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「竜頭」の意味とは?
「竜頭」とは、「りゅうず」と読みます。辞書で引いてみると、意味が5つありますので、ひとつひとつ紹介しましょう。まず、1つ目の意味は、「竜の頭」もしくは「竜の頭をかたどったもの」です。
2つ目の意味は、「釣鐘をつるすためのつり手」。3つ目は、「仏具の幡(ばん)の竿の先につけるつり手」。幡とは、寺院などにかけられる荘厳具のことです。このふたつは、両方ともつり手をあらわす点が共通していますね。
4つ目の意味は、「兜の前面につける飾り」。この場合は、「たつがしら」とも読みます。5つ目は、「腕時計や懐中時計についているつまみ」です。腕時計の3時の位置の側面、懐中時計の上部につけられているつまみのことで、針を動かすためにつけられています。一般的に「リューズ」とカタカナで表記されることが多いですね。
腕時計の部品「リューズ(竜頭)」と呼ばれる理由とは?
では、なぜ腕時計のつまみを「リューズ(竜頭)」と呼ぶのでしょうか? その理由は、「竜頭」の5つの意味のうちの2つ目、「釣鐘をつるすためのつり手」が関係しています。まずはその由来から解説しましょう。
中国には、龍の姿に似た伝説上の生き物「蒲牢(ほろう)」というものがいます。この「蒲牢」は、よく吠えるのが特徴であることから、鐘の音が大きく響くようにと、釣鐘の装飾としてよくあしらわれていたのだそう。これが、釣鐘のつり手を「竜頭」と呼ぶことになった由来です。
続いて、それがなぜ時計の「竜頭」の語源につながるのか解説しましょう。その昔、鐘は時計代わりとしても使われていました。しかし、文明が発展すると、その役割は懐中時計へと引き継がれます。懐中時計も紐などを通してつるす部分があるため、釣鐘の「竜頭」の名称がそのままつけられたのだそうです。
「竜頭蛇尾」の使い方を例文でチェック!
「竜頭」に関連する言葉に、「竜頭蛇尾(りゅうとうだび)」という言葉があります。頭は竜のように立派なのに、尾は蛇のように弱々しいことから、「始めは勢いが良いが、終わりは振るわなくなること」を意味する四字熟語です。ここでは、「竜頭蛇尾」の使い方を紹介しましょう。
1:「TVで取り上げられて話題のお店だったが、竜頭蛇尾に終わった」
「竜頭蛇尾」は、「竜頭蛇尾に終わる」という表現がよく使われます。「最初は勢いが良かったのに、勢いを失って終わる」という意味です。この例文では、大々的に宣伝されたり、メディアの注目を集めたりしたにもかかわらず、オープンしてしばらくしたら、その勢いや人気が衰えてしまったさまをあらわしています。
2:「シーズン1は面白かったのに、シーズン2から中だるみになってしまい、竜頭蛇尾な海外ドラマだった」
「竜頭蛇尾」は、この例文のように「竜頭蛇尾な○○」という形でも使われます。海外ドラマは、シーズン数が多いものもあり、それだけ見応えも十分ですよね。しかし、途中で勢いが衰えたり、話の展開が冗長に感じられたりすることも。そうした場合にも、「竜頭蛇尾」は使えます。
3:「最初は勢い良く取り組めるが、途中でやる気を失ってしまう同僚は、まさに竜頭蛇尾だ」
「竜頭蛇尾」は人に対しても使える言葉です。しかし、「竜頭蛇尾」という言葉は、ネガティブなニュアンスを含みますので、たいていは否定的な意味合いで使われます。
「竜頭蛇尾」の類語や言い換え表現とは?
次に、「竜頭蛇尾」の類語を紹介しましょう。「虎頭蛇尾」「羊頭狗肉」「尻つぼみ」がそれにあたります。それぞれの言葉の意味を詳しく解説しますので、チェックしてみてください。
虎頭蛇尾
「虎頭蛇尾」とは「ことうだび」と読みます。成り立ちは「竜頭蛇尾」と同じく、頭は虎で、尻尾は蛇であることから、「最初は勢いが盛んだが、終わりはその勢いがなくなっていること」という意味。まさに「竜頭蛇尾」と同じ意味の四字熟語といえるでしょう。