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LIFESTYLE 四字熟語

2022.09.23

【鯨飲馬食】ってどういう意味? 言葉の意味や由来・使い方を解説

 

鯨飲馬食とは鯨のようにたくさんのお酒を飲み、馬のように大量に食べることをあらわす四字熟語です。中国の史記や漢詩が由来になっており、日本では1700年代後半の江戸時代から明治時代にかけて広まったとされています。今回は鯨飲馬食の意味や使い方、類義語を詳しく解説します。

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鯨飲馬食とはたくさんの物を飲み食いすること

鯨飲馬食 意味

鯨飲馬食の読み方は「げいいんばしょく」。むやみやたらと大量に飲み食いするさまをあらわす四字熟語です。大食いを「鯨のようにお酒や水を飲み、馬のようにたくさんの食べ物をたいらげる」というように、動物にたとえた言葉です。見境もなく食べて飲むさまを表現するため、褒め言葉として使われることは少ないかもしれません。

辞書には以下のように記載されています。

【鯨飲馬食:げいいんばしょく】鯨のように多量の酒を飲み、馬のように多量の物を食べること。牛飲馬食。

(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)

なお「鯨飲馬食」は漢字検定3級から9級相当の文字の組み合わせの四文字熟語熟語です。“鯨”は3級で中学卒業レベル、飲は8級、馬・食は9級で、小学校低学年から中学年で習修了程度になります。

由来は中国の漢詩と歴史書

鯨飲馬食は、「鯨飲」と「馬食」の2つの言葉を組み合わせた表現です。

「鯨飲」の由来

鯨飲馬食 由来

中国の盛唐時代の詩人・杜甫(とほ)がつくった漢詩「飲中八仙歌」(いんちゅうはっせんか)からの引用といわれています。

「飲中八仙歌」では、8人の酒豪が登場します。そのうちのひとり、李適之(り てきし)の飲みっぷりを杜甫は「飲むこと長鯨の百川を吸うが如し」=「鯨が100本の川を飲み干しているようだ」とたとえました。

「馬食」の由来

鯨飲馬食 由来

こちらは中国の前漢時代に司馬遷が編さんした歴史書、史記のなかの「范雎・蔡沢列伝」(はんしょ・さいたくれつでん)からの引用です。もともとは大食いを意味する言葉ではなく、馬のように食器に口をつけて食事をさせる懲罰が起源とされます。

日本では暴飲暴食の意味で広がる

日本では、2つの言葉を組み合わせた鯨飲馬食という言葉が、「暴飲暴食」の意味で1700年代後半の江戸時代から明治時代にかけて広まりました。前述のとおり、中国では馬食は「たくさん食べる」という意味で使われていたわけではありません。

それにも関わらず、日本では鯨飲馬食という四文字熟語が大食いをあらわすようになったのは、江戸時代に庶民に人気だった大食い大会が関係しているという説があります。年貢が厳しく徴収され、きわめて質素な食生活をおくるなかで、人々はたまの贅沢として大食い大会に参加し、うっぷんを晴らしていたものと考えられます。

さらに、なんでも動物に置き換える当時の流行も、鯨飲馬食という言葉が広がった要因といえるでしょう。

使い方と例文

鯨飲馬食は大食いを表現する言葉として使われます。単純に大食いであることをあらわすほか、健康面に絡めて使用するケースもみられます。ここからは、実際に鯨飲馬食を使った例文を確認してみましょう。

例文

・彼が食事をする様子はまさに鯨飲馬食だ。
・プールで泳いだ後は猛烈にお腹が減り、鯨飲馬食をしてしまうことが多いため、結局あまり痩せられない。
・若いうちはいいが、中高年以降も鯨飲馬食を続けるのは避けたほうがよいだろう。

 

鯨飲馬食の類義語2つ

鯨飲馬食 類義語

大食いであることをあらわす鯨飲馬食と同じような意味をもつ、類義語には以下の2つがあります。

1. 牛飲馬食
2. 暴飲暴食

それぞれの意味や簡単な使い方を詳しく見ていきましょう。

1. 牛飲馬食(ぎゅういんばしょく)

たくさんのお酒や食べ物をむさぼるように飲んだり食べたりすることを、牛や馬にたとえた四字熟語です。鯨飲馬食とほぼ同じ意味で使える言葉として、覚えておくとよいでしょう。

「牛飲」は、史記の「殷本紀」(いんほんぎ)の一節に、「身をかがめて牛のように飲む」という意味で使われていました。それが、いつしか牛のように大量に飲むことを指すようになりました。

例文

食べ放題での彼らは、牛飲馬食にほかならない。

 

2. 暴飲暴食(ぼういんぼうしょく)

度を過ぎてむやみに飲んだり食べたりすることを意味する四字熟語です。

「暴」は程度が激しいという意味であるため、飲むことを指す「飲」と食べることをあらわす「食」と組み合わせ、見境なく飲食するさまを表現します。

例文

暴飲暴食が原因で身体を壊した。

 

鯨飲馬食と同様に食べることに関連する四字熟語3つ

鯨飲馬食 四字熟語

食べることに関連する四字熟語は他にも数多くあります。ここでは以下の3つをご紹介しましょう。

1. 悪衣悪食
2. 無芸大食
3. 牛驥同皁

1. 悪衣悪食(あくいあくしょく)

粗末な服や食べ物をあらわし、貧しい生活を表現する言葉です。「悪食」は「あくじき」とも読み、この場合は普通は人が口にしないようなものを食べるという意味があります。

由来は論語「里仁」(りじん)にある孔子(こうし)の言葉といわれています。孔子は、弟子たちに「学問を志す者は身なりや食べ物が粗末なことを気にしているうちは、ともに人の道を語り合うことができない」と諭しました。

例文

悪衣悪食を恥じることなく、研究に没頭した。

 

2. 無芸大食(むげいたいしょく)

秀でたところや特技がないにもかかわらず、食べることだけは人並みであること、また、そのような人をあざけるニュアンスを持つ四字熟語です。自分のことを謙遜するために用いることもあります。

「無芸」はこれといった特技を身につけていない人のことを、「大食」はたくさん食べることを、それぞれあらわす言葉です。

例文

無芸大食で肩身が狭い。

 

3. 牛驥同皁(ぎゅうきどうそう)

賢者が粗末な扱いを受けたり、愚者と同じ待遇であることをあらわす言葉です。また、賢者が凡人にまぎれるという意味もあります。

「驥」は一日に千里の距離を走ることができる駿馬で、「皁」は牛や馬に食べさせる飼葉を入れる桶のことです。足ののろい牛と駿馬が、同じ桶から餌を食べるさまから生まれました。

例文

会社の対応は牛驥同皁で、優秀な彼女も平凡な自分も同じ給料だ。

 

鯨飲馬食の意味を理解して正しく使おう

鯨飲馬食は、たくさんのお酒や食べ物を飲んだり食べたりする様子をあらわす四字熟語です。鯨のようにお酒や水を飲み、馬のようにたくさん食べるという意味で、動物にたとえた言葉です。

鯨飲馬食には、見境なく大量に飲み食いすることをさげすむニュアンスが含まれます。鯨飲馬食の意味を理解して、適切に使いこなしましょう。

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