「スピリチュアル」とは
「スピリチュアル」という言葉を、知らない人は少ないかもしれません。「スピリチュアル」に関連する書籍や記事は、たくさんの人に読まれていますよね。「スピリチュアル」が好きという人もいるでしょう。
しかし、「スピリチュアル」という言葉の正しい意味は意外と知られていないかも。よく使う言葉ですから、一度調べてみるのもいいですね。辞書で調べた言葉の意味を紹介しますので、ぜひチェックしてください。
辞書の意味は
スピリチュアル【spiritual】
読み方：すぴりちゅある
【一】［名］米国で、民衆の中から生まれた宗教的性格をもった歌。ブラックスピリチュアル（黒人霊歌）・ホワイトスピリチュアル（白人霊歌）・ゴスペルソング（福音賛美歌）など。
【二】［形動］精神的な。霊的な。宗教的な。「—な世界」
『デジタル大辞泉』（小学館）より引用
「スピリチュアル」は、「歌」と「精神的な」「宗教的な」という意味を持つことがわかりますね。世間で浸透しているのは、「精神的な」「霊的な」の方かもしれません。「歌」という意味があることも、把握しておけるといいですね。
「黒人霊歌」「福音讃美歌」の意味も
「スピリチュアル」の宗教的性格を持った歌について、もう少し見ていきましょう。
▷ブラックスピリチュアル：黒人霊歌（こくじんれいか）
アフリカ系アメリカ人の宗教歌のこと。「旧約聖書」にちなんだ歌詞が多く、奴隷制に縛られた生活を反映しています。シンコペーション（強拍と弱拍の位置を本来の場所からずらしてリズムに変化を与えること）の多いリズムや、五音音階などが特徴とされています。
▷ゴスペルソング：福音讃美歌（ふくおんさんびか）
米国のキリスト教音楽のこと。20世紀前半に、黒人霊歌にブルース・ジャズなどの要素が加わって生まれたものとされています。
上記の音楽をベースに生まれた映画や音楽はたくさんあり、日本でもゴスペルを題材にした作品が大ヒットしたということも。また、黒人霊歌やゴスペルソングが音楽に与えた影響も大きいと言えるでしょう。「スピリチュアル」は、今も世界中の人から愛され続けている音楽なのです。
「スピリチュアル」の使い方とは
ここからは、「スピリチュアル」の使い方を見ていきましょう。意味別に例文を用いて紹介しますね。
意味：歌
《例文》
・ゴスペルソングがスピリチュアルに含まれるとは知らなかった
・スピリチュアルの中で歴史があるのは、黒人霊歌だ
「歌」という意味で「スピリチュアル」を使うことは、それほど多くないかもしれません。歌や音楽においては、黒人霊歌や白人霊歌、ゴスペルソングなどの総称として用いられることがあります。
意味：精神的な、霊的な
《例文》
・彼女はスピリチュアルな世界を好み、その分野の書籍に詳しい
・スピリチュアルな視点を大切にしながら、現実を直視して行きたい
「精神的な」「霊的な」の意味で使われる「スピリチュアル」の方は、世間でもよく知られていると言えます。この意味の「スピリチュアル」をテーマにしたテレビ番組や書籍、映像作品などが多数ありますよね。
目に見えない霊的なものや精神的なものという意味で使うため、宗教や占いなどを表す際にも「スピリチュアル」が使われます。また「スピリチュアルな人」や「スピリチュアルな世界」は、それらを重んじる人や、それらの要素が強い世界観などを表すと考えてください。
「スピリチュアル」と似た言葉：歌
「スピリチュアル」に似た言葉を見ていきましょう。まずは「歌」の意味と似ている言葉を紹介します。
「宗教音楽」
宗教儀式に伴って発達した音楽のこと。キリスト教のグレゴリオ聖歌・ミサ曲、仏教の声明（しょうみょう）などがあります。
また、宗教的題材による演奏会用音楽を意味することも。カトリック教会で死者のためのミサに用いるために作られた音楽（レクイエム）や、宗教的な題材をもとに、独唱・合唱・管弦楽から構成される大規模な演技を伴わない楽曲（オラトリオ）などが該当すると考えてください。
「教会音楽」
キリスト教教会で、礼拝や儀式のときに演奏する音楽のこと。教会音楽には以下のものが該当するとされています。聖歌（神聖な歌。キリスト教の賛美歌を指すことも）、ミサ曲（ミサ典礼のための楽曲）、賛美歌（キリスト教会で、神を賛美し、信仰を励ます歌）などが該当します。
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「スピリチュアル」と似た言葉：精神的な
「精神的な」「霊的な」の意味として使う「スピリチュアル」に似た言葉も見ていきましょう。
「信仰的」
神仏などを信じて崇めることや、特定の宗教を信じて、その教えを自分の拠り所とすることを表す言葉。宗教以外に、特定の対象を絶対のものと信じて疑わないことを意味することