所用との違い
諸用、所要、私用の意味をそれぞれ解説しました。復習も兼ねて所用との違いをまとめてみましょう。
所用は用事全般をさします。一方、諸用は似たニュアンスですが「多くの(色々な)用事」の場合に使われることが多いです。所要はそもそもの意味が異なり、「必要なもの」というニュアンス。私用は個人的な用事、という意味合いになります。
所用の使い方を例文で紹介
続いては所用の使い方について紹介します。例文を交えて紹介するので、ぜひ実生活でも活用してください。
1:「恐れ入りますが、当社の〇〇は所用により出席することができなくなりました」
「所用のため」はよく使われる表現です。ビジネスシーンでは、欠席する場合などに使われます。ただし所用は敬語表現ではないので、「恐れ入りますが」や「恐縮ですが」など謝罪の言葉を添えたほうがよいでしょう。
2:「急に所用が入っちゃって、どうしても明後日の誕生日会に出られなくなってしまったの」
所用はビジネスシーンだけでなく、プライベートな場面でも使うことができます。例文1は、社長などの上司が席を外したり出席したりしたときに、代理としてそのことを伝える場合の例文です。例文2は、自分自身が所用で参加できなくなったときに使える言い回しになります。
3:「担当の○○はただいま所用で席を外しておりますので、後ほどこちらからお電話いたします」
「所用で席を外しております」もしばしば使われる表現です。電話対応など、担当者がいない場合は、このように言うことで間を取り持つことができます。
所用の類語表現にはどのような言葉がある?
所用と似たニュアンスを持つ言葉は諸用だけではありません。この機会に類語表現も押さえておきましょう。
1:諸事情
諸用の同じ「諸」という漢字が入っているこの言葉。「いろいろな事情」というニュアンスがあります。諸用と同じように使うことができ、「諸事情のため、明日の会議は欠席します」のように用いられる言葉です。
2:野暮用(やぼよう)
「野暮用」とは一般的に「つまらない用事」「ちょっとした用事」といったニュアンスで使われることが多い言葉です。辞書的な意味合いとしては「仕事上の付き合いの用事」という意味もあります。
カジュアルな表現で、ビジネスシーンでは使われません。「ちょっと野暮用で外出しなきゃいけなくなった」など、気心の知れた友人などに対して使われます。
3:小用
「小用」は「ちょっとした用事」という意味です。「母は小用で出かけている」などと使われます。読み方は「しょうよう」「こよう」で後者はやや古風な言い回しです。
最後に
本記事では、所用や混同されやすい諸用、所要、私用の意味について解説しました。それぞれの違いは理解できましたか? あわせて、使い方を例文で紹介しています。所用という言葉を使う際には、謝罪や理由を添えることも忘れないようにしてください。
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