「へそを曲げる」
「へそを曲げる」の意味を辞書で調べると以下のようにあります。
機嫌をそこねて意固地になる。また、気に入らないことがあってわざと意地悪する。(小学館『デジタル大辞泉』より)
「へそ」は身体の中心にあり、人の気持ちが宿っているとされていました。その気持ちが素直に表現できず、頑なな態度をとることを「へそを曲げる」という表現になったとされています。また「つむじを曲げる」も同じ意味合いで使うことができる言い回しです。
(例)いつまでもへそを曲げていないで、素直に仲直りすればいいのに。
「腹の虫が治らない」
「腹の虫が治らない」は、「怒りが込み上げて我慢ができない状態」をいうもの。この慣用句も「虫」という言葉が入っています。この「虫」も「虫の居所が悪い」の「虫」と同じもの。しかし「腹の虫が治らない」は、機嫌が悪いよりも、さらに強い怒りを表す言葉です。我慢できないほどの怒りが込み上げてくる際に使われます。
(例)謝罪はおろか、説明すらないなんて、このままでは腹の虫がおさまらない。
「虫の居所が悪い」の対義語とは?
「虫の居所が悪い」の対義語には「上機嫌」や「気分上々」があげられます。ふたつの言葉の意味や使い方を見ていきましょう。
「上機嫌」
「上機嫌」は、普段よりも格別に機嫌がいいことや、その様子を表します。
(例)最近、彼がやけに上機嫌なのは仕事が上手くいっているからだ。
「気分上々」
「上々」とは「これ以上なくよいこと」を表します。よって「気分上々」は「精神の状態がとても優れていること」や、「最高の気分」という意味。「気分が上々」とも表現されます。
(例)この連休中は温泉に浸かり、美味しいものを食べて気分上々だ。
「虫の居所が悪い」の英語表現は?
「虫の居所が悪い」は「機嫌が悪い」という意味の「be in a bad mood 」で表現することができます。
【例文】
・She is in a bad mood today.(今日彼女は虫の居所が悪い)
・I don’t want to get close to my boss when he’s in a bad mood.(上司の虫の居所が悪いときは、近寄りたくない)
最後に
「虫の居所が悪い」は、中国、道教の教えから由来した言葉であることがわかりました。その他にも「虫」がつく慣用句は多くあります。普段、何気なく使っている言葉もその由来を知ることで、より深く意味を理解することができるのではないでしょうか。
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