服を溜め込まない「循環式クローゼット」でいつでもすっきり!
撮影で私物を使うことも多く、普段着る服とは別に撮影に使う衣装も自宅クローゼットで保管しているというスタイリストの渡辺智佳さん。さぞかしクローゼットはぎゅうぎゅうなのだろうと思っていましたが、実際に見せていただくと意外にもすっきり! 必要なものをパッと取り出せる、整理整頓された空間でした。その理由を聞いてみると、いくつかのポイントがあるようです。
Rule1:オフシーズンの服は「せんたく便」に預ける
大量の服をすっきり収納できる最大の理由は、シーズンオフの服を自宅で保管していないこと。渡辺さんが利用しているのは「せんたく便」の「保管パック」というサービス。洋服を専用の袋に入れて宅配便で送ると、クリーニングをして最大11か月保管してくれるそう。
「すべての服を自宅で保管するとクローゼットに入り切らないため、半年に1度『せんたく便』を利用して、春夏もの、秋冬ものを入れ替えています。クローゼットは自宅以外にもう1個あるようなものなので、とっても便利。衣裳用に倉庫を借りたり、自宅に衣裳部屋をつくるよりも経済的でもあります。また、服10点でいくら、といった具合で服の数によって料金が変わるため、預けるときに、『本当に必要か』『来年も着るか』と、必要のない服を見極めるタイミングがやってきます。そうすると必然的に年に2回クローゼットを見直すことになるので、必要以上に服が増えないのだと思います」(渡辺智佳さん 以下同)
Rule2:服や小物を置くスペースを決め、入りきらないものは手放す
「使いやすいクローゼットをつくるには『余白』が肝心。ぎゅうぎゅうに詰め込まれていると取り出しにくいし、目に入らず着ない服が出てきてしまいます。それを防ぐためにも、ハンガーの本数を決めて、足りなくなったら何かを手放すように。そうすれば服の数を常に一定に保つことができますよ」
「靴も玄関のシュークローゼットに入る分しかもたないようにしています。たくさんあってもよく履く靴は決まってくるので、自分のスペースを決めて管理」
Rule3:消耗品は毎年買い替える
「インナーや白Tといった使用頻度が高く消耗したり洗っても黄ばみが気になるものは、年始に新しいものを買い、古いものは処分。『まだ使えるから』と溜め込まず思いきって新調すると、毎日気分よく着られ、1年きちんとケアを続けられます」
Rule4:見せる収納ではなく、使い勝手重視!
「ジュエリーをインテリアのように見せて収納する方も多いと思いますが、私はジップ付きの小袋に入れて保管しています。まったく映えませんが、これがいちばん実用的! ゴールドやシルバーは空気に触れるとどうしても酸化して黒ずんでしまいます。その点、袋に入れておけばきれいな状態を保つことができますし、撮影や旅行などでもち出すときも、必要なものだけパッと取り出せます。ちなみに、商品をリースしてモデル撮影を行うときも、同じ方法で管理しているんですよ。個別に袋に入れておけば商品が混ざったり、ネックレスのチェーンが絡まることも防げます」
【実用的なクローゼットを実現する収納術】
続いて、シーズンごとに入れ替えた服を実際にどのように収納しているのか、見せていただきました!
アイテムごとにハンガーに吊るして収納
目に入りやすい、シワがつかないという利点から、かけられるものはすべてハンガーにかけて収納している渡辺さん。コート、ジャケット、スカートなど、アイテムごとに分けているそう。
ハンガーは軽くて丈夫なアルミやプラスティック製をセレクト
「撮影で私服を使う機会が多いので、もち出しやすいように軽くて丈夫なアルミやプラスティック製のハンガーがメイン。ジャケットとスカート用のハンガーは〝無印〟。パンツは〝MAWA〟、シャツはAmazonで見つけたアルミ製のハンガーを使っています」
デニムは畳んでラックへ
「シワがつきにくいデニムは、畳んでメタルラックへ。着る機会が多いので、手に取りやすい高さに置いています。メタルラックは〝アイリスオーヤマ〟のもの」
よく使うバッグはラックに並べる
「出番の多いバッグはメタルラックの別の段に並べて収納。普段使わないバッグはホコリがつかないよう、収納袋に入れてラックのいちばん上に置いています」
自立しないバッグは〝イケア〟のシューズボックスに立てて収納
「クラッチバッグのような自立しないバッグは、重ねると取り出しにくいので、〝イケア〟の『スクッブ シューズボックス』に立てて収納。靴用のボックスですが、サイズがちょうどよく、並べて使えてとっても便利です。シューズボックスの下の段には、畳みのバッグを。ペタンと畳んで大きな袋に入れています。その隣は、服のホコリを取るコロコロや服用ブラシ、スチームアイロンといったケアアイテムのスペース。気になるときにパッとケアできるよう、服の近くに置いています。ラックのいちばん下にはスカーフやストールを畳んで収納。繊細なスカーフは箱に、細々した〝巻きもの〟は大きな収納袋に入れています」
キャップやミニショルダーはS字フックに吊り下げて
「キャップなどは、メタルラックにS字フックを引っかけてアイテムごとに吊るしています」
ベルト類は〝イケア〟の仕切り付きボックスで整理
「ベルトや手袋は、ショーズボックスと同じ『スクッブ』シリーズの仕切り付きボックスを愛用。このシリーズはサイズや種類が豊富なので、アイテムに合わせて使いわけています。インナーやニット類は、畳んで下段の白い引き出しへ」
撮影用の衣装はキャンバス地の収納ボックスを活用
「撮影で使用する私物の衣装は、キャンバス地の大きなボックスに入れて、クローゼットの上の棚に並べています。このボックスは上をシュッと袋のように絞ることができるので、ホコリがつかず安心。持ち手も付いているため、運ぶときも楽で長年愛用しています」
手元に残す服の量を決めて常に循環させることが、すっきりとしたクローゼットを保つ最大のポイントだと判明!その上で、アイテムごとに使いやすい位置に配置し、それぞれの特徴に合わせて吊るしや畳みで管理しているようです。その結果、無駄な動きをせずに服や小物を出し入れできる、快適なクローゼットが完成するんですね!
構成/木戸恵子
スタイリスト
渡辺智佳
大手銀行に勤務していた経験から、働く女性に向けたファッション提案が得意なワーキングマザー。『Oggi』『Domani』を中心に活躍中。等身大でありながら、卓越したそのおしゃれワザで高い支持を集めている。
インスタグラム:@nabechikas
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