「従妹」の2つの読み方
従妹という言葉には、次のとおり2つの正式な読み方があります。
1.いとこ
2.じゅうまい
「いとこ」という読みには慣れ親しんでいても「じゅうまい」となると、いきなり堅苦しいイメージになります。両方の読み方を知っておくことで、自信を持って表現を使いこなせるでしょう。
従妹という言葉の2つの読み方を、それぞれ解説します。
1.いとこ
従妹の1つ目の読み方は「いとこ」です。問題なく読めた方は、漢字の組み合わせに注目してみてください。
「妹」の漢字が示すとおり、従妹はいとこの中でも年下の女性を意味します。従妹と対になる言葉として「従姉」があり、こちらは年上女性のいとこを表す点を押さえておきましょう。
従妹と従姉、用いられる漢字は異なるのに、不思議なことに両方とも「いとこ」と読んで間違いではありません。また、両者を合わせて従姉妹と表記した場合も、読み方は変わらず「いとこ」です。
2.じゅうまい
従妹の2つめの読み方は「じゅうまい」です。こちらは中国から伝わった読み方で、漢字に紐づいているため推測しやすいでしょう。
関連する言葉である従姉は「じゅうし」従姉妹は「じゅうしまい」と読みます。いとこ読みよりはイレギュラーではありませんが、普段あまり耳にする表現ではないため、いざ使われると戸惑うケースが多いようです。
従妹の音読みもこの機会にマスターしておきましょう。
「従妹」は4親等の親族
従妹や従姉は、祖父母を同じくする4親等の親族にあたります。親族同士の距離を示す際に用いられるのが、親等です。
普段の生活ではあまり意識する機会がないかもしれませんが、関係性を明白に示すことができるため、各種手続きの際にも用いられることがあります。
意外と複雑な親等の意味と数え方を、この機会に知っておきましょう。
■親等とは親族関係における距離を表す
親等を使うことで、本人と親族との距離を数字で表すことが可能です。ただし、用いられる範囲は、本人の血族と姻族に限られます。
血族には、自分と血のつながりがある親族が含まれます。ただし、養子縁組などをとおして法律上の血縁関係がある親族も含まれる点には注意しましょう。
姻族とは、配偶者と血のつながりがある親族です。配偶者には親等を用いず、本人と同列に扱われます。
■親等の数え方
親等は法的な手続きや相続などにも必要とされるため、正しく理解しておく必要があります。原則として、数字が大きくなるほど遠い親族を意味します。
しかし、親等は血族と姻族が存在する点に注意しましょう。実際の使用シーンにおいては「2親等の血族」「3親等の姻族」などといった表現を、それぞれ区別して認識しなければなりません。
血族と姻族の親等の数え方を解説します。
血族の親等
親等を数える際は、世代を超えるごとにカウントを増やしていくと覚えましょう。
具体的な例は以下を参考にしてみてください。
・本人の両親・子ども:1親等
・本人の祖父・祖母・孫:2親等
・本人の兄弟姉妹:2親等
・本人の叔父・叔母:3親等
・本人の甥・姪:3親等
・本人のいとこ:4親等
姻族の親等
世代を超えるごとにカウントを増やしていく点では、血族と同じ数え方をすれば問題ありません。しかし、基準となるのが本人か配偶者かで異なるのが、両者の違いです。
姻族の親等では、配偶者を基準に親族との関係を示すことができます。
・配偶者の両親:1親等
・配偶者の祖父・祖母:2親等
・配偶者の兄弟姉妹:2親等
・配偶者の叔父・叔母:3親等
・配偶者の甥・姪:3親等
・配偶者のいとこ:4親等
いとこの意味と使い分け方
いとことは、祖父母を同じくする親族のことです。親等で表すと、4つの世代を経た4親等の親族です。
女性のいとこが従姉と従妹で表されることをご紹介しましたが、男性の場合は表記が異なる点には注意しましょう。いとこを漢字表記する場合は、性別と関係性により使い分ける必要があるのです。
いとこの表記の使い分け方をご紹介します。
■性別と相手との関係により表記が異なる
いとこの漢字表記は、全部で以下の6つです。
・従姉:年上の女性のいとこ
・従妹:年下の女性のいとこ
・従姉妹:女性のいとこ
・従兄:年上の男性のいとこ
・従弟:年下の男性のいとこ
・従兄弟:男性のいとこ
本人との関係性によって、漢字が使い分けられます。従兄妹や従姉弟といった表現も可能です。
いとこは当て字であり、正式な読み方がルール化されているものではありません。
紛らわしい親族を意味する言葉
いとこと同様に、いざというときに混同しがちなのが伯父と叔父、伯母と叔母の表記です。父方と母方の親族を表して使い分けられ、結婚式の席次表などでは正しい表記が求められます。
この表記の使い分けには、中国の儒教思想が関係しているとされます。フォーマルな場面で恥をかかないためにも、この機会に使い分けをマスターしておくと安心です。
■伯父・伯母と叔父・叔母
伯父と叔父は、両者とも「おじ」と読み、父母の兄または弟にあたる人を意味します。伯母と叔母の読みは「おば」で、父母の姉妹を示す言葉です。
両親の兄弟姉妹関係によって、4つの言葉は以下のように使い分けられます。
・伯父:父母の兄
・伯母:父母の姉
・叔父:父母の弟
・叔母:父母の妹
儒教では年長の人を敬うことが重要とされており、兄弟間の立場を強調するために、年長男性を意味する「伯」の字が使われています。
「従妹」自信を持って読めるようにしよう!
従妹は、2つの読み方ができる言葉です。どちらの読み方も知っておくことで、どんなシーンでも焦ることなく対応できるでしょう。
親族を表す表現には、親等や相手との関係性で表記が変わる言葉など、普段の生活ではあまり意識しないものも含まれています。しかし、法律上の手続きや結婚式など、格式の高い場面で知識が必要となる可能性があるのです。
正しく知識を整理して、間違いなく言葉を使いこなせるようにしましょう。
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