キッチンのカーテンの選び方
キッチンに窓がついていると、簡単に換気ができたり、陽の光が気持ちいい時間がある反面、周囲の視線が気になったり、西日が眩しかったり、夏は暑かったりして困る場合も。そうなるとカーテンが欲しくなるものですが、火を扱う場所でもあるので安全面が心配になるでしょう。
そこで、お家の快適空間を作る街のリフォーム屋さん「アトリエボックス」でインテリアデコレーター並びに窓装飾プランナーをされている米道莉恵さんに、キッチンのカーテンの選び方についてお話をうかがいました。
キッチンのカーテンは危ない?
キッチンのカーテン選びで重要なポイントは何でしょうか?
「キッチンと他の部屋で一番違う点は、火の扱いがあるかどうかです。布製のカーテンは引火する可能性が高いので、おすすめできません。
それでも『周囲の視線や日差しを避けたいし、どうしてもカーテンをつけたい!』と思う方もいらっしゃるかと思います。その場合は、防炎機能のついたロールスクリーンやアルミ製のブラインドを選んでみるのはいかがでしょう。引火の可能性は抑えられますし、安全性も高まります。
また、少々手間はかかってしまいますが、窓ガラスをすりガラスにリフォームするのも一つの方法です。すりガラスには、格子状のもの、網目状のもの、模様入りのものなど様々なデザインがあります。窓ガラスを替えることで、おしゃれで機能的にすることも可能ですよ。リフォームする場合の費用の目安は、1窓(幅850×高さ1000cmの場合)5万円程度。
窓交換となると大掛かりな感じもするかもしれません。その場合には、既存の窓の上にガラスフィルムを貼ると快適性がアップするのでおすすめです。模様が入ったものやグラデーションになったものなど、おしゃれなものが展開されています。ただし、ガラスフィルムは網入りガラスには施工できないので注意してください」(米道さん。以下同)
防災にもなるカーテンとは?
それでもやっぱりカーテンをつけたいという場合は、どうしたらよいでしょうか?
「前術した通り、キッチンにカーテンをつけることはおすすめしません。特にコンロ周りに窓がある場合、カーテンをつけるのは避けましょう。
コンロからは十分に距離があって、『どうしても!』ということであれば、〝防炎ラベル(日本防災協会が認めた証)〟が付いたカーテンを選んでください。なお、防災ラベルは工場で縫製する際にラベルをつけることがあります。したがって、防炎ラベルに相当するのにラベルがついていないこともありますので、防炎機能がある生地かどうかはお店の人に確認するとよいでしょう」(米道さん)
キッチンは頻繁に使う場所だからこそおしゃれにしたいところですが、命を危険に晒してしまっては元も子もありません。安全面を十分に考慮した上で、カーテンの有無を検討しましょう。
目的別カーテン・ブラインドの選び方
続いては、目的別にキッチンのカーテン・ブラインドの選び方を紹介します。参考にしてみてください。
機能性で選ぶ
日光の調節や遮光、目隠し、防暑、保温、防音など、カーテンやブランドをつける目的はさまざま。中でも機能性に着目する場合、チェックしたいポイントを押さえておきましょう。
機能性で選ぶとしたら、どのようなものがよいでしょうか?
「安全面や衛生面を考えると、防炎機能のあるロールスクリーンやアルミ製のブラインドがおすすめです。撥水生地でできたロールスクリーンを選べば、水回りでも安心して使えます。
また、アルミは燃えにくいため、コンロの近くでも延焼する心配がありません。また、油汚れなどもこまめに拭き取ることで、清潔に保つことができます。汚れるたびに取り外して洗う手間がないのもうれしいポイントです。
また、スラット(羽根)の角度を細かく調整できるため、部屋に入ってくる光量を調節できるのも便利です。外部からの目隠しにもなります。カラフルなスラットを組み合わせて、お部屋のコーディネートのアクセントにするのもよいでしょう。
なお、同じブラインドでも木製のものだと延焼の危険があるため、キッチンでの使用はおすすめしません」(米道さん)
風水で運気アップを狙う
風水とは中国の伝統的な自然観の一つで、太陽と月の位置などによって自然の「気」の流れを読み吉凶を占うもの。運気を上げるために、風水の考え方を取り入れるのも一つの方法です。
キッチンにカーテンやブラインドをつけるとしたら、風水ではどんなものがよいのでしょうか。
キッチンは「食」を司るところなので、風水では「金運」と「健康運」を左右する場所だといわれています。そのことから、キッチンの開運カラーは金運を呼ぶ黄色と、厄落としをするラベンダーカラーがおすすめです。カーテンやブラインドの色選びの参考にしてみてください。
ちなみに、風水的に窓は風の通り道。窓ガラスや網戸、サッシはゴミや埃がたまらないようこまめに掃除をしておきましょう。カーテンもこまめに洗濯するのがベターです。
コスパのよさ
汚れやすいことなどを考えると、キッチンのカーテンはコスパがよいものを選ぶのも大事な要素。コスパがよいといえば、ニトリや100円ショップが思い浮かぶ人も多いでしょう。
ニトリでは、突っ張り棒を使ったカフェカーテンや小窓用のカーテン、ロールスクリーン、ブラインドなどが展開されています。防炎・遮熱・採光などの機能面はそれぞれのカーテンによって異なるので、確認の上、購入することをおすすめします。
100円ショップで、カフェカーテンの取り扱いがある場合も。レースカーテンからキャラクターものまで、種類も豊富です。ただし、防炎になっていないものが多いので、コンロ周りで使用することはおすすめしません。
最後に
キッチンのカーテンの選び方について、解説しました。台所は特に火を扱う場所なので、安全面には一番気をつけたいところ。その上でお気に入りのカーテンやブラインドを見つけてみてください。
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