「前向きに検討」の意味とは?
前向きに検討という言葉は、提案や申し入れを積極的な姿勢で考えることを意味します。特に面接や商談の場でよく用いられる表現です。
デジタル大辞泉の解説もチェックしておきましょう。
【前向き】まえむき
1 正面に向くこと。前方に向くこと。まむき。「前向きに座る」⇔後ろ向き。
2 物事に対する姿勢が積極的、建設的であること。「前向きに考える」⇔後ろ向き。【検討】けんとう
[名](スル)よく調べ考えること。種々の面から調べて、良いか悪いかを考えること。「検討を重ねる」「検討の余地がある」「問題点を検討する」
「前向き」の表現から、検討の末得られる結果が良いものだとイメージする方が多いかもしれませんが、実は必ずしもそうとは限りません。
■意味は状況によっても異なる
前向きに検討の言葉に含まれる意味は、その時々の状況によっても大きく異なります。面接を例に挙げると、対応してくれた担当者に採用の権限がなかったり、その場ですぐには合否を出すのが難しい状況であったりする場合にも用いられます。
反対に、好感触であった志願者に安心感を与えるために、前向きに検討という言葉を使っているケースもあるでしょう。表現が状況に応じて微妙に違ったニュアンスをもつ点は、把握しておくと安心です。
■「前向きに検討」でも結果が思わしくない場合もある
結果が出ていない以上、いくら前向きに検討が行われているとはいっても、最終的な判断は誰にもわかりません。面接や商談で相手から「前向きに検討する」と伝えられても、残念な結果に終わってしまう可能性は十分にあるのです。
言葉の意味を誤解してしまい、望まない結果にクレームを入れるような態度は取らないように気を付けましょう。
「前向きに検討」がよく用いられるシーン
前向きに検討という言葉は、プライベートな場面よりも次のような少しかしこまった場面でよく利用されています。
1.就職面接
2.ビジネスの商談
どちらもその場で即座に回答をするのが難しい状況で、最終的な判断を後日改めて伝えるという意図で用いられます。それぞれのシーンを思い浮かべながら、表現の意味を理解していきましょう。
1.就職面接
「前向きに検討いたします」の表現がよく聞かれるシーンの1つが、就職面接です。面接の結果は一般的にその場で伝えられることはなく、後日電話やメールで志願者に通知されます。
面接担当者がその時点で合否の判断をある程度確定させている場合でも、再度社内で検討したり、権限者の最終確認を仰いだりするために、すぐに結果を伝えられません。面接において前向きに検討という表現は決まり文句のように使われている一面があるため、結果を期待するのはまだ早いでしょう。
2.ビジネスの商談
ビジネスの商談においても、前向きに検討という表現が頻繁に用いられます。面接での利用シーンと同じように、その場での判断が難しい場合や追加で検討を重ねたい場合に使われるのが一般的です。
商談の場合はその場で拒否をされてしまう可能性もあるなかで、前向きに検討の言葉が出れば次へのアプローチを考える余裕が生まれます。
「前向きに検討」という返答への心構え
相手が前向きに検討との返答をした際には、以下2つのポイントを心掛けておきましょう。
1.一喜一憂しすぎない
2.素直に受け止め相手を圧迫しないようにする
意味解説でもご紹介したとおり、前向きに検討には状況によって込められる意味が異なります。過度な期待や落胆をせずに、相手が充分に検討できる時間を与えるようにしましょう。
1.一喜一憂しすぎない
前向きとはいっても、検討の結果は最後まで予想できません。表現に一喜一憂しすぎずに、落ち着いて対応するようにしましょう。
過度な期待をして次の対策を取らなかったり、落胆して気力が失われてしまったりしては本末転倒です。まだ結果は出ていないという点をしっかりと認識し、最後の瞬間まで気を抜かないようにしましょう。