(例文)
・彼は面倒なことが起こると、問題の解決をすべて部下に丸投げしている
・あの業者は下請け業者に丸投げしているため、代金に中間マージンが上乗せされている
無責任
無責任とは、責任を負わないという意味と、 責任を自覚しない・責任感がないという意味があります。他力本願と似ているのは、後者の意味です。自分で責任を負わず、人に任せてしまうことが無責任であり、他力本願とよく似た言葉とされています。
(例文)
・自分の仕事を最後までまっとうしないのは、無責任な態度だと非難されるだろう
・彼は問題が起こるといつも誰かの助けを求めるため、無責任な人だといわれている
他力本願の対義語
本来の意味である他力本願の対義語には、自力作善(じりきさぜん)があげられます。自分の力で善を成し遂げようとするという意味です。親鸞聖人が他力本願と対比させ、宗教的には正しくないあり方と説いた言葉です。
現代的な意味で使われる他力本願の対義語は、次の言葉があげられます。
・自主自立(じしゅどくりつ)
「自主独立」とは、自分の意思で行動し、他人の力に頼らず独り立ちするという意味です。
・独立独歩(どくりつどっぽ)
「独立独歩」は、他人の力を借りずに自分の道を自分の力で歩むという意味があります。
どちらも、人の力に頼るという意味の他力本願とは対極にある言葉といえるでしょう。
他にもある?仏教用語に由来する言葉
他力本願のほかにも、日常的に使っている言葉で仏教用語が由来となっているものは少なくありません。
・自業自得(じごうじとく)
自業自得は、「自分で作った善悪の報いは、自ら受けるべきである」という意味です。悪いことをしたらその報いは自分に戻るという意味で使われますが、仏教では、悪い場合に限らず、良いことも悪いこともすべての運命は自分の行為が生み出すという意味で使われます。
・出世(しゅっせ)
出世は一般的に、会社で昇進して地位が上がることを指す言葉です。しかし、もともとの仏教用語では、世俗を離れて仏道に入るという意味があります。
・旦那(だんな)
旦那は妻が夫を呼ぶ場合に使われますが、もとはお布施を意味する言葉です。妻が夫を旦那と呼ぶのは、働いて給料を家庭に持ってきてくることに由来しているとされています。
他力本願は本来の意味も覚えておこう
他力本願は、人の力に頼るという意味で使われていますが、本来の意味とは異なります。仏教用語で、阿弥陀仏の本願により救済されるという意味があります。現代では一般的に通用する意味で使うのは仕方ありませんが、本来の意味も一緒に覚えておくとよいでしょう。
他力本願には人任せや丸投げなどの類義語もあるため、この機会にぜひチェックしてください。
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