「墨西哥」の基礎知識
「墨西哥」の読み方はわかりますか?ヒントは「国名」です。「日本」や「韓国」など以外の、いつもは漢字で表記しておらずカタカナで書かれていることの多い国名にも、漢字表記が用意されています。
はじめに、墨西哥の読み方や漢字の由来・語源、国名自体の由来、墨西哥とはどのような国なのかについて、詳しくチェックしていきましょう。
■「墨西哥」の読み方はわかる?
墨西哥は北アメリカ大陸の南部に位置している連邦共和国です。マヤ・アステカ文明が栄えた歴史深い地域で、16世紀にスペインの植民地となり、1821年に独立しました。墨西哥では、今でもスペイン語を公用語としています。
そんな墨西哥の国名はなんでしょう?
正解は、「メキシコ」です。正式名称ではメキシコ合衆国と呼ばれています。首都はメキシコシティーで、ひとつの漢字のみで表記する場合には「墨」と書きます。
■「墨西哥」という漢字の由来・語源
もともと、中国ではメキシコのことを「墨西哥」と表記していました。墨西哥という漢字は、中国での表記の仕方がそのまま日本に伝わったものであると考えられています。
「墨」を「メ」と読むのは、現代の日本ではあまりなじみがない読み方でしょう。しかし、アメリカをかつては「亜墨利加」と表記していたように、墨という漢字をメと読んでいた時代があったことの名残であるとされているのです。
■墨西哥の国名の由来
それでは、そもそもメキシコという国名はどのようにして決められたのでしょうか。
これは、アステカ族が信仰していた守護神「メヒクトリ(神に選ばれし者)」にちなんで呼んだ「メヒコ」からきています。メキシコは、このメヒコが英語読みになったものです。
墨西哥の国旗に描かれている中央の鷲などは、アステカの建国伝説に由来しています。また、緑・白・赤の3つの色は、スペインからの独立の際に掲げた「諸州の独立・信仰・統一」という「3つの保障」からきているものです。
■墨西哥とはどのような国?
墨西哥の面積は、日本の約5倍にあたる196万平方キロメートルもの広さがあります。2017年に国連が発表したデータによると、墨西哥の人口は約1億2,920万人です。墨西哥では、国民の約9割がカトリックを信仰しています。
日本にとってアジア以外の国と初めて平等条約を結んだ国が墨西哥です。そのため、駐日メキシコ大使館がある土地は、政治的中心地である永田町に特別に用意されています。大使館が永田町に立地しているのは、外国の大使館の中で唯一墨西哥のみです。
墨西哥と似た読みにくい漢字表記3つ
いつもはカタカナで表記されていて漢字表記にするとわかりにくくなる国名は、墨西哥以外にもさまざまなものがあります。今回は、以下のとおり3つの国名をご紹介します。
・白耳義
・牙買加
・羅馬尼亜
これらのほかに、「巴奈馬」や「亜爾然丁」、「委内瑞拉」などの漢字表記も読みにくいでしょう。ちなみに、巴奈馬は「パナマ」、亜爾然丁は「アルゼンチン」、委内瑞拉は「ベネズエラ」です。
それでは、漢字表記にするとわかりにくくなる上記に挙げた3つの国名について、それぞれチェックしていきましょう。
1.白耳義
まるで白い耳の動物かのようなイメージを持たれそうな漢字表記ですが、こちらも国名を表しています。
白耳義は西ヨーロッパに位置する、欧州連合(EU)本部がある国の名前です。ワッフルやチョコレートなど、さまざまなおいしいものがあることでも知られています。
そんな白耳義の国名はなんでしょう?
正解は、「ベルギー」です。漢字一文字だけで表記する場合には、「白」と書きます。
2.牙買加
牙買加は、カリブ海にある島国で、公用語はイギリス英語です。
この漢字表記のほかに、「牙埋加」や「牙売加」と表記されるケースもあります。牙買加については、香り高い高級コーヒー豆である「ブルーマウンテン」が有名です。また、コーヒー以外にも、砂糖やボーキサイトなどを産出しています。
牙買加はキューバ島南東のカリブ海にあり、「カリブ海の女王」とよばれる保養地でもあります。牙買加の首都はキングストンです。
そんな牙買加の国名はなんでしょう?
正解は、「ジャマイカ」です。あなたは読めましたか?
3.羅馬尼亜
羅馬尼亜は、バルカン半島の北東部にある国です。国名は「ローマ人の国」という意味が由来となっているといわれており、羅馬尼亜にも「ローマ」の漢字表記である「羅馬」が使われています。羅馬尼亜の首都はブカレストです。
羅馬尼亜は2007年に欧州連合(EU)に加盟しました。石油・天然ガスを産出している国でもあります。1989年に社会主義体制が崩壊した際に、国名を現在のものへと改称しました。
そんな羅馬尼亜の国名はなんでしょう?
正解は、「ルーマニア」です。漢字一文字だけで表記する場合には、「羅」と書きます。
墨西哥の意味を理解して正しく使おう
「墨西哥」の漢字表記は難易度が高く、読みにくいでしょう。そもそもいつもは漢字で表記しておらず、カタカナで書かれていることの多い国名であるため、あまり見かけることがなくて読み方が浸透していません。
しかし、このようなカタカナで書かれていることの多い国名にも、漢字表記が用意されています。漢字表記にすると読みにくくなる国名にはさまざまなものがあるため、チェックしてみると良いでしょう。新しい発見があるうえに、漢字で書かれた国名のクイズにもなります。
墨西哥の読み方は<メキシコ>で、正式名称だとメキシコ合衆国という国名です。北アメリカ大陸の南部に位置しています。マヤ・アステカ文明が栄えた歴史深い地域で、16世紀にスペインの植民地となり、1821年に独立しました。
このほか、白耳義・牙買加・羅馬尼亜・巴奈馬・亜爾然丁・委内瑞拉なども、同様に漢字表記にすると読みにくい国名です。
言葉が持っている意味やそれぞれの国の特徴をしっかりとチェックして、正しく理解できるようになりましょう。
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