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【目次】
ベビーカーとチャイルドシートは兼用できる?
首の据わらない新生児や寝てしまった乳幼児を移動させるとき、ベビーカーや車のチャイルドシートに乗せ替えるのは、けっこう大変な作業ですよね。
ベビーカーとチャイルドシートを兼用できるアイテムを使えば、子どもにとっても大人にとっても快適さが向上します。そんな一石二鳥な兼用アイテム「トラベルシステム」の選び方などを紹介します。
「トラベルシステム」なら兼用できる
「トラベルシステム」とは、取っ手が付いたゆりかごのような形状で、ベビーカーに取り付けたりチャイルドシートとして装着したりして兼用できる仕組み、またはアイテムです。モデルによっては、ベビーキャリーやベビーチェア・バウンサーとしても使用できます。
トラベルシステムの内側には、背や頭を守るクッションや体を支えるシートベルトが付いており、振動や衝撃から乳幼児を守ります。
海外では一般的で多くの人に認知・使用されていますが、日本での普及率はまだあまり高くありません。昨今は、日本でもトレンドに敏感な人から徐々に浸透してきています。
トラベルシステムのメリット・デメリット
トラベルシステムを使用することで得られるメリット・デメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。購入前にしっかりと理解しておきましょう。
【メリット】赤ちゃんの快適さ
トラベルシステムを利用すれば、移動のたびに赤ちゃんをベビーカーやチャイルドシートに乗せ替える必要がなくなります。
子どもを乗せたままベビーキャリーとしても持ち運べるため、親の行動範囲も広くなるでしょう。寝ている場合も起こしてしまう心配がありません。子どもだけでなく、親も快適に移動できるので、ストレスや手間がグッと少なくなるのが特徴。
また、ベビーカーやチャイルドシートなどを兼用できるため、コストカットにつながります。子どもが大きくなり、本当に必要なアイテムが見極められるまでは、トラベルシステム1台でいろいろな役割を満たしてくれる点はメリットといえるでしょう。
【デメリット】使用期間が短い
トラベルシステムの対象年齢や適正体重は、ほとんどの製品で新生児~1歳半頃となっています。対象年齢や適正体重を超えたら、別のベビーカーやチャイルドシートなどを用意する必要があります。
ほかにもトラベルシステムを取り付けるための付属品が必要だったり、購入したトラベルシステムを中心にベビーカーを選んだりする必要があるため、選択肢の幅が狭くなってしまう可能性も否めません。
購入する際の手間や買い替えすることを考えると、コストパフォーマンスがよくないと感じてしまう人も少なくないでしょう。
ベビーカーとチャイルドシートの役割を兼用できる「トラベルシステム」の選び方
一口にトラベルシステムといっても、さまざまな種類があります。トラベルシステムを選ぶ際のチェックポイントを見ていきましょう。
安全性をチェック
トラベルシステムを選ぶ際は、トラブルに対して安全面が保証されているかどうか?を確認しておきましょう。特に、チャイルドシートとしての安全性をクリアしているかどうかは重要です。
安全を判断する項目として、安全規格「UN-R129(国連の車両・装置等の型式認定相互承認協定)」があります。UN-R129で定められている100以上の項目に対して、基準をクリアしているトラベルシステムであれば、安心して使用できるでしょう。
参考:国連の車両等の型式認定相互承認協定における相互承認の対象項目|国土交通省
対象年齢・適性体重
トラベルシステムの対象年齢や適正体重が、どのくらいまで対応しているのかも確認しておきましょう。
メーカー・モデルによっては「チャイルドシートとしては1歳まで・ベビーカーへの装着は10kgまで適応」というように、使用するアイテムごとに対象年齢や適正体重が異なる場合もあります。
あくまでも「安全に乗せることができる」ための基準です。対象年齢であったとしても、体重や身長によっては、子どもを乗せることができない場合もあるので、自身の子どもの身体に合ったトラベルシステムを選ぶことが大切です。
どんな機能があるか
トラベルシステムのモデルによっては、機能性や汎用性が異なります。どの範囲までトラベルシステムが使用できるのか確認しておきましょう。
汎用性では「欲しいベビーカーに装着できるのか」「車での移動が多いので、チャイルドシートとしての機能が充実していてほしい」など、求めている機能から選ぶこともポイントの一つ。
モデルによっては、バウンサーやベビーチェアになるものもあるので、生活スタイルから選ぶことも大切です。
機能性では、UVカット効果・シートの手洗い・重量・持ち運びのしやすさなどもチェック項目になります。自分や家族が使用しやすい機能を持ったトラベルシステムを選ぶのがおすすめです。
適用車種も確認を
自家用車に設置できるかどうかの確認も重要です。まずは自家用車が「ISOFIX」に対応しているのか確認しておくとよいでしょう。
ISOFIXは、コネクターで固定する国際標準規格の設置方式のことで、従来のシートベルトでの固定よりも、取り付けが容易で高いホールド力があります。日本では、2012年7月以降に販売された車であれば、搭載が義務付けられています。
もし、自家用車がISOFIXに対応していない場合、トラベルシステムの方でシートベルト装着に対応しているかどうかを確認して選ぶ必要があります。
また、大型のトラベルシステムの場合、車のスペースには入らないことも予想されます。設置スペースを考えて選ぶことも大切です。
安全性の高さが魅力のトラベルシステム3選
乳幼児を衝撃から守るには、安全性の高いトラベルシステムを使用しましょう。安全を重視したトラベルシステムを紹介します。
hauck「コンフォートフィックスセット」
