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2023.05.26

ポジティブフィードバックって何? 手順やメリット、注意点などを紹介【専門家監修】

 

キャリア教育や人材育成で注目されている「ポジティブフィードバック」は、指摘をしながら育成をすることをいいます。組織やチームの活性化に欠かせないポジティブフィードバックについて、ポイントや注意点を紹介します。

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ポジティブフィードバックとは、指摘しながら成長支援をすること

部下や後輩などの社員にフィードバックをしなければならないとき、どう伝えればよいかと悩むことはありませんか? 仕事をするうえで欠かせないフィードバックは、言い方ひとつで相手の気持ちを変えてしまうもの。せっかくなら、相手のやる気を引き出し、成長につながるようなフィードバックをしたいですよね。

そのような場合に有効なのが、ポジティブフィードバックです。ポジティブフィードバックを活用できれば、さまざまな効果をもたらしてくれます。まずは、ポジティブフィードバックの意味から見ていきましょう。

笑顔や不満顔など4タイプの表情が描かれた木製のキューブの写真

ポジティブフィードバックについて

人材育成における「フィードバック」は、社員の業務に関連した行動や姿勢、反応を客観的に評価し、改善点を示すことをいいます。

フィードバックに求められるのは、フィードバックされた社員の行動や姿勢が改善されること。フィードバックは、伝えて終わりではなく、社員の成長につながることが求められるのです。

フィードバックのひとつである「ポジティブフィードバック」は、社員一人ひとりの長所やよい部分を見つけ出し、肯定的な言葉で評価することをいいます。

ネガティブフィードバックとは?

もうひとつのフィードバックである「ネガティブフィードバック」は、社員の行動や姿勢の問題点を指摘し、立て直しをサポートする方法です。ネガティブフィードバックは、社員の行動や姿勢を否定することになるため、伝え方次第では、単なる叱責と捉えられることも。難易度は、ポジティブフィードバックより高いでしょう。

しかし、深刻なトラブルやミスが発生した場合、ネガティブフィードバックを活用することで再発防止につなげることができるなど、メリットもたくさんあります。

ポジティブフィードバックの手順と伝え方

ポジティブフィードバックは、どのような手順で行うのでしょうか? 伝え方とともに見ていきましょう。

ハイタッチしている2人のイラスト 1人は手にノートパソコンを持っている

ポジティブフィードバックの手順とは?

ポジティブフィードバックは以下の手順で行います。

▷ステップ1:目標の設定と確認

そもそもフィードバックは、目標達成のために行うもの。そのため、まずは目標を設定し、それを社員と共有しなければなりません。また、目標は適宜確認するようにしてください。

▷ステップ2:よかったアクションを具体的に伝える

目標実現に対し、よい影響を与えた社員のアクションを評価します。「よかった」「がんばった」ではなく、何がよかったのか、その内容を具体的にし、根拠となる理由とあわせて伝えてください。また、そのアクションがもたらした会社やプロジェクトへの貢献度も伝えられるようにします。

▷ステップ3:今後の課題やアドバイスを伝える

ポジティブフィードバックが一通り済んだら、次のステップに向け、課題やアドバイスを伝えます。業務プロセスについても、具体的に検討し共有しておくと、次のアクションにつながりやすいでしょう。

中に白いハートがあるピンクの四角い吹き出しが3つ並んだイラスト

ポジティブフィードバックで押さえておきたいポイント

ポジティブフィードバックをする際、以下のポイントを押さえて実施すると効果的です。

・まずは社員を労う
うまく結果が出せなかった社員がいても、まずは社員を労います。その際、よかった点を具体的に挙げ、評価してください。

・サンドイッチ話法を活用する
サンドイッチ話法は、ポジティブフィードバックの間に、ネガティブフィードバックを入れることです。具体的には、最初に褒め、次に指摘や注意を伝え、最後は期待していることを伝えながら再度褒めるという流れになります。

サンドイッチ話法は、最初と最後が相手にとって前向きな内容になるため、相手の意欲を低下させずに済みます。しかし、ポジティブな話だけが印象に残りがちで、効果につながりにくいという側面も。

ポジティブフィードバックのメリット

ポジティブフィードバックがもたらすメリットについて見ていきましょう。社員の意欲向上や成長を促す以外に、どのようなメリットがあるのでしょうか。

ガッツポーズをしている2人のビジネスパーソンのイラスト

チーム内の信頼関係構築につながる

ポジティブフィードバックを意識することで、社員の長所が目に入りやすくなります。また、フィードバックを受ける相手にとっても、自分を肯定する話がたくさん聞けるのは、うれしいもの。ポジティブフィードバックは、「自分のことをちゃんと見てくれている」「期待してもらっている」という信頼感や安心感も与えるため、信頼関係構築によい影響をもたらしてくれるでしょう。

主体的な行動を促せる

前向きな言葉で伝えるポジティブフィードバックは、社員の主体性を上げることにもつながります。自分を肯定的に評価してくれる人がいると、安心して仕事に取り組めますよね。その安心感により、仕事への集中力が高まり、主体的な行動につながることが期待できます。

目標達成までのプロセスを確認できる

ポジティブフィードバックは、一方的な会話になりづらいという特性を持ちます。会話しながら進めるスタイルのため、必然的に目標達成までのプロセスを共有することに。これにより、お互いのことを正しく認識する機会が増えるため、結果的に相互理解が進む、ミスや手戻りが減るということにつながるのです。

成功へのステップアッププランのイメージイラスト スタートラインに人が立っており、その先にステップ1、2、3、サクセスの文字が書かれている

ポジティブフィードバックの注意点

ポジティブフィードバックの注意点についても、チェックしておきましょう。以下のことに注意して進めてください。

曖昧なフィードバックはしない

フィードバックの内容が曖昧だと、相手に不信感を与えることになります。ポジティブフィードバックは特に注意してください。よかった点や悪かった点を伝える際は、どこがよかったのか、何が悪かったのかを具体的に伝え、根拠も明確に示します。また、曖昧な表現も避ける方がよいでしょう。

主観的な褒め方は避けて

自分の価値観や独断が入った主観的な意見をベースにして褒めるのも避けます。褒めるときは、データや全体総意で称えるようにしてください。主観的な意見は、感想程度であれば問題ありませんが、話の大部分が主観的というのは避けることをおすすめします。

人前でのフィードバックは相手とシーンを慎重に選ぶ

人前でのフィードバックは、チームの活性化につながることもあり、取り入れている人も多いかもしれません。しかし、人前でポジティブフィードバックをしたことで、萎縮してしまう社員もいます。社員のタイプをよく見極めて、ポジティブフィードバックをするようにしてください。

最後に

人材育成に欠かせないポジティブフィードバックは、チームの士気を高め、企業成長にもつなげられる手法です。ポジティブフィードバックには、さまざまなメリットがありますが、大切なのは社員一人ひとりのタイプを見極めること。ポジティブフィードバックを実施する場合は、相手に合った方法で行うようにしてください。

益田瑛己子

ライター・キャリアコンサルタント・ファイナンシャルプランナー。金融機関の営業職として長年勤務し、現在はライター(ブック・Web)として活動中。3人の子供が自立し、仕事と趣味を謳歌している。
ライター所属:京都メディアライン

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