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【目次】
「不老不死」とは?
「不老不死(ふろうふし)」とは「いつまでも年をとらず、死なないこと」。中国にある伝統的な生命観のひとつだとされています。
「不老不死」を2つの語に分けて意味をみていきましょう。まず「不」は、あとにつく言葉を打ち消す意味があります。そのため、「不老」は「としをとらない」こと、「不死」は「死なないこと」を表します。
「不老不死」の由来は?
「不老不死」の由来は、中国の歴史書『史記』に登場する言葉です。中国をはじめて統一した秦の始皇帝は、「不老不死」を願ったそう。そこで始皇帝は臣下に、「不老不死」になるという霊薬を探しに行かせたと記されています。
「不老不死」と「不死身」に違いはある?
「不死身」には、以下の2通りの意味合いが含まれます。
1つ目は、「死なないこと、どんな病気や苦痛、傷にも耐えることができる身体だということ」。2つ目は、「どんな困難にもくじけないことや、そのような強い人を表す言葉」です。
「不老不死」と「不死身」の明確な違いはありません。しかし「死なない」という共通した意味があります。また「不死身」は、日常生活でも使う機会がある言葉ではないでしょうか。例えば「不死身の戦士」や「不死身な人」など、どんな困難にも負けない屈強な精神力や体力がある人を形容する際に用いられます。
「不老不死」の使い方を例文でチェック
「不老不死」はどのように使うのか例文でみていきましょう。
【例文】
1:人魚の肉を食べると不老不死になるという言い伝えが残っている
2:不老不死は本当に幸せなことなのだろうか
3:なぜ秦の始皇帝は不老不死を望んだのだろう
「不老不死」の類語・言い換え表現にはどのようなものがある?
「不老不死」の類語、言い換え表現には「不老長寿」や「長生不死」があげられます。
「不老長寿」
「不老長寿(ふろうちょうじゅ)」とは、「いつまでも年をとらないで、長生きすること」をいいます。「不老」は前述した通り、「年をとらないこと」。「長寿」は「長生き」を意味します。そのことから、いつまでも若々しく、長生きすることを表す言葉として使われます。
(例)そのうち不老長寿を実現させる日が来るかもしれない
「長生不死」
「長生不死(ちょうせいふし)」は「いつまでも生き続け、死なないこと」をいいます。
(例)彼は本気で長生不死の研究を行っているそうだ
「不老不死」の対義語は?
「不老不死」の対義語には「生者必滅(しょうじゃひつめつ)」が考えられるでしょう。「生者必滅」は「命あるものはいつか必ず滅びる」こと。世のはかなさをいった仏教用語です。『平家物語』にある「生者必滅、会者定離は世の習い」の一節で有名な言葉。「会者定離」は、「出会った者とは必ず別れがくる」ことを意味しています。
(例)今のところ不老不死はありえない。生者必滅だからこそ、後悔しないように生きなければならない
「不老不死」を英語で表現するには?
「不老不死」は「immortality」や「eternal youth」を使って表すことができます。
「immortality」
「不老不死」は「永遠の命」や「不滅」という意味の単語、「immortality」を使って表現することができます。
「eternal youth」
「eternal」は「永遠」、「youth」は「若さ」という意味の単語。直訳すると「永遠の若さ」になり、「不老不死」を表現することができるでしょう。
「不老不死」の生物がいる⁉︎
「不老不死」といわれている生物がいます。それは「ベニクラゲ」というクラゲです。一般的なクラゲの寿命は1年前後。では、なぜ「ベニクラゲ」が「不老不死」だといわれているのでしょうか。その理由は、「ベニクラゲ」は、繰り返し若返ることができるからだといわれています。
「ベニクラゲ」は、直径1mm前後の小さなクラゲ。透明な体に紅色の消化器官が、透けて見えることから由来した名前だそうです。「ベニクラゲ」は、「プラヌラ」という幼生から始まり、「ポリプ」と呼ばれるイソギンチャクのような姿に形を変えます。
「ベニクラゲ」は、敵に襲われたり、命が危ないと感じるとポリプの状態に戻ることができるのです。そこからまた成長して、同じ遺伝子の「ベニクラゲ」になるといわれています。しかもこの若返りは、一度だけでなく繰り返し行うことができ、そのことが「ベニクラゲ」が「不老不死である」といわれている理由です。
「不老不死」を実現させた⁉︎ 「不老不死」の伝説とは?
日本にも「不老不死」にまつわる伝説があります。その1つ「八百比丘尼(やおびくに)」の伝説は、禁断の肉である人魚の肉を食べてしまったことから800歳まで生きた、といわれている女性の話です。
八百比丘尼は、周囲の人が亡くなっていく中、自分だけが死ねないことに無情を感じ、出家します。そして全国を巡りますが、最終的には即身成仏になったといわれています。かなりの年齢だとされていた彼女の容姿は、若々しく、15~18歳にしか見えなかったそうです。
最後に
「不老不死」は中国における伝統的な生命観ですが、日本にもいくつかの「不老不死伝説」が残されています。その伝説のもとになった土地に行ってみたり、詳しく調べてみるのも、おもしろいかもしれません。
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