課題とは?
課題とは、解決する必要のある問題のことを指す語句です。おそらく多くの人にとって、小学生のころからなじみのある言葉といえるでしょう。日常会話、ビジネス、政治経済、学問など、さまざまなシチュエーションで使われています。
しかし、当たり前のように使っているからこそ、正確な意味を理解していないケースもありそうです。デジタル大辞泉では以下のように解説されています。
【課題】与える、または、与えられる題目や主題。
「論文の―」「―図書」解決しなければならない問題。果たすべき仕事。
「公害対策は今日の大きな―である」「緊急―」
(引用〈小学館デジタル大辞泉〉より)
まず、課題のくわしい意味と問題との違いを解説します。
■課題の意味
課題の意味は、大きく分けて2つあります。1つ目は、特定の題や問題を与えることの意味、2つ目は、与えられた任務や果たすべき仕事の意味です。学校の授業で、教師から出された宿題も課題の一種といえるでしょう。
課題は個人に課せられるものから、社会全体に課せられるものまで、さまざまな規模のものがあります。社会全般の課題となっているものもあれば、ESG課題などのように、グローバルなテーマとなっているものまで多種多様です。
■問題との違い
課題と似た言葉に「問題」があります。しかし、課題と問題には明確な違いがあるため、注意が必要です。問題にはいくつかの意味があります。
おもな意味は4つあり、1つ目は「解答を求める問い」、2つ目は「批判や論争などの対象となる事柄」という意味です。3つ目は「やっかいな事柄」、4つ目は「世間が関心を寄せている話題」という意味です。
この中で、課題と混同されがちなのは、1つ目の「解答を求める問い」という意味で使われている場合でしょう。「課題」では「解決するための取り組み」というニュアンスがあるのに対して、「問題」は解決すべき対象というニュアンスの言葉である点が大きな違いです。
ビジネスで留意すべき課題と問題の使い方
ビジネスにおいては、課題と問題の意味の違いを理解したうえで使う必要があります。混同してしまうと、適切な対応をできなくなることがあるからです。
ここでは、ビジネスでの課題の使い方と問題の使い方について解説します。
■ビジネスでの課題の使い方
ビジネスで使われる「課題」とは、問題を解決するための手段という意味で使われるのが一般的です。会社としての目標を達成するための道筋や方法などを示す、ポジティブなニュアンスを持った言葉といえるでしょう。
ビジネスの課題としてよくあげられる具体的な例は、以下の6つです。
・生産性の向上
・効率化の実現
・競争力の強化
・ブランドの確立
・コンプライアンスの遵守
・労働環境の改善
ビジネスにおける課題とは、達成すべき目標までの道筋を表す語句でもあるでしょう。
ビジネスでの問題の使い方
ビジネスで使われている問題とは、企業が掲げている理想と現実とのギャップを表すのが一般的といえるでしょう。つまり、問題と課題という言葉の関係性を説明するならば、問題を解決するための取り組みや道筋が「課題」です。
ビジネスにおける問題の具体的な例は、以下です。
・人手不足
・過重労働
・過密労働
・売上の低下
・競合他社の台頭
・社内でのコミュニケーション不足
これらの問題の改善の道筋を考えて示したものが、課題といえるでしょう。
課題の例文
課題は、いくつかの意味があり、さまざまなシチュエーションで使われている言葉です。また、課題解決、課題抽出、課題設定、課題提起など、さまざまな熟語を構成する要素になっていることも踏まえておくといいでしょう。