顚末を使った例文
日常生活やビジネスシーンで「顚末」を正しく使うために、例文をいくつか紹介します。状況に合わせて、アレンジして使ってみてくださいね。
●会社に戻り、客からのクレームの顚末を部長に報告した
●どうしてこんなことになったのか、顚末を話してください
●突然離婚したという話は聞いたが、事の顚末が分かるまでそっとしておこう
顚末書と始末書の違い
顚末書と始末書は、ビジネスシーンで用いられる文書ですが、それぞれ異なる目的と内容を持っています。
顚末書とは、主にトラブルが発生した際に、その一連の経緯や詳細を報告するための文書です。顚末書には、問題が発生した原因・背景・経緯・影響・対応策・再発防止策などを詳しく記載。つまり、顚末書はトラブル・問題の最初から最後までの状況を詳細に説明するためのものです。
一方、始末書とは、何らかのミスやトラブルが生じた際に、反省と謝罪の意を表すための文書です。始末書には、状況・反省・謝罪・再発防止策などが記載されます。始末書は、個人の過失や不正行為に対する自己反省と再発防止を重視するものです。
このように、顚末書は問題の全体像の明確化と再発防止の報告書であり、始末書は個人のミスやトラブルに対する反省と再発防止を表明するための文書です。それぞれの文書は、状況に応じて適切に使い分けることが求められます。
顚末書の書き方
会社によって、顚末書のテンプレートが定められているケースもありますが、記載しておくといい項目を紹介。主に、件名・発生した問題の概要・経緯・影響・対応・再発防止策などを記載します。
<顚末書の書き方の一例>
件名:サーバーダウンによるシステム障害
問題の概要:
2024年5月5日午後3時頃、弊社のメインサーバーがダウンし、全社的なシステムトラブルが発生しました。
発生場所:
弊社データセンター
原因:
経年劣化によるハードウェアの故障
経緯:
午後3時、システム障害とサーバーの異常を検知
午後3時15分、システム管理者による初期対応開始
午後4時、原因の特定とシステム復旧作業の開始
午後7時、サーバーとシステムの復旧完了
影響:
全社的な業務停止、経理などの事務作業の遅延
対応:
予備サーバーへの切り替え、サーバーの部品交換
再発防止策:
ハードウェアの定期点検・メンテナンス態勢の強化・システム監視ツールの改修
顚末の類義語にはどのようなものがある?
顚末には、どのような類義語があるのでしょうか? 類義語も知っておくと、より深く意味を理解できるようになります。
経緯
「経緯」は、事情・いきさつという意味です。物事の発端から終わりまでの筋道を表します。また、「経」には縦糸、「緯」には横糸という意味も。縦横に織りなす糸の様子から、込み入った事情や道筋を表現する言葉として使われるようになりました。
●あなたが、この会社に入社するまでの経緯を教えてください
●あの2人には過去にもトラブルを起こすなど、複雑な経緯がある
次第
「次第」とは、物事の順序・成り行きという意味です。たとえば「式の次第」と言う時は、式の進行順序を表します。また、副詞として「次第に明るくなってきた」のように少しずつ状態が変わる様子や、「そんな次第で」のようにこれまでの事情や理由を説明する時にも使えますよ。
●事と次第によっては、私も一言文句を言いたい
●スケジュールの内容を詳しく確認させていただきたいと思い、お電話した次第です
一部始終
「一部始終」とは、始めから終わりまでの全ての事情という意味の四字熟語です。出来事の一部分だけでなく、全てを指す意味で使われます。1部・2部という書物の数え方に、始めから終わりまでを意味する「始終」が付いて、1部の本の最初から最後まで、という意味になったのが由来です。
●私はその事件の一部始終を見ていた
●彼は家を出てから帰るまでの一部始終を話し始めた
最後に
この記事では、「顚末」という言葉の意味や使い方について解説しました。顚末は物事の最初から最後までのいきさつを表す言葉。
特にビジネスシーンでは、トラブルや不祥事などの状況報告に使われることがあります。この記事を参考の一つにして、顚末という言葉の理解を深め、日常生活やビジネスシーンで役立ててみてください。
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