かみにくい食べ物
奥歯が生えそろっていない2歳児には、かみにくい食べ物を与えてはいけません。具体的には、こんにゃく・餅・団子といった弾力があり、つるんと飲み込んでしまうような食べ物です。上手にそしゃくできず、そのまま飲み込んでしまうと窒息の危険性があります。イカやタコ、するめなどの硬い食べ物も同様です。
どうしても食べさせたい場合には、包丁などで細かく切り、大人が見守っている環境下で「少しずつ」与えるようにしましょう。
2歳児が食事を食べないときの対処法
自我が芽生え、さまざまなことに興味が出てくる2歳児に、上手に食事をさせるのはひと苦労かもしれません。2歳児が食事を食べないときの対処法を紹介します。
生活リズムを整える
まずは、生活リズムを整えて「お腹が空くリズム」を作っていきましょう。
朝は早く起きて朝日を浴び、体を起こすことからスタートします。起きてすぐは食欲が湧かないこともあるので、早めに起きてカーテンを開け、8時までには朝食を済ませましょう。食べられる範囲でよいので朝ごはんをとることで、1日にを元気に過ごすことができるでしょう。
日中は外遊びを取り入れ、体をたくさん動かすことを意識してみてください。元気に遊べば、自然とお腹も空いてきます。
楽しいおやつの時間は食事の2時間前までを目安にし、午前は10時ごろ、午後は15時ごろがおすすめです。2歳ごろの子供にとって、おやつは第4の食事。甘いお菓子やジュースなどは控え、楽しく食べれらるおやつで不足しがちな栄養素を補えるとよいでしょう。
テーブルや椅子の高さを調整する
サイズが合わないテーブルや椅子は食事の妨げになるので、テーブルや椅子の高さを見直してみましょう。姿勢が不安定になればそしゃくに影響が出るだけでなく、上手に飲み込むこともできなくなります。
落ち着いて食事をするためにも、テーブルや椅子そのものが調整できる場合には、体の大きさに合わせて都度調整しておくことが大切です。
調整ができない場合には、クッションや座布団などを使って、食事しやすい姿勢を保てる環境を作りましょう。
食事を楽しめる空間を作る
食事を嫌がるからといって、パパやママが怖い顔で見つめていたのでは、食事そのものが楽しくなくなります。食べてくれないことに対する不安や、悲しい気持ちは理解できますが、まずは食事を楽しめる空間を作りましょう。
そのためには、まず大人が食事の時間を楽しむことです。「子どもに食べさせること」に集中しすぎず、「おいしいね」「おかわりしようかな」などと会話しながら、笑顔で食事をする様子を見せましょう。
2歳児は大人の真似をすることが大好きなので、楽しそうな様子を見て「食べてみようかな」と考えるようになるかもしれません。
無理強いしない
なかなか食べてくれないと、焦ったりイライラしたりしてしまうこともありますが、無理やり食べさせるようなことはNGです。前述したように、「食事は楽しくないもの」というイメージがついてしまう行為は避けましょう。
また、友達やきょうだいと比べる、「食べないと鬼が来るぞ〜」など怖がらせるといった対処法も逆効果に。子どもは否定された気持ちになってしまいます。干渉しすぎず、少し放っておく時間をつくって、自ら食べる意思が生まれるよう促すのもよいでしょう。
監修
中村美穂
管理栄養士、料理家。保育園栄養士として給食作りや食育活動、食事相談などを手がけ、2009年に独立。料理教室「おいしい楽しい食時間」を主宰するほか、メディア監修やレシピ制作、調理スタイリングなどを多数担当。自治体・企業の食育講座やクリニックでの栄養相談、店舗運営など幅広く活動している。著書に『きちんとかんたん離乳食』、『3歳からのからだをつくるおべんとう』(ともに赤ちゃんとママ社)、『1歳半~5歳子どもと食べたいレンチン作りおき』(世界文化社)、『1~3歳 発達を促す子どもごはん』(日東書院本社)などがある。