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2022.05.14

煮沸消毒の方法とは?できる素材・できない素材

 

「煮沸消毒」は熱湯につけて消毒する方法です。哺乳瓶や保存容器など、清潔に使いたいものの消毒に効果があります。「煮沸消毒」の方法や、素材別の注意点を紹介。熱湯消毒との違いについても見ていきましょう。

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煮沸消毒とはどんなもの?

煮沸消毒とは、80℃以上の熱湯で煮て消毒する方法です。ガラス容器や布巾などの消毒に有効といわれていますが、どれほどの効果があるのでしょうか。言葉が似ている「熱湯消毒」との違いがよく分からない人もいるかもしれません。まずは煮沸消毒についての基本的な知識を付けておきましょう。

沸騰したお湯につけて消毒する方法

煮沸消毒とは、80℃以上の熱湯で5分以上煮るという熱の力を使った消毒方法です。家庭では赤ちゃんが使う哺乳瓶や、ジャムやピクルスのような自家製の保存食を入れておく容器、布巾やタオルといった布類の消毒に用いられます。

食器や布巾に付いた汚れは洗剤で洗えば落ちますが、雑菌などを完全に除去することはできません。また、衛生面に気を付けたい赤ちゃん用の食器や長期保存用の容器は、しっかり消毒してから使いましょう。

煮沸消毒は薬剤などを使わないため、赤ちゃんの口に入るものにも安心して行える点がメリットです。鍋とお湯があればすぐにでき、手軽に消毒ができます。とくに湿度が高い梅雨シーズンなどには、調理器具などもしっかり煮沸消毒することが食中毒の予防にもつながります。

参考:農林水産省

熱湯消毒との違い

煮沸消毒と混同されがちなのが「熱湯消毒」です。どちらも熱いお湯を使って消毒する点では同じですが、方法が異なります。

「煮沸消毒」は熱湯で一定時間煮て消毒する方法ですが、「熱湯消毒」は熱湯を直接かけて、表面に付いた雑菌を消毒する方法です。

効果は煮沸消毒の方が高いものの、まな板のように鍋の中で煮沸しにくいものなどには熱湯消毒で対応できます。

煮沸消毒の効果

私たちの身の回りにはさまざまな細菌が存在していますが、その多くは80℃以上の熱で死滅するといわれています。食中毒の原因となる「ノロウイルス」の失活化にも、85℃以上の熱湯で1分以上の加熱が有効。煮沸消毒は沸騰した湯の中で一定時間煮たてて消毒するので、十分な効果が期待できます。

中には「ボツリヌス菌」のように、120℃4分間以上の加熱が必要な菌も存在します。だいたいの細菌は煮沸消毒で死滅できますが、ボツリヌス菌のような菌が存在することも知識として押さえておきましょう。

参考:ノロウイルスに関するQ&A|厚生労働省
参考:ボツリヌス菌|東京都福祉保健局

煮沸消毒できるものは?

煮沸消毒は、消毒するものを鍋に入れ、沸騰した湯で煮たてて消毒する方法です。材質によっては熱によって変質したり破損したりしてしまうものもあるため、たとえ鍋に入るサイズでも煮沸できないケースがあります。安全に煮沸消毒するために、煮沸できる素材とできない素材を知っておきましょう。

煮沸消毒できる素材

煮沸消毒できるのは、耐熱性のガラス製品・プラスチック容器です。

プラスチック製品の場合は、品質表示に耐熱温度100℃以上と記されていればOK。耐熱温度は容器の裏などに表示されているので、必ず事前に確認しましょう。

ガラス製品は、耐熱温度ではなく耐熱温度差で判断します。耐熱温度差とは、どのくらいの温度差で破損してしまうかを表すものです。耐熱温度差が120℃以上ある耐熱ガラスなら、煮沸消毒を行えます。

布製品を煮沸消毒する場合は、綿や麻素材であれば可能です。

参考: 消費者庁

煮沸消毒できない素材

煮沸消毒できないものは、耐熱性ではない素材です。プラスチック製品の場合、耐熱温度100℃未満のものは沸騰した湯につけることはできません。本体とふたの耐熱温度が異なることも多いため、必ず品質表示を確認しましょう。

耐熱ガラスではない一般的なガラス製品は、急激な温度差によって割れてしまう可能性もあるため避けた方が無難です。漆や木製の器なども煮沸消毒できません。

ナイロンやポリエステルのような化学繊維や、シルクやウールなども熱に弱い素材です。煮沸消毒すると縮みや変色などを招いてしまうので避けましょう。

煮沸消毒するときの注意点

煮沸消毒は簡単に消毒できるのが利点ですが、安全かつ効果的に行うためにはいくつかの注意点を守ることが大切です。煮沸消毒を行う際に注意すべき3つのポイントを解説します。

耐熱温度をチェックする

煮沸消毒を行う前に、必ず耐熱温度を確認しましょう。耐熱温度が100℃未満のプラスチックは、熱によって溶けたり変形したりする可能性があります。

ガラス製品を煮沸消毒するときは、耐熱温度差が120℃以上あるかチェックしましょう。一般的なコップやガラス食器の素材として使われている「ソーダガラス」や「クリスタルガラス」の耐熱温度差は、40~80℃といわれています。冷えた状態から急に高温になると割れることもあるので注意が必要です。

洗剤で洗ってから消毒する

煮沸消毒する前に、中性洗剤でよく洗って汚れを落としておくことが大切です。食べ物のカスや汚れが残っていると、せっかくの熱湯で消毒してもしっかりした効果を得られません。

哺乳瓶や保存瓶などは、ふたが閉まる溝の部分に汚れが残らないよう、丁寧に洗っておくことが大切です。手が入らないような口が細い瓶なども、ボトル用スポンジを使って汚れを落としておきましょう。布巾やタオルなどの布製品は、一度洗濯してから消毒するのがおすすめです。

しっかり自然乾燥させる

煮沸消毒した後は、清潔な場所に置いてしっかり乾燥させましょう。水分が残ったままにしておくと菌が繁殖しやすくなり、せっかくの消毒効果がなくなってしまいます。

タオルや布巾を使って拭き取ると菌が付着する可能性があるため、消毒した後は自然乾燥させるのがベストです。布製品の場合は、天日干ししたり乾燥後にアイロンをかけたりすることで、殺菌効果がアップします。

煮沸消毒の方法

消毒する容器がすっぽり入る大きさの鍋とトングを用意したら、さっそく煮沸消毒を行ってみましょう。消毒する手順や注意点を素材別に解説します。電子レンジで消毒する方法も紹介するので、参考にしてみてください。

ガラス製品

耐熱ガラス製品を煮沸消毒するときは、割れないように注意することが大切です。複数のガラスを同時に煮沸消毒するときは、鍋の中でぶつかって割れないように、1つずつ布巾で包んでおきましょう。

【手順】
1.食器用洗剤で洗って汚れを落とす
2.鍋に当たる衝撃で割れないように、鍋底に布巾を敷いて容器を入れる
3.容器が完全に浸るまで水を入れて火にかける
4.沸騰したらそのまま5~10分ほど煮る
5.火を止めたらトングを使って取り出し、清潔な場所で自然乾燥させる

耐熱性プラスチック

プラスチック製品の場合、長時間煮沸すると熱によって変形することがあるので、様子を見ながら行いましょう。

【手順】
1.洗剤を使って汚れをよく落としておく
2.鍋に入れ、容器が完全に隠れるまで水を入れる
3.火にかけて沸騰したら、5~10分煮沸する(ときどき様子を見る)
4.時間になったら火を止めてトングで取り出し、清潔な場所で自然乾燥させる

布製品

煮沸した後は、火傷しないようによく冷ましてから絞ってください。時間がないときは鍋に水を入れてもOKです。臭いがひどい場合は、水1Lに対して大さじ1杯の重曹を入れて煮沸すると効果があります。

【手順】
1.洗濯洗剤などで汚れを落とし、よくすすぐ
2.鍋に入れ、布巾などがしっかり浸るまで水を注ぐ
3.火にかけて沸騰したら5分ほど煮沸する
4.火を止めたらトングや菜箸で取り出し、清潔なザルに上げて冷ます
5.手で触れるくらいになったら絞って天日干しする

電子レンジを使う方法

電子レンジで使用可能な「耐熱ガラス製品」や「プラスチック容器」などは、レンジを使って消毒することもできます。鍋を使うよりも短時間で消毒できるため、忙しいときにはおすすめですが、熱ムラができたり、温度が分かりにくかったりといったデメリットも。

より安全に電子レンジでの消毒を行うためには、専用品を使うようにしましょう。また、レンジから取り出すときは、容器が熱くなっているので火傷に注意してください。

【手順】
1.食器用洗剤を使って、容器をよく洗う
2.容器に水を1/3ほど入れて、ふたは軽くのせるような状態にしておく
3.600wで1分程度加熱する
4.レンジから取り出して湯を捨て、清潔な場所で自然乾燥させる

ふたがない容器やレンジ不可のふたの場合は、ラップをして隙間を開けましょう。

煮沸消毒できない場合はどうする?

耐熱性ではないガラス製品やプラスチック容器、または大きくて鍋に入り切らないものの消毒には、エタノールや漂白剤を使う方法がおすすめです。簡単に行えますが、薬剤の取り扱い方などには注意が必要です。それぞれの方法を説明します。

消毒用エタノールを使う

消毒用エタノールとは、無水エタノールを20%の分量の水で希釈した液体です。無水エタノールに比べるとアルコール濃度や洗浄力は落ちますが、アルコール濃度が薄い分、揮発性も低くなります。吹きつけた場所などに長くとどまって、消毒効果を発揮しやすいのが特長です。直接手で触って拭き取るため、事前にせっけんで手をよく洗っておきましょう。

【手順】
1.容器をよく洗って乾かしたら、消毒用エタノールをスプレーする
2.清潔な布巾などで拭き取る

パーツが取り外せるものは分解して洗い、それぞれのパーツにスプレーしてください。

漂白剤を使う

市販の漂白剤を使って消毒する方法です。漂白剤には「塩素系」と「酸素系」があります。「塩素系漂白剤」の主成分は、次亜塩素酸ナトリウムです。漂白力が強いため、色柄ものなどの布製品には使えません。色柄ものの布製品は「酸素系漂白剤」で消毒しましょう。

塩素系と酸素系が混ざってしまうと有毒ガスが発生するため、絶対混ぜないようにしてください。

【手順】
1.バケツなどに規定通りの濃度に希釈して作った消毒液を入れる
2.消毒したいものを5分以上浸す
3.消毒液から出し、薬剤が残らないようによく水洗いする

参考:西保健所 食品衛生だより | 福岡市

写真/(C)Shutterstock.com

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