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「枯れ木も山の賑わい」とは「つまらないものでも、ないよりはまし」という意味
「枯れ木も山の賑わい」とは、つまらないものでも、ないよりはましであることのたとえです。読み方は「かれきもやまのにぎわい」です。辞書では、以下のように解説されています。
【枯れ木も山の賑わい】
つまらないものでも、ないよりはましであることのたとえ。
(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
この言葉は、謙譲的な表現であるといえます。そのため相手に対して使ってしまうと、失礼にあたるため注意してください。物に対して使うときも同様に、注意しましょう。
由来は枯れ木の見た目から来ている
「枯れ木も山の賑わい」の由来は、枯れ木の見た目から来ています。枯れた木は、1本だけでは実や葉っぱが茂っていないため、みすぼらしい見た目です。しかしたくさんの枯れ木が生えていれば山の飾りになり、なにもないよりはマシということから来ています。
これが転じて、つまらないものでもないよりはましという意味で使われるようになりました。
「枯れ木も山の賑わい」は間違った使い方に注意!
「枯れ木も山の賑わい」は、間違った使い方に注意が必要です。本来は、つまらないものでも、ないよりはましという意味で使われますが、中には「人が集まればにぎやかになる」という意味で使っている人もいます。
文化庁の調査でも、以下のような結果が報告されています。
(ア)つまらないものでも,ないよりはまし…38.6%
(イ)人が集まればにぎやかになる…35.5%
(ウ)(ア)と(イ)の両方の意味で使う…4.5%
(エ)(ア)と(イ)のどちらの意味でも使わない…12.1%
分からない…9.2%
(引用 「枯れ木も山のにぎわい」の意味|文化庁より)
本来の意味と同じくらい、間違った意味で使っている方がいます。しかし間違った意味で使ってしまうと、相手に失礼な印象を与えてしまうことも。例えば、上司を飲み会に誘うとします。
そこで「枯れ木も山の賑わいですから、ぜひ〇〇さんもご参加ください」と言ったとしましょう。言った本人はにぎやかになるという意味で使っていても、相手にとってはいないよりはマシという意味に捉えられてしまいます。正しい意味を覚えて使うようにしてください。
「枯れ木も山の賑わい」の使い方と例文
「枯れ木も山の賑わい」は、前述したようにへりくだって使うことがポイントです。正しい意味を把握して使わなければ、相手に失礼な人と思われてしまうことも。「枯れ木も山の賑わい」は、以下の言葉が続いて使われることが多いです。
・〜に過ぎず
・〜と申します
・〜と思い
以下の例文も参考にしながら、使い方を学んでいきましょう。
〈例文〉
・私など先輩方と比べれば【枯れ木も山の賑わい】に過ぎず、褒めていただき光栄であります。
・【枯れ木も山の賑わい】と申しますので、私も参加させていただきます。
・私が趣味で作った置物ですが、【枯れ木も山の賑わい】と思い飾りました。
「枯れ木も山の賑わい」の類義語3つ
「枯れ木も山の賑わい」には、3つの類義語が存在します。
1.大勢集まれば役に立つこと「餓鬼も人数」
2.いないよりはマシという意味「蟻も軍勢」
3.ないよりあったほうがマシ「歪み木も山の賑わい」
「枯れ木も山の賑わい」と比較すると、微妙にニュアンスが違うものも。そのため、正しく覚えて使い分けられるようにしましょう。
餓鬼も人数(がきもにんじゅ)
つまらない者でも大勢集まれば役に立つという意味がある「餓鬼も人数」は、「枯れ木も山の賑わい」の類義語として知られています。読み方は「がきもにんじゅ」。辞書では、以下のように解説されています。
【餓鬼も人数】
つまらない者でも、いれば、多少の効果があることのたとえ。また、取るに足りない者も多く集まれば、あなどりがたいことのたとえ。
(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
この言葉には、謙遜の意味が含まれていません。餓鬼は子どものことですが、蔑んだ意味で使われています。1人では大したことのない子どもでも、大勢集まれば無視できないほどの力があるという意味が込められています。
使うときは、以下の例文を参考にしてみましょう。
〈例文〉
地域の掃除は、【餓鬼も人数】のように人員を確保したほうがいい。