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LIFESTYLE 四字熟語

2024.04.11

由来は古代中国の戦国時代にあり!? 【合従連衡】ってどんな意味?

「合従連衡」という四字熟語。「がっしょうれんこう」と読みます。漢字を見ると難しく感じますが、現代でも特にビジネスの世界でよく用いられている言葉です。この記事ではその意味と由来、現代の用例を解説しているので、ぜひ参考にしてください。

「合従連衡」とはなにか

合従連衡」という四字熟語。一見難しい印象ですが、言葉としては日常生活でも比較的よく用いられています。この四字熟語の由来はかなり古く、古代中国にまでさかのぼります。

ここでは「合従連衡」の読み方と意味について解説しましょう。

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「合従連衡」の読み方と意味

「合従連衡」は「がっしょうれんこう」と読み、他の読み方はありません。「合従(がっしょう)」とは「南北連合」を意味する言葉です。そして「連衡(れんこう)」には「横に連ねる」という意味があります。

すなわち「合従連衡」とは「南北」を縦とし「東西」を横に見立てて、「東西南北のすべての方角にあるものを統一させる」という意味合いを持っているわけです。 現代では、もともと別個の存在だった複数の企業や団体同士がひとつにまとまること、すなわち「合併」する際によく用いられる四字熟語となっています。

「合従連衡」の由来

紀元前4世紀末頃、古代中国では、複数の国々が覇権を争う戦国時代でした。西部地域の強国であった秦に対抗するため、蘇秦という遊説家が燕・趙・韓・魏・斉・楚の6ヵ国に呼びかけ、秦と戦うべく南北にまたがる連合軍を結成しました。

対する秦は、宰相である張儀の活躍により6ヵ国の連合軍に勝利し、張儀は6ヵ国に対しそれぞれ秦との同盟を結ぶことを強要します。すなわち秦は「合従(南北の連合)」した6ヵ国連合を解体し、それぞれの国と個別に同盟を結ばせる「連衡(東西の同盟)」の策を講じることで当時の中国大陸の覇権を握ることに成功したわけです。

秦が行った「東西南北にまたがる団体を個別に同盟を結ばせる」という大胆な外交戦略が、「合従」と「連衡」という2つの単語を合わせた言葉「合従連衡」という四字熟語の由来なのです。

辞書の意味を見てみましょう。

【合従連衡】がっしょう‐れんこう〔‐レンカウ〕
《「合従」は、秦に対抗するために他の6国が連合すること、「連衡」は、秦が他の6国とそれぞれ同盟を結ぶこと》合従の策と連衡の策。転じて、その時々の状況に応じていくつかの勢力が結び合うこと。また、そのかけひき。

「合従連衡」の用例

人間の社会生活では、人と人、団体と団体が集合したり離散したりすることが多くあります。そのような事象において「合従連衡」はよく用いられる四字熟語となっています。

ここでは、ビジネス界で使われる場合と一般用語として使用される「合従連衡」の用例について紹介しましょう。

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ビジネス用語としての「合従連衡」

近年、日本のみならず世界のビジネス界では、事業が複雑に多様化しており、国内外そして業種を問わず企業同士の合併が増えています。 ビジネス界をめぐる環境の変化によって、現代では「企業間の合従連衡」という言葉が、半ば慣用語に等しくなってきているようです。

例文

・A社とB社がC社を含めて合従連衡するそうだ。
・D社は創業以来、合従連衡を繰り返して成長してきている。

以上のような言葉が頻繁に語られる時代となってきています。

一般的用語としての「合従連衡」

現在における「合従連衡」は、国際問題を語る際や企業の合併などを意味するビジネス用語となっている感があります。しかしながら、「合従連衡」がマスコミでしばしば使われる慣用語となったことで、一般的用語として使われることも多くなりました。