ドイツの安全規格「ECE 44/04」の承認を得ているほか、オーストラリアやスイスの自動車連盟からも安全性が認められているトラベルシステムです。ISOFIX用のベースがセットになっており、正確に取り付けられているかどうかが色で判断できます。
専用のベビーカーに取り付けて、また独立させればベビーチェアとしても使用できます。
上半身を支えるクッションには特許取得の衝撃吸収フォームが採用されており、揺れや衝撃から子どもの体をしっかり守ります。体重13kgまで使用可能です。
商品名:hauck「コンフォートフィックスセット」
cybex「Cloud Z i-Size」
cybex「Cloud Z i-Size」は、国連の安全規格「UN-R129」をクリアしたトラベルシステムです。体を覆うクッション素材にも衝撃を吸収する「シートシェル」を使用しているため、万が一の衝撃からも身を守ります。
別売りの専用ベース「ベースZ」と合わせれば、シートを180度回転させられるため、車への乗せ下ろしがスムーズです。
ベビーカーやベビーキャリーとして使用する際は、リクライニング機能も使えるので、赤ちゃんをいつでも快適な姿勢にしてあげられます。
商品名:cybex「Cloud Z i-Size」
MAXI-COSI「ペブル360」
安全規格UN-R129をクリアした、多機能性と汎用性に優れたトラベルシステムです。六角形になった独自の衝撃吸収素材「G-CELL」を採用し、変形しながら衝撃を吸収することで、側面からの衝突があった場合にも子どもに衝撃が伝わりにくくなっています。
別売りの車載用ベースメント「FamilyFix360」と組み合わせれば、向きが変えられるため、乗降時のもたつきもありません。
大型の日よけも付属しているので、ベビーカーに付けて使う際にも役立ちます。
商品名:MAXI-COSI「ペブル360」
優れた機能が付いたトラベルシステム3選
トラベルシステムは優れた汎用性以外に、多機能性が搭載されているモデルもあります。親にもうれしい機能を搭載したトラベルシステムを紹介します。
Britax「ベビーセーフ3 i-size」
Britaxは、世界トップクラスの自動車メーカーに推奨されるほどの実績を持つメーカーです。「ベビーセーフ3 i-size」は、人間工学に基づいた繊細な機能が多く搭載されています。
機能の一つである「ライフラットテクノロジー」は、乗っている子どもが常に快適な姿勢でいられるように…と搭載された機能です。新生児は頭が垂れ下がらないようにフラットな状態を保ち、年齢が上がるにつれてリクライニングできるようになっています。
さらに、日中はUPF50+の日よけが紫外線から赤ちゃんを守り、夜間はスマートライトが自動で点灯し、ベルト装着のサポートやベビーカー走行時の視認性を高めます。安全性と使い勝手に優れたモデルです。
商品名:Britax「ベビーセーフ3 i-size」
Aprica「Air Carry」
性能だけでなく使用している生地にも配慮したトラベルシステムです。体に触れるインナーシートにはオーガニックコットンが使用され、口に触れやすい肩カバーには、肌触り・通気性に優れたメリノウール混紡生地が採用されています。
シートは取り外しが可能で、汚れたら手洗いできるため、常に清潔な状態を保つことができるでしょう。
機能面だけでなく汎用性にも優れており、チャイルドシート、ベビーカーへの取り付け以外にもロッキングチェアやベビーチェアとしても使用できます。本体の重さは約2.8kgなので、赤ちゃんを乗せての移動がしやすい点もメリットです。
商品名:Aprica「Air Carry」
レカロ「サリア エリート」
ワンタッチで付け替え可能なISOFIXと、360度回転するチャイルドシート型のトラベルシステムです。車載用パーツがセットになっているため、別途買い足す必要がありません。
正しく装着ができているかなどがひと目で確認できる「集中インジケータ」付きで、装着に関する不安も払拭できます。国連の安全規格UN-R129認証のほか、レカロの独自技術「側面保護機能(ASP)」も搭載されており、側面ドアからの衝撃からも子どもを守ります。
ほかにも、5段階のリクライニング機能や、ワンタッチのベルト調整機能など、基本的な機能がしっかりと搭載されているので、はじめて使用する一台に最適です。
商品名:レカロ「サリア エリート」
取り回しやすいトラベルシステム2選
赤ちゃんは日々成長します。特に1歳までの間は体重が増えたり、身長が伸びたりと成長が目まぐるしい時期です。
そのため、本体の重量や持ち運びのしやすさも、トラベルシステムを選ぶ上での重要なポイントです。軽量タイプや、移動のしやすさに優れたモデルを紹介します。
Aprica「スムーヴTS インファントカーシート」
トラベルシステム本体が2.6kgと軽量性に特化したモデルです。本体自体が軽いため、子どもを乗せて持ち運ぶ際にも、負担が少なくなります。
また汎用性にも優れており、チャイルドシートとベビーカーのほかにも、ベビーキャリー・ロッキングチェア・ベビーチェアと5種類に使い分けが可能です。トラベルシステム本体に使用されている生地には、肌に優しいオーガニックコットンが使われています。
シートの取り外しも簡単で、自宅洗いも可能です。子どもを乗せるシートは常に清潔で保ちたい、と考えている人におすすめのトラベルシステムです。
商品名:Aprica「スムーヴTS インファントカーシート」
Joie「i-Snug」
総重量3.25kg、人間工学に基づき設計された3段階に調節が可能なハンドルなど、持ち運びを考えた作りのトラベルシステムです。
頭部を衝撃から守ってくれる「3層のレイヤー構造」や、新生児の体を隙間なく支える「インテリフィットフォーム」を採用し、ヨーロッパの安全基準「R129/02」もクリアしています。
子どもの成長に合わせて、クッションを取り外すことで、常にベストなサポートができるよう考えられています。
商品名:Joie「i-Snug」