事の能力がまるで違う。雲泥万里とはこのことだ。
英語表現とは?
「月と鼈」の英語表現としては「As different as night and day」が挙げられます。直訳すると「昼と夜のように違う」という意味です。昼と夜は全く別のものであるように「二つを比較してあまりに差があること」に使用します。または、「There’s no comparison between A and B(AとBでは比べものにならない)」という表現を使うこともできます。
最後に
「月と鼈」の言葉の意味や由来、類語表現などは理解できましたか? 「月と鼈」とは、「ふたつのものがひどく違っていることをたとえる」ことわざです。両者の違いがあまりにも大きいことを効果的に伝えることができる表現ですね。似た言葉には「雲泥の差」や「提灯に釣鐘」「天と地」などがあり、優れたものとそうでないものを例えるバリエーションの豊富さが面白いですね。
ふたつのものを比べる時の表現として、合わせて覚えておくことで、語彙力を磨いてみてはいかがでしょうか?
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