本質を探し究める「探究」
「探究」とは、その文字が表す通り、物事の本質を探し究めることです。技能を高めるというよりも、本質について深く考え極めようとしていることを表すため、粘り強く1つのことに向かい合い続ける強い精神力が想像できます。「研鑽」も物事の本質を知るために努力や研究をするという意味で使われることがあるので、「探究」と置き換えても差し支えない場合がほとんどです。
●宇宙の真理を探究し続けている
●彼は飽くなき探究心で、理想の製品を探し求めている
●成功してからも、探究心が衰えることはない
集中して努力する「精進」
「精進」は、1つのことに一生懸命取り組むことです。もともとは仏教用語で、仏道修行にひたすら励むことを指していましたが、現代では、目的を達成するために、何か1つのことに必死に打ち込んでいることを指すようになりました。さまざまな誘惑に打ち勝ち、真っ直ぐに取り組む姿勢は「研鑽」と共通するところがあるでしょう。
●皆様のご期待に添えるよう、精進して参ります
●今後、ますます精進します
●目標達成できるよう、精進を重ねる
ビジネスシーンで使える研鑽の例文
「研鑽」は、ビジネスシーンでどのように使われているのでしょうか?正しく使えるように、いくつかの例文を紹介します。
研鑽を深める
「研鑽を深める」は、物事を深く極めるための学習や研究に熱心に取り組んでいる様です。第三者からもう十分ではないかと見えるような地点に到達していても、さらに追求している場合に使用するとよいでしょう。どちらかというと、技能というよりも考え方など、思考面からのアプローチがイメージされる場合に使います。
●研究者として、研鑽を深めることをやめてはいけない
●仕事に没頭し研鑽を深めることができる環境に、感謝している
●研鑽を深めるために、海外挑戦を決めた
研鑽に励む
「研鑽に励む」は、物事の習得や理解のために一心不乱に努力している様を表します。「励む」とは、心を込めて打ち込んでいることを表しているため、自分で決めた目標など、強い目的意識のもとコツコツと努力を重ねている場合に使用するとよいでしょう。誰もが諦めてしまうような困難に打ち勝ち、自分自身を高める姿勢を表現することができます。
●自己研鑽に励むことだけが、成功への近道だ
●スキルアップのために、これからも研鑽に励みたいと思います
●私に必要なのは、研鑽に励むことだと考えている
研鑽の対義語にはどのようなものがある?
「研鑽」には、物事への前向きな気持ちや姿勢が表れています。反対に対義語にはどのような言葉があるのでしょうか。研鑽と一緒に対義語についても確認しておきましょう。
仕事や勤めをおこたる「怠慢」
自分がやるべきことに対して真剣に取り組まず、何もせずに過ごしていることを「怠慢」といいます。耳にすることも多い言葉なので、聞いたことがある人も多いでしょう。「怠慢」という言葉は、向上心を持つことなく怠けて、だらしなくサボっている様子がイメージできるはずです。また、やるべきことすらやっていない様子も伺えます。
研鑽している人物が、時間を無駄にせず常に努力し続けていることを考えれば、怠慢からイメージされる姿はまさに正反対といえます。
めんどくさがって怠ける「無精」
「無精」とは、めんどくさがって怠けている様子を表す言葉です。「研鑽」からは、どんな大変なことに対しても手間を惜しまず努力する様子が読み取れるのに対し、「無精」は手間をかけること自体をめんどくさがっている様子が浮かびます。
1つのことを成し遂げるためには、小さなことを地道に積み重ねる根気強さが必要です。そこには膨大な時間や努力が必要になり、「面倒」という気持ちが付け入る隙はありません。このことから考えると、「無精」は「研鑽」の対義語といえます。
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