「家庭の教育方針」は必要?
小学校受験でもよく聞かれる「家庭の教育方針」。ここでは、「家庭の教育方針って何?」「家庭の教育方針は持たなくてはいけないの?」といった疑問にお答えしていきます。
そもそも「家庭の教育方針」とは
みなさんは、「家庭の教育方針は?」と問われたら、どう答えますか? 「方針」の辞書的な意味は「物事を行うときの目指す方向や原則」ですから、家庭においては「お子さんに、どんな人に育ってほしいですか?」という問いに置き換えられます。
例えば、「明るく元気に、のびのびと、周りの人から愛される人になってほしい」「すべての人、モノに対して思いやりをもった優しい人になってほしい」「人の意見に流されることなく、自主性をもって行動できる人になってほしい」など、将来我が子がどんな人になってほしいか、を考えます。さらに、「そのためにはどういうことに気を付けて育児をしているか」が「家庭の教育方針」となります。
そうはいっても何か難しい… そういう方は、例えば我が子に名付けた時を思い出してみてはいかがでしょうか。名前には少なからず親の思いが込められているはずです。大きく広い空へ羽ばたいてほしいという思いを込めて「翔」、みんなに愛されるように「愛」など、教育方針につながるヒントがあります。
「家庭の教育方針」の役割
では「家庭の教育方針」とは、子育てをする上でどのような役割があるのでしょうか? 各家庭で、子育てに不安や迷いが出た時にひとつの拠り所として目指すものがあるとお守り代わりになるでしょう。家庭の教育方針の役割は、主に以下の2点になります。
●子育てに一貫性をもたせる
「家庭の教育方針」ですから、両親でよく話し合うことが大切です。意見の食い違いが原因で夫婦間の関係が悪化した、という例もあります。お互いが納得のいくまで話し合い、我が子の将来像にむけて同じ方向を見ていることが必要です。
父親が「Yes」と言ったのに母親は「No」と言っては子どもが迷い、混乱する要因になります。両親がブレずに一貫性を持った子育てをするためにも、教育方針は一役買います。
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●学校や習い事選びの目安になる
学校の教育方針と家庭の教育方針が合っているかは、学校選びのポイントになります。例えば、「自由でのびのびと活発になってほしい」と思っているのに、しつけがきちんとしている厳格な学校はミスマッチ。習い事も同様、教育方針があるとミスマッチを防ぐことができます。
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小学校受験での「家庭の教育方針」の書き方
小学校受験で、願書に記入したり、面接で尋ねられたりと「家庭の教育方針」が問われるのはなぜでしょうか? それは学校側もミスマッチを防ぎたいからです。
小学校受験の場合、子どもの能力というよりは、親が試されている、と言っても過言ではありません。親が学校の教育方針を理解しているか、それに賛同し、協力してくれるか、ということを学校側は見ているのです。
ここからは、どのようなことに気を付けて書けばよいのか、ポイントを示していきます。
学校の教育方針を熟読する
学校案内や募集要項にある学校の教育方針や、校長先生のメッセージには、学校が求めている子ども像が書かれています。よく読んで「家庭の教育方針」と合っているかをチェックしましょう。
例えば前述したように、母親の母校がしつけのしっかりとした厳格な学校で、「娘も同じ学校に入れたい!」という熱い思いがあったとします。しかし、お子さんが活発で自由なタイプだと、たとえ入学できたとしても、なじめず通学に対して後ろ向きになってしまうケースも。
そのため、親の価値観を押し付けることなく、この学校は個性を大切にしながら我が子を成長させてくれるか? ということを考えながらチェックするのがポイント。学校の教育方針に家庭の教育方針を合わせることのないようにしましょう。