以下に、一般的用語としての「合従連衡」の用語例を挙げてみましょう。

例文

・今度、僕らのチームが隣町のチームと一緒になるらしい。子供の数が減っているから、チームの合従連衡も仕方ないね。
・山岳部とワンダーフォーゲル部は以前から険悪な関係だったが、今度リーダー同士が話し合って合同練習をすることになった。将来は合従連衡して一つのクラブにまとまるかもしれない。

「合従連衡」の例文と類語

「合従連衡」は、それまでは別々の組織だった団体が一つになることを意味するので、さまざまなシチュエーションでの使用が考えられます。 数ある四字熟語の中でも、利用範囲の広い言葉だといえるでしょう。

ここでは「合従連衡」を使った例文と、その類語について解説しましょう。

手を取り合うふたつのバスケットチーム

「合従連衡」の例文

「合従連衡」という四字熟語の特徴は、良い意味と悪い意味、両方に使えるという点にあります。

以下に、それぞれの例文をいくつか紹介しましょう。

「合従連衡」の良い意味と悪い意味の例文
  1. 良い意味での例文
  2. 悪い意味での例文

良い意味での例文

・G社は、異なる業種の企業とも合従連衡して新分野に進出するなど革新的な企業戦略をとっている。
合従連衡の結果、Hチームは見違えるほど強くなった。

悪い意味での例文

・H政党は、何回もの合従連衡を繰り返して誕生した政党なので、またすぐに離散するのではないかと陰口を叩かれている。
・J国は何社もの企業の合従連衡で大規模な公共事業を行ったが、各社の統制がとれずに大失敗に終わってしまった。

「合従連衡」の類語

「合従連衡」にはいくつかの類語があります。ただし、あくまでも類語であって、それぞれの類語は「合従連衡」と全く同じ意味ではなく、微妙にニュアンスが異なりますので、実際に使用する際の参考にしてください。

雲集霧散(うんしゅうむさん)

複数のものが集まったかというと、すぐに散らばってしまうことを意味しています。あまり良い意味では使用されません。辞書での意味は以下の通りです。

【雲集霧散】 うんしゅう‐むさん〔ウンシフ‐〕[名](スル)《班固「西京賦」から》
多くのものが集まったり散ったりすること。

離合集散(りごうしゅうさん)

人間同士が集まっては離れるという現象を指す言葉です。くっついては離れるという人間の性(さが)を批判的に表現した言葉です。辞書での意味は以下です。

【離合集散/離合聚散】りごう‐しゅうさん〔リガフシフサン|リガフシユウサン〕 [名](スル)
人々がより集まって仲間をつくったり、また別々に分かれたりすること。「信念もなく—する各派閥」

呉越同舟(ごえつどうしゅう)

古代中国の孫子による格言が由来で、普段は対立している敵同士が、共通する難局を乗り切るために協力し合うという意味です。目的が一致さえすれば、仲が悪い者同士でも力を合わせて対応すべきという教訓的な言葉と解釈できます。辞書での意味も見ておきましょう。

【呉越同舟】ごえつ‐どうしゅう〔ゴヱツドウシウ〕 《「孫子」九地から》
仲の悪い者どうしが同じ所に居合わせたり、行動を共にしたりすること。また、敵対していてもいざというときには共通の困難や利害のために協力し合うこと。

まとめ

「合従連衡」は、今では肯定的なニュアンスで使われることが多く、もともと4つの漢字に「離れる」という意味は含まないので、否定的なニュアンスでは「雲集霧散」や「離合離散」が使わることが多いようです。

また「呉越同舟」は良い意味で使われますが、この言葉には「一時的な助け合い」的なニュアンスがあるので、2つのものが1つになる「合従連衡」とは幾分異なる意味合いがあります。

人の一生には良い出逢いが何度もあり、思いが通じ合う仲間とグループを組んで物事にあたることも多くあります。 「人生は合従連衡の繰り返し」という風に覚えるとよいでしょう。

写真・イラスト/(C) Shutterstock.com

※引用はすべて「小学館 デジタル大辞泉」より

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