親の文章力が問われる?
学校側は多くの願書が提出され、時間制限のある中で、効率よく読もうと考えます。せっかく書いたのに、門前払いになってしまうのは悲しいもの。そうならないためにも、以下のことに気をつけましょう。
◎主述のねじれがないようにする
例:家族で大切にしているのは、できるだけ多くの会話を心がけています。
→家族で大切にしているのは、できるだけ多く会話をすることです。
このような間違いをしないためには、一文を短くすることです。一文には40字から60字を目安に書くとよいでしょう。
◎誤字・脱字に気を付ける
わからない字は必ず辞書で調べましょう。一般的な字は漢字で書くようにします。例えば「薔薇」という字は「バラ」と書いても問題ありませんが、「勉強」を「べんきょう」や「勉きょう」と書くのは避けましょう。また、「!」「?」などの記号は書かないほうが無難です。
小学校受験での「家庭の教育方針」の例文
ここで注意すべきは、「文章が上手くなくては」「漢字を知らなければ」「字がきれいでなくては」ということではありません。我が子がお世話になる学校への提出書類をきちんと考えて書いたか? 丁寧に気持ちを込めて書いたか? ということです。よく「願書は学校へのラブレター」といわれますが、誠意の伝わるものにしたいところ。これらを踏まえて例文を示します。
例文:娘には優しく思いやりのある人に育ってほしいと考えております。常に相手の気持ちに立って考えられるように、飼っている犬の世話を任せています。言葉がなくても犬の様子を見て気持ちを察すること、遊びながら優しさや命の大切さを体感させています。
「家庭の教育方針」を決める場合の注意点
教育方針を決めていく上で気をつけたほうがいいことはあるのでしょうか? 教育方針をめぐってパートナーと喧嘩をしてしまった! なんてことがないようにしたいですね。
子どもの個性を尊重する
教育方針を決める際には、他の家庭や子どもと比べず、自分の子どもの個性を最大限に尊重することが大切です。子どもにはそれぞれ異なる性格や興味、発達のペースがあります。そのため、親の期待や他人の基準ではなく、子ども自身が持つ特性や才能に合わせた教育方針を立てましょう。こうすることで、子どもの自尊心が育ち、個性を伸ばすことができますよ。
長期的な視点を持つ
教育方針は短期的な結果にとらわれず、長期的な視点で考えることが大切です。子どもの成長は一つの段階で終わるものではなく、親子で共に成長するプロセスが続いていきます。目先の成果に一喜一憂せず、将来の目標や価値観に基づいて柔軟に対応しましょう。長期的なビジョンを持つことで、子どもの変化にも前向きに対応できるようになりますよ。
柔軟性を持たせる
家庭の教育方針は、一度決めたら終わりではありません。子どもの成長や状況の変化に応じて、常に見直しを行い、必要に応じて柔軟に変更できるようにしておくことが大切です。時代や環境の変化に伴い、方針がうまく機能しなくなることもあります。その際、方針を堅苦しく固定せず、家族全体で調整することで、より良い方向に進むことができるでしょう。
夫婦で教育方針が違う場合はどうする?
夫婦で意見が食い違う時には、まずお互いの価値観や考え方をしっかり認識し合うことが重要です。相手の意見を否定せず、なぜその方針を重視しているのかを理解するために、じっくりと話し合いましょう。
感情的になるのを避けて、相手の意見に耳を傾ける姿勢が大切です。定期的に対話の場を設け、子どもの成長や状況の変化に応じて話し合いを続けてみてください。折衷案を模索する際には、子どもの利益を最優先に考え、柔軟に対応できるようにしましょう。
お互いの考えを取り入れた教育方針を作り上げることで、夫婦間の協力も深まり、お子さんも安心するはずですよ。
最後に
「家庭の教育方針」というと難しく考えがちですが、単純に、我が子が「どんな人になってほしいか」ということです。受験があるから慌てて考えるのではなく、誕生した時からご両親で考えておくといいかもしれません。家族で定期的に話し合い、教育方針を確認し合う時間を作ってみてはいかがでしょうか?
TOP画像/(c) Adobe Stock
▼あわせて読みたい