【例文】
・我が社の大きな課題は、予算削減と作業の効率化による業績向上です。
・紛争地帯の緊張を緩和するためには、じっくりと時間をかけて、相互理解を進め、少しずつ課題を解決していかなければなりません。
・社員の自主性を養うために、それぞれに部署内での課題設定を促しています。
問題の他にもある、混同しやすい課題の類義語3つ
課題と混同しやすい語句は問題だけではありません。混同しやすいおもな類義語は以下の3つです。
それぞれの語句の意味、使い方などを解説します。
1.懸案
懸案とは、以前から問題になっていて、まだ解決されていない案件という意味の語句で、読み方は「けんあん」です。新たに出てきた問題ではなくて、これまでも問題となっていたことに対して使います。
【例文】
・プロジェクトチームのメンバーは、今回の会議でとくに重要な懸案事項について話し合いました。
・熊による被害が相次いでいるため、市長は住民の安全問題を懸案事項と位置づけて、電気柵の設置などの対策を打ち出しました。
2.論点
論点とは、議論の中心になる問題点のことで、読み方は「ろんてん」です。枝葉末節ではなくて、本質的な問題点、重要な問題点につい使う言葉であるところがポイントといえます。論点は、報道番組や討論会などでもよく使われている言葉です。
【例文】
・役員会議が迷走したのは、出席者の間で論点の共有ができなかったからです。
・深夜の報道番組で、ゲスト2名の議論がかみ合わなかったのは、互いの論点にズレがあるからだと思います。
3.宿題
宿題は、前もって課題を与えて考えさせる問題、学校で生徒に対して家庭で行うように課する学習作業などの意味があります。読み方は「しゅくだい」です。
「解決を課せられた問題」という意味では、宿題と課題と共通します。宿題は、「未解決のまま持ち越された問題」というニュアンスのある点が特徴です。
【例文】
・あまりにも子どもが勉強しないので、つい見かねて夏休みの宿題を手伝ってしまいました。
・会議では結論が出ず、明日までに各自レポートを提出するという宿題が課されました。
課題の意味を知って正しい使い方をしよう
課題とは、解決しなければならない問題や果たすべき仕事という意味の語句です。問題という言葉と混同されるケースもありますが、ビジネスでは明確に区別する必要があります。
課題が「問題を解決するための取り組み」であるのに対して、問題は「現実と理想のギャップ」を表す言葉である点が、大きな違いです。課題の意味を知って、正しい使い方をしてください。
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