風船遊びの年齢
子どもたちは風船が大好き! 雨の日でも関係なく遊べるところも魅力です。そんな風船遊びですが、何歳からどのように遊ぶと楽しいのでしょう? まずは年齢ごとに楽しめる風船の遊び方を紹介します。
乳児期
赤ちゃんには、ベビーサークルの中に風船をたくさん入れて遊ぶと、色や感触が刺激になります。また、溶いた小麦粉を風船に詰めると、感触がムニムニとして面白いですよ。ただし、割れた際はドロドロに汚れますから、よく見守ってください。
幼児期
容器に風船を入れて運ぶ動作や、バケツリレーのように手渡しができるのは、だいたい2才頃から。落としても蹴っても痛くないので、存分に体を動かせます。3〜5才になると、活発に打ち合いができます。「10回続けて」「相手と交互に」などの簡単な制約を設けてみると、盛り上がります。また、風船を使う工作もたくさんあるので、静かに過ごしたい場合はご参考に。紙で作った目や口、羽などをテープで貼るだけで、簡単なキャラクターができあがります。
小学生
小学生になると、複雑なルールが守れますから、点数制を導入したり、壁につけたらアウトなどのルールを設けたりしてみてください。ネットを張って陣地を分けるような工夫もよいでしょう。
低学年なら空気砲や、ホバークラフトなど、空気の性質を利用した理科工作にも、興味をもって取り組めます。
高学年になると、静電気の性質について理解が深まります。風船をセーターなどに当ててこすると、静電気が発生して髪や紙吹雪などがくっつく。その性質を理解することができ、新しい発見を楽しめるでしょう。
膨らませることのできる年齢は?
風船をくわえて息を入れ、そのまま手を離すと、ロケットのように飛んでいきます。風船を膨らます動作は、お口の周りにある口輪筋(こうりんきん)や、お腹のインナーマッスルである横隔膜(おうかくまく)を鍛えますから、ぜひ試してみてください。
息を吹き込むだけでなく、唇をすぼめたり、軽くくわえたりする動作が加わるので、意外と難しい動作です。4〜5才で上手にできることもあれば、小学生でも難しく、大人でも最初は膨らまないかもしれません。あらかじめ風船を引っ張り、よく伸ばしておくことがコツ。
続けているうちに頭がクラクラしてくることもあるので、必ず無理をしないこと。ポンプが付属されているものも多いので、上手に息を吹き込ませられなくても遊べます。
風船遊びのねらいとは?
保育の現場では、風船遊びはどんなねらいをもって用いられているのでしょうか。家でも役に立つ情報もあわせて、紹介します。
ボール遊び
当たっても痛くない風船は、子どもたちにとって新しい刺激が満載。単純なボール遊びの中に、両手で押すと跳ね返される感覚、浮遊感や軽さ、また、たたいた時の独特な音など、遊びながらさまざまな感触を体験しています。
風船を地面につけないように打つだけで、年齢や人数を問わずに遊ぶことが可能です。
見て楽しむ
予想しない動きをする風船は、目で追う楽しさがあります。イベントなどでもらうことが多いヘリウム風船なら、浮かべるだけで楽しい気持ちに。キャッチしたり、パンチしたりすると、目で追う力に体の動きが連携して、発達を促します。
風船のカラフルな色は、それだけで子どもたちの気分を明るくします。上からヒモでぶら下げてあげると、ジャンプしてあそんだり、丸めた新聞紙を当てる的にしたりと、多様に楽しめます。
リーズナブル
風船は多数用意しても、お財布への負担が軽いのもうれしいポイント。
また、100円ショップでも、形や大きさがさまざまに選べます。丸形だけでなく、長風船を用意すると遊びの幅が広がり、ねじって形を変化させるバルーンアートにもチャレンジできるでしょう。
安全な室内環境は?
楽しい風船遊びは、安全な場所で行ないたいところ。そのためには、広い場所の確保が必要です。風船の動きに夢中になると、つい周りが見えなくなる子どもたち。安全にあそべるポイントを確認しましょう。
1:こわれやすい物を片付ける
背の高い、倒れやすいもの、ガラス製品などは片付けてください。風船は跳ね上げられて上から落ちてくるので、普段の生活よりも高い場所まで意識しましょう。
子どもに「風船を出すから、危ないものを見つけて!」と頼むと、テキパキ片付けてくれるかもしれません。
2:足元を確認
反対に、足元への注意も必要です。見上げながら動き回るので、つまずいたり、段差に気がつかなくなったりする場合も。踏むと痛いものも、片付けてください。
特に下りの階段のように、落下の危険がある場所には、近づけないように準備を。
3:階上のお部屋は注意
高い階の窓、ベランダから風船が落ちてしまうと、大きな事故につながることがあります。ベランダなどに持ち出してはいけません。窓は網戸にするか、閉じます。エアコンや扇風機の風が風船の動きに影響しますが、止められない場合は、風船にヒモをつけてあそぶと、影響が少なくなります。
以上の点を踏まえて考えると、当てはまる場所は「物が少ない寝室の床」という家庭が多いかもしれません。ご参考までに。
危険を回避する力を育むことにもつながりますから、むやみに禁止せず、小さな失敗で済むように配慮をしてあげてください。
破裂への注意
風船が割れる際の破裂音は、大人でも驚くもの。子どもの場合、慣れるのも早いものですが、どうしても怖がるケースも少なくありません。
怖がる場合は?
風船の空気を少なめにして、張りをなくすと割れにくくなり、割れたときの音も小さくなります。または、水風船なら割れる際の音が比較的小さいので、プール遊びや、お風呂遊びに切り替えてもよいでしょう。
お友達につられてあそぶようになることも多いので、機会を見つけながら慣れるといいですね。
破裂した後の破片はどうする?
乳児期のお子さんでも工夫をすれば楽しくあそべる風船ですが、割れた場合に小さく裂けることがあるので注意。すぐに片付けて、誤って口に入れないように気をつけましょう。
最後に
打ったり、飛ばしたり、浮かべたりと、楽しい動きをする風船は、子どもにとっては飽きない遊び相手です。雨の日などには、ぜひ活用して元気に遊んでください。大人は安全に配慮して、存分に楽しめる環境を用意してあげましょう。
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