Domani

働く40代は、明日も楽しい!

 

LIFESTYLE雑学

2021.12.29

〝物見遊山〟にはポジティブとネガティブ、ふたつの意味がある!?【いまさら聞けない四字熟語】

「物見遊山」とは気晴らしに見物しながら遊びに出かけることを指す言葉です。遊山は仏教用語で、僧侶が修行の後にする気晴らしの散策が由来です。のんびりした旅をイメージさせる趣ある表現といえるでしょう。今回は「物見遊山」の意味や使い方のポイントについて解説します。

Tags:

「物見遊山」とは見物して遊び歩くこと

「物見遊山」とは、気晴らしに見物して遊び歩くことをあらわす言葉です。読み方は「ものみゆさん」で、「ものみゆざん」「ものみゆうざん」などと間違えやすいので注意しましょう。

物見遊山

気晴らしにいく、という点が「物見遊山」のポイントです。たとえば「観光」の本来の意味は、地方や外国の景色や史跡を見に行くというものであり、ある程度目的が明確だといえます。その点、「物見遊山」は「気晴らしに」「ぶらりと」出かけるニュアンスが強く、出かける目的に違いがあることに注目してください。

【物見遊山:ものみゆさん】物見と遊山。見物して遊び歩くこと。
〔類語〕遊山、観光、行楽、探勝、遊覧、漫遊、周遊、巡遊、歴遊、遊歴、回遊、旅行、旅、遠出、行旅、客旅、羇旅、旅路、道中、旅歩き、トラベル、ツアー、トリップ

「物見」と「遊山」が組み合わさった言葉

「物見遊山」は語源があるわけではなく、単純に「物見」と「遊山」という2つの言葉が組み合わさってできた言葉です。

物見」には物事を見に行くこと、見学するという意味があります。「遊山」には「1.野山に遊びに行くこと」「2.気晴らしに遊びに行くこと」という2つの意味がありますが、「物見遊山」で用いられる意味としては2の方です。

【物見:ものみ】[名]1 物事を見ること。見物すること。「物見に出かける」2 戦陣で、敵情を探ったり見張りをしたりすること。また、その人。「物見を遣る」3 「物見台」「物見櫓」の略。4 外を見るために設けた窓や穴。 牛車の左右の立て板に設けた窓。 壁や編み笠などに設けた穴。5 見る価値のあるもの。すぐれたみもの。「これ程の―を一期に一度の大事ぞ」〈義経記・六〉[形動ナリ]みごとなさま。りっぱなさま。「松茸の―なるを一折」〈咄・醒睡笑・七〉

【遊山:ゆさん】1 野山に遊びに行くこと。「花を訪ねて遊山に出かける」2 気晴らしに遊びに出かけること。「物見遊山」

「遊山」は仏教に由来する

遊山」はもともと仏教用語で、僧侶が修行を終えて悟りを得た後、自然を楽しみながら自由に散策することをあらわす言葉です。そのため「物見遊山」には「ひと修行してからの気晴らし」というニュアンスが込められていたとされます。

やがて一般的に使われ始め、僧侶の修行後に限定されることはなくなり、「気晴らしに散策する」という意味になりました。

江戸時代に広がった庶民の「物見遊山」の旅

「物見遊山」の旅が庶民に広がり、一般的になったのは江戸時代とされています。もともと庶民が旅に出ることは厳しく制約されており、唯一許されていたのが神社やお寺を参拝するための旅でした。

参詣のなかで、もっとも代表的なものがお伊勢参りです。やがて庶民はお伊勢参りという大義名分を得て、その後京都や大阪に遊びに行くというように、宗教的な目的の中に娯楽を織り交ぜながら旅を楽しむようになりました。このように、江戸時代にそれまでは信仰の旅が主流であった庶民のあいだに「物見遊山」の旅が広がっていきました。

ネガティブな意味で使われることも

「物見遊山」は、本来の目的は仕事である出張や研修などにおいて、ネガティブな意味で使われることがあります。

「物見遊山」は「気晴らしに見物しに遊びに行く」という意味であり、実際に気晴らしに遊びにいく際に使う場合は、言葉どおりの意味となりネガティブなニュアンスはありません。

しかし、仕事などの本来の目的がある場合に「物見遊山気分で」「物見遊山的に」と表現する場合は「遊び半分で来ている」ことを揶揄されているケースがほとんどです。たとえば出張において、「これは仕事であって旅行ではないのだから、物見遊山的な言動は慎むように」といった注意に用いられます。

【例文付き】物見遊山の使い方

「物見遊山」は気晴らしに出かけるといった意味で使います。文章や会話のなかでは「物見遊山で◯◯に出かける」「物見遊山に出かける」「物見遊山的に」「物見遊山気分で」などと用います。既にお伝えしたとおり、仕事などの場合に対比させてネガティブな意味で使うこともあることに留意しましょう。

物見遊山

「物見遊山」を用いた例文を挙げますので、使う際に参考にしてみてください。

【例文】
・仕事が落ち着いたところで、【物見遊山】で北海道あたりに出かけたいものだ
・彼女は念願かなってヨーロッパに【物見遊山】に出かけた
【物見遊山】的なスタンスで参加していたせいか、肝心の説明内容をほとんど覚えていなかった
・あくまでも仕事の一貫なのだから、【物見遊山】気分で来ないようにしてください

「物見遊山」の類語・言い換え表現

気晴らしに見物し遊びに行くという意味の「物見遊山」には、いくつかの類語や言い換え表現があります。

類語には「観光」や「行楽」、日常用語での言い換え表現としては「レジャー」や「旅行」などが該当します。「物見遊山」という言葉は趣がありますが、日常的に使われることはやや少ないため、よりくだけた言い換えの言葉を知っておくと良いでしょう。

