学校の先生って、どんな人!?
田口:人によって違いはあれど、総合的に言って“学校(特に小学校)の先生ってどういう人なのか?これ、私はなんとなく分かるのですが(笑)、先生の言葉でお願いします。
佐々木:学校の先生は一言で言うと「真面目な人たち」、だと思います。これは世間的なイメージだけでなく、やはり周りの教職以外の友達などと比べてみても、基本的に子供が好きでこの世界に入っていて、真面目な人たちと感じます。もちろん、社会経験をしていないので、一般社会の常識から外れている人もいるとは思います。でも、基本的には子供が好きで、子供と遊ぶのが好きで、子供のためになりたい、と思っている人たちだと思います。
田口:私もそう思います。こんなに忙しく大変な仕事でも、やっぱり「子供のために」と思ってくれている。それが空回りしちゃたり世間の常識と違っていたりすることもあるかもしれませんが、基本感情として「子供のために」という感情から発していることだと理解していると、先生に対しての感情や声のかけ方も変わってくると思います。
佐々木:子供に何かあったときに、「どうやって救ってあげよう?」と思う先生が圧倒的に多いです。あと、言葉が悪いですが、出来が悪い子ほど可愛いと言いますか(笑)、しっかり見ようとする傾向があって、それは日本の良いところではないでしょうか。その子の課題を見捨てず、「なんとかしてあげたい。一人残さず」という感覚がある。これは日本の文化ですよね。「みんなで一緒に」と思っていて、ボトムアップを考える。「みんなで」なんです。「個人が」じゃないんです。
田口:日本の教育の「みんなで」思想が、飛び抜けた才能を伸ばす上で、かえって足枷になる一面もあるとは思います。とはいえ、やはりなるべくボトムアップ重視でみんなに丁寧な指導をしてくれることは、他国と比べると本当にありがたいことなんですよね。特に“公教育”においては、とっても重要なマインドだと思います。
国家のほんの一握りが大成功していても、5人に一人が食うに困っているとか、文字が読めない、みたいな状況になるのは、国としてかなりの損失になると思いますので。
佐々木:日本人の国民性にも合っていますよね。学習指導要領で教育内容が統一されているのも、すごく良い制度で、それにより「読めない・書けない」を作らないわけで。そこまでしてくれるのは世界的に見ても稀で、国民の文化的な水準を底上げしている理由だと思います。日本文化の精神は「みんなで」がキーワードなんでしょうね。先生は、それを良さと捉えている人たちだと思います。
また、基本的に子供が好きな人が多い。これも事実で、それがないとやっていけない仕事なんです。子供も本能で、教師を見極めますから!やっぱり好きじゃないと、続けられない職業だなと思います。なので、長くやり続けている先生は、絶対に子供への愛情が根底にありますよ。
田口:子供への愛情さえ感じられれば、保護者としてもオールOKな部分はありますね。
1年生のお母さんへ(幼保との違い)
田口:でもなんとなく昨今、保護者と教師が対立しがちなのはなんでなんでしょう?
佐々木:そうですね、これは教師に限ることでなく、若い人たちのコミュニケーション能力に一つの理由があるかもしれません。現場で若い先生を見ていると、保護者との距離を詰めるのが苦手そうな人が増えたなとは感じます。今の若者って、違う世代(特に年上)と喋るのが苦手な人が増えていませんか?でも、嫌っているわけではなく。ただ、自ら関わろうというマインドが薄いのかな?逆に、保護者の方からフレンドリーに接してもらえたら、嬉しいんだと思います。
田口:ということは、お母さんから歩み寄った方がいいですね。人生の先輩として、お母さん側からオープンハートで接していくと、若い先生も心を開いてくれるのかも。最近の若者のイメージとしては積極的にグイグイはこないけど、素直で優しいイメージをもってます。
佐々木:そうかもしれません。最近は人手不足で、ついこないだまで大学生だったような子が入ってきてるので(笑)、温かい目で見ていただけるとありがたいです!その上で、ベテランの主任や管理職も、必要に応じて巻き込んでもらえればと思います。
田口:まとめると、とにかく連絡は早く、マメに。そしてフレンドリーにお願いしますってことですかね。
佐々木:はい。思っていることができるだけ怒りに変換する前にお願いします!(笑)また、怒っていても、最初に伝えるときには感情をできるだけ抑えて伝えていただければありがたいです。感情がどうしても収まらない!という方は「私、短気なので言いたいこと言っちゃいますが!」と先に伝えていただくのもアリですね。まずは感情を吐き出していただいて、それがきっかけで、関係が良くなることもありますから。
田口:一番不毛なのは、LINEで悪い情報を回してしまうことですかね。時々そういう話も聞きます。そうしているうちに対応が遅れてしまっては、子供を救えないですもんね。
佐々木:そうなんです!お互い腹を割りましょう。それが一番です。