「軽挙妄動」の意味や読み⽅とは?
「軽挙妄動」の読み方と言葉の意味について解説します。
■読み⽅と意味
読み方は「軽挙妄動(けいきょもうどう)」です。言葉の意味は、「深く考えずに、軽々しく行動すること」。この四字熟語は、「軽挙」と「妄動」という2つの熟語から構成されています。
なお、「軽挙妄動」という四字熟語としての出典や語源となるものは見当たりません。「軽挙」は「軽はずみな行い」を意味し、「妄動」は「考えもなくむやみに行動すること」を意味します。
因みに、「軽挙」は、中国の古典『韓非子』に「軽挙して以て計を行はば、即ち人主危からむ」という文章があります。これは「軽はずみな行動をすれば、君主は危険にさらされる」という意味。
また、「妄動」は、漢の時代にかかれた『戦国策』の中にある『燕策(えんさく)』に「趙敢えて妄動せざらん」という文章があり、「趙はむやみと行動することはない」という意味になります。
「軽挙妄動」は、考えもせず軽はずみな行動をすることで失敗したり、人に迷惑を掛けたりすることを戒めている言葉。よって「軽挙妄動を慎む」という表現で使われます。
しかし、人間というものは失敗を重ね成長するものですので、後から振り返ってみて「あの行動は軽挙妄動だったな」と自分の未熟さや若さを恥じながらそれを教訓にできればいいですね。
使い⽅を例⽂でチェック
「軽挙妄動」を使った例文で言葉の意味を正しく理解しましょう。
人事に関して部内で色々噂は出ているが、大事な時期なので軽挙妄動は慎んでもらいたい。
人事異動などの情報は、非常にセンシティブです。発表前に他人に漏らしたり、噂話や軽はずみな行動をしないよう注意するときなどに用います。
現代はネット社会です。楽しいからといって「軽挙妄動」な行いをすると、あっという間に全国に拡散されてしまいます。
アルバイトが仕事中にふざけて行った動画を仲間内で共有したら、そのうちの1人が拡散し、企業の管理責任が問われた事件がありました。そのようなことが起こらないよう行動を戒めたものです。
まだ十分に分別がつかない年齢なので、子供には軽挙妄動な振る舞いをしないように躾をしている。
子供の教育の中で、楽しむことと、軽はずみな行動との違いや境界を理解させるのは大変なこと。ですが、とても大切なことですよね。
類語や⾔い換え表現にはどのようなものがある?
「軽挙妄動」の類語や言い換え表現にはどのようなものがあるでしょうか? 3つほど代表的なものを挙げました。
軽慮浅謀
「軽慮浅謀(けいりょせんぼう)」とは、「ものごとを軽く見た浅はかな考え方」のことを意味します。何とかなるだろう、というような根拠も何もない考え方。
例文:相手チームの監督は軽慮浅謀なので、次に何を仕掛けて来るかがすぐに見破れる。
軽佻浮薄
「軽佻浮薄(けいちょうふはく)」とは、「落ち着きがなく行動が軽い」という意味の「軽佻」と、「浅はかで軽々しい」という意味の「浮薄」が合わさって四字熟語になったもの。「軽薄」という意味の二つの言葉を合わせることにより強調しています。
例文:彼の軽佻浮薄な行動のせいで、私たち一家は世間から笑いものになった。