物見遊山

ここからは「物見遊山」の類語と言い換え表現について、意味や使い方を解説します。

類語は「観光」「行楽」など

「観光」は、「かんこう」と読み、基本的には地方や外国の風景、史跡などを見物しに出かけるという意味の言葉です。「物見遊山」が気晴らしにぶらっと何かを見に出かける、という意味であることを踏まえると、「観光」は出かける目的がはっきりしている傾向にあるといえます。

ただし、大辞泉の補説にあるように、最近では「観光」は娯楽や保養のために余暇時間に日常から離れておこなう、スポーツや交流など幅広い活動のこともあらわすようです。

「観光」を使った例文には次のようなものがあります。

【例文】
・移動時間の短縮により、【観光】にあてる時間を増やすことができる
外国人【観光】客にむけてのさらなるアピールが必要だ
・この湖は【観光】名所として有名だ

【観光:かんこう】[名](スル)他の国や地方の風景・史跡・風物などを見物すること。「各地を観光してまわる」「観光シーズン」「観光名所」〔補説〕近年は、娯楽や保養のため余暇時間に日常生活圏を離れて行うスポーツ・学習・交流・遊覧などの多様な活動をいう。また、観光庁などの統計では、余暇・レクリエーション・業務などの目的を問わず、1年を超えない非日常圏への旅行をさす。
〔類語〕行楽、遊山、探勝、遊覧、物見遊山、漫遊、周遊、巡遊、歴遊、遊歴、回遊、旅行、旅、遠出、行旅、客旅、羇旅、旅路、道中、旅歩き、トラベル、ツアー、トリップ

「行楽」は、山や野原に言って遊び楽しむことを指す言葉です。読み方は「こうらく」であり、「ぎょうらく」と間違えないように気をつけましょう。「物見遊山」のうち、遊山に「野山に遊びに行くこと」という同じ意味があります。

「行楽」を使った例文を挙げますので、ぜひ参考にしてみてください。

【例文】
週末の【行楽】地はどこも賑わっているようだ
・紅葉シーズンなので、山に【行楽】に出かける
・今日は【行楽】にはうってつけの天気だ

【行楽:こうらく】山野などに行って遊び楽しむこと。遊山。「行楽に出かける」「行楽客」〔類語〕観光、遊山、探勝、遊覧、物見遊山、漫遊、周遊、巡遊、歴遊、遊歴、回遊、旅行、旅、遠出、行旅、客旅、羇旅、旅路、道中、旅歩き、トラベル、ツアー、トリップ

日常用語での言い換え表現は「レジャー」「旅行」など

「物見遊山」をフランクな日常用語に言い換える場合は、「レジャー」などが使えます。「レジャー」は自由な時間、余暇、それらを利用しておこなう娯楽や行楽を意味します。

「レジャー」を使った例文には次のようなものがあります。

【例文】
春の【レジャー】の定番といえばお花見だ
・そろそろ【レジャー】が楽しめる季節になってきた
・最近できた話題の【レジャー】施設に遊びに行こう

レジャー〖leisure〗仕事などから解放された自由な時間。余暇。また、それを利用してする娯楽や行楽。「レジャー産業」「レジャー人口」〔類語〕余暇、遊び、遊戯、戯れ、遊び、気晴らし、慰み事、娯楽、遊技、ゲーム、プレー、レクリエーション

「旅行」も、日常的な会話などにおいて「物見遊山」の言い換え表現として使うことができます。
旅行」は「りょこう」と読み、他の土地へ行くことという意味です。よく使われる言葉なので知らない人はいないでしょう。

「旅行」の使い方については、下記を参考にしてみてください。

【例文】
・今1番楽しみなのは、来月の温泉【旅行】です
・週末は家族で田舎に【旅行】に行ってきます
【旅行】の醍醐味は、予定を決めずにその場の気分で行き先を決めることだ

【旅行】[名](スル)家を離れて他の土地へ行くこと。旅をすること。たび。「マイカーで旅行する」「観光旅行」「海外旅行」〔類語〕遊山、観光、行楽、探勝、遊覧、物見遊山、旅、遠出、行旅、客旅、羇旅、旅路、道中、旅歩き、トラベル、ツアー、トリップ、周遊、回遊、巡遊、遊歴、歴遊、漫遊、巡行、巡歴、遍歴、行脚、新婚旅行、ハネムーン、長旅

「物見遊山」の意味を理解し旅を楽しもう

「物見遊山」とは、気晴らしにいろいろなものを見物しながら遊びに出かけることをたとえる言葉です。「物見」は物事を見に行くこと、「遊山」は気晴らしに遊びにいくことで、2つの言葉により成り立っています。

物見遊山

「遊山」は仏教用語で、もともとは僧侶が修行後に気晴らしに散策することが由来とされています。江戸時代には、信仰目的の旅しか許されていなかった庶民も、参詣に娯楽を織り交ぜながら、「物見遊山」を楽しむようになりました。「物見遊山」の言葉のなりたちや、一般の人々への広がりへ思いを馳せると感慨深いものがあります。

「物見遊山」の意味を知ると、旅が一層奥深いものになるでしょう。

こちらの記事もおすすめ!

〝風光明媚〟の意味や読み方、正しい使い方とは?

「立つ鳥跡を濁さず」はどんな場面で使える?類語や対義語もチェック

写真・イラスト/(C) shutterstock.com

(引用すべて〈小学館 デジタル大辞泉〉より)

Domaniオンラインサロンへのご入会はこちら

Read Moreおすすめの関連記事