「廉価版」とは?読み方など基礎知識を解説
「廉価版」の読み方は〈れんかばん〉で、「内容を変えずに安く売る普及版のこと」を指して使う言葉です。響きが似ている「劣化版」とはニュアンスが異なる言葉であるため、混同しないようにそれぞれを理解し、使い分けられるようになりましょう。
はじめに、廉価版の詳しい意味や劣化版との違い、使い方・例文、類義語、対義語をそれぞれ確認していきます。
■意味は内容を変えずに安く売る普及版のこと
れんか‐ばん【廉価版】
書籍の内容を変えず、装丁などを簡略にするなどして安く売るもの。ソフトウエアや電化製品などについていうこともある。普及版。
(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
廉価版とは、内容を変えずに低価格化した商品のことです。「廉価」とは値段が安いことや安価であることを指し、「版」はバージョンと同様の意味を持ちます。
一般的に廉価版は、より多くの消費者に製品を手に取ってもらえるようにするために、一部の機能などをカットして低価格化されています。安いものであることを、なるべくチープなイメージをつけずに伝えられる言葉として使われることも多いようです。
■「劣化版」との違い
一方で劣化版とは、品質や性能などが劣化した商品のことを指します。読み方は〈れっかばん〉です。「劣化」とは、時間の経過や使用などで本来の性能・品質が失われ、以前より劣っていることを意味します。
つまり、劣化版は価格が安いかどうかではなく品質が落ちるものを指して使う言葉で、ネガティブな意味があります。対して、廉価版は性能が落ちる場合でも使用には問題がなく、基本的にネガティブなニュアンスはないことが大きな違いです。
■廉価版の使い方・例文
廉価版は、電化製品などで用いられることの多い言葉です。たとえば店員がおすすめするときに、「安いバージョンですよ」というよりも「廉価版です」と伝えたほうが、安っぽいというイメージをつけずに説明できるかもしれません。
それでは、廉価版の使い方を例文で確認していきましょう。
・もうすぐ当社のスマートフォンの廉価版が発売予定だ。機能は絞っているが、コストパフォーマンスがよいため人気が出るだろう。
・機能面へのこだわりがないため、廉価版の商品を購入しよう。
■廉価版の類義語・言い換え表現
廉価版と言い換えが可能な類義語や似た意味の言葉として、以下のものが挙げられます。
〈低価格版〉
低価格イコール低品質ではないものの、低価格版という場合には基本的に何らかの方法で品質を下げたバージョンを指すことも多い。
〈普及版〉
普及させるために入手しやすくしたバージョン。外装を簡略化するなどして、内容を変えずに値段を安くしたものなど。
■廉価版の対義語・対照的な表現
一方で、廉価版と対照的に使われる表現は以下のとおりです。
〈豪華版〉
通常よりもぜいたくで立派なこと。出版物の場合、用紙や装丁、付属物などにこだわり、ぜいたくにつくったバージョン。アニメのDVDなどで、サイン入り色紙といった特典をつけたものを指すこともある。
〈上位版・上位バージョン〉
同じ種類の製品において標準機能のものと高性能のものがある場合に、高性能のもののほうを指して使われる。また、ソフトウェアやハードウェアの新しいバージョンのほうを指す場合もある。
実際に販売されている廉価版
実際に、廉価版としてどのような製品が販売されているのかをチェックしておきましょう。
■DVD・ブルーレイ・ゲーム・CDなど
DVD・ブルーレイ・ゲーム・CDといった製品はよく廉価版が販売されており、オンラインショップやCDショップなどで手に入ります。廉価版のほかには、通常版や限定版などがあります。このなかで、限定版はなんらかの特典がついていて、希少価値があるバージョンです。
特典に興味がなく、できる限り安く手に入れたい場合には、廉価版の購入を検討するとよいでしょう。たとえば、廉価版としてDVD・ブルーレイが再リリースされると、価格を抑えて観たかった映画が観られるようになります。
■スマートフォンなど
スマートフォンなどでも、報道などで廉価版として紹介されるバージョンがあり、普及促進に役立っているようです。これらの廉価版と上位版との機能差・性能差はいろいろとあります。しかし、購入する方がそれぞれの違いを理解したうえで自分にあったものを選べば、よい選択肢になり得るでしょう。
廉価版の意味を理解しよう
廉価版とは、内容をあまり変えずに低価格化した商品のこと。一方で、混同されがちな劣化版は、品質が劣るというネガティブなニュアンスで使われる言葉です。廉価版の意味や類義語、対義語などの関連する言葉をまとめて確認し、それぞれの言葉を正しく使い分けられるようにしてみてはいかがでしょうか。
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