分別過ぐれば愚に返る(ふんべつすぐればぐにかえる)
「分別過ぐれば愚に返る」とは、思慮分別があっても度を越すと判断を誤ってしまうという意味です。考え過ぎてしまうとかえって迷いが生じ、正確な判断ができないことを表しています。
【例文】
・【分別過ぐれば愚に返る】ということわざにもあるように、ある程度は直感で判断することも必要だ
・【分別過ぐれば愚に返る】ではないが、今回の件は考え過ぎても良い結論は出ないと思う
薬も過ぎれば毒になる(くすりもすぎればどくになる)
「薬も過ぎれば毒になる」とは、いくら良いものでも度を越せば害になるという意味です。体に良い薬も適量を守らず飲み過ぎればかえって体に悪いことを例えにしています。
【例文】
・健康のために運動をするのはいいことだが、【薬も過ぎれば毒になる】のを忘れず、適度な運動量に抑えたほうがいい
・ダイエットのために野菜ばかり食べて痩せたのはいいが、体調を崩してしまった。【薬も過ぎれば毒になる】ということを痛感した
中庸は徳の至れるものなり(ちゅうようはとくのいたれるものなり)
「中庸は徳の至れるものなり」とは、何事もやり過ぎは良くないが、遠慮しすぎるのがいいわけではなく、ほどほどに行動することに徳があるというものです。「過ぎたるは猶及ばざるが如し」と同じく、孔子の論語を由来としています。
「中庸」は特定の考え方や立場に偏らず、中立な立場にあるという意味です。
【例文】
・【中庸は徳の至れるものなり】の精神で、メンバーの意見を中立に反映させていきたい
大吉は凶に還る(だいきちはきょうにかえる)
「大吉は凶に還る」は、吉は幸運だがそれ以上の大吉になるとかえって凶に近づくという意味です。幸せはほどほどで良いということを表しています。
また、良いことは長く続かないという戒めの意味もあります。中国発祥の占いである易から生まれた言葉です。
【例文】
・【大吉は凶に還る】というから、運が良すぎるのも考えものだ
【目次】
まとめ
「過ぎたるは猶及ばざるが如し」は、行きすぎることもやり足りないことも良くないという意味です。何事もほどほどが大切ということを表しており、孔子の論語に出てくる会話が由来とされています。
よく似たことわざも多く、徳川家康が残した遺訓も類語のひとつです。この機会に、「過ぎたるは猶及ばざるが如し」の意味を正しく覚えておきましょう。
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