由来
では、「鶴は千年亀は万年」のルーツはどのようなものなのでしょうか? 由来は、前漢の時代に編集された思想書である『淮南子(えなんじ)』の「説林訓(ぜいりんくん)」にあります。ここに「鶴は千年」という言葉の由来があるようです。
【目次】
寿命が長い動物を紹介
「鶴は千年亀は万年」の由来について把握したところで、次は鶴や亀のように寿命が長い生き物について、見ていきましょう。
1:鯨類
世界最大の哺乳類である鯨は長寿で知られています。寿命は100年以上ともいわれ、ホッキョククジラという種には200年以上生きる個体もいるとか。
これほど長寿である要因については、鯨のがん抑制遺伝子が注目されています。がん抑制遺伝子が活性化しており、遺伝子の異常を修復する能力も高いと考えられているようです。
2:鳥類
鶴のような大型の鳥類は、寿命が長い傾向にあるようです。トキやカモメは15〜20年あまり、ミミズクやペリカンは30年近く、オウムは90年も生きた例も。とりわけオウムの仲間は長寿で有名で、飼い主より長生きすることもあるくらいです。
3:二枚貝
意外に思われるかもしれませんが、二枚貝の仲間にも非常に長生きする種があります。例えば、北大西洋で採取されたアイスランドガイという二枚貝は、507年も生きていたということがイギリスの研究チームによって判明しました。
他にも、岩手県の船越湾で採取されたビノスガイという二枚貝は135年生きたとされています。研究結果から、2011年3月11日の巨大津波で死んだ可能性が高いということでした。この貝は過去に起きた大地震での津波も乗り越えたようですが、東日本大震災の津波でついに力尽きてしまったようです。
4:海綿動物
深海にすむ海綿動物(海綿動物門に属する無脊椎動物のこと)には、1万年以上生きる種もいるようです。
長寿の要因は、ほとんど変化のない深海の環境にあると考えられています。浅い海は海水温の変化や津波などの影響を受けやすいですが、深海へ行けば行くほどそのようなリスクはなくなるとか。また、深海は浅瀬に比べて捕食動物が極めて少ないので、捕食されるリスクはかなり低いようです。
さらに、クローンで増えるという点も長寿の要因に考えられています。群体の一部が死んだとしても、無性生殖によってコピーを作り、加齢による劣化を免れるので、全体としては完全に機能する状態を常に維持できるのだそうです。
参考:深海でじっとしていると長生きに、最新研究(ナショナルジオグラフィック)
最後に
「鶴は千年、亀は万年」という言葉からも分かる通り、鶴は長寿の動物です。また、鶴以外にも亀や海綿動物など、人間よりもはるかに長生きする動物もいます。寿命が長い一因として、ゆっくり生きることでエネルギー消費を抑えて、それが老化を防ぐというメカニズムがあるようです。
今はスピードが要求される時代ですが、鶴のように長い寿命を全うするという観点からは、ゆっくりと生きることも必要なのかもしれません。
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