「弱冠」以外の数え年の名称
「弱冠」以外にも、数え年を表現するさまざまな名称があります。主なものを確認しておきましょう。
・5歳「志学」(しがく)
・40歳「不惑」(ふわく)
・61歳(満60歳)「還暦」(かんれき)
・77歳「喜寿」(きじゅ)
・88歳「米寿」(べいじゅ)
「不惑」や「還暦」、「米寿」は一般的に知られているため、聞いたことがあるという人も少なくないでしょう。
【例文付き】弱冠の使い方
「弱冠」が、現在は年齢が若いという広い意味の言葉として使われていることについては、既にお伝えしたとおりです。
「弱冠17歳にして」を前置きにして、若いにもかかわらず偉業を成し遂げたというように、年齢と功績のギャップを表現する場合に使われることが多いといえるでしょう。
ここからは、「弱冠」を使った例文をご紹介します。
【例文】
・【弱冠】22歳で世界チャンピオンになるという偉業を成し遂げた
・彼は【弱冠】19歳という若さで起業した
・彼は【弱冠】20歳の若さで、資産5億円を所有している
・【弱冠】の青年にしては、とても落ち着いた風情だった
「弱冠」の類語2つ
「弱冠」にはいくつかの類語があります。「若齢」も「若輩」も年齢が若いことをあらわし、「弱冠」と同じ意味で使うことができます。
「弱冠」とセットでこれらの類語を覚えることで、さらに語彙力をアップさせることが可能になるでしょう。ここでは、「弱冠」の類語である「若齢」と「若輩」について解説していきます。
若齢(じゃくれい)
「若齢」は「じゃくれい」と読み、年齢が若いことを意味する言葉で、「弱冠」と同じ意味の類語の1つであるといえるでしょう。「若齢」を使った言葉には、「若齢化」「若齢者」などがあります。
「若年」を硬い表現であらわしたものが、「若齢」です。また、「弱齢」と書くこともあることを覚えておきましょう。「彼は【若齢】ながら、将棋の腕は一流だ」というように使います。
若輩(じゃくはい)
「若輩」は「じゃくはい」と読み、年齢が若い者と、経験が浅く未熟である者の2つの意味があります。経験が浅いというニュアンスから、「若輩者ですが」などと謙遜の意味で使うことも多い言葉です。一方、他人に使う場合は軽蔑の意味になるため、使い方に注意しましょう。
「若輩者」が、必ずしも年齢が若い者である必要はなく、年齢が若いわけではないが経験が浅い者という意味でも使うことができます。
まとめ
「弱冠」は20歳の男子のこと、また年齢が若いことをあらわす言葉です。もともとは古代中国の制度に由来し、男子の数え年20歳の呼称として使われていましたが、次第に年齢が若いという幅広い意味で使われるようになりました。
「弱冠」以外にも「志学」や「不惑」「還暦」など、さまざまな数え年の名称があります。同じような意味の「若齢」「若輩」などの類語も覚えておくと、幅広く使えて便利です。「弱冠」の由来と2つの意味を抑え、正しく使えるようにしましょう。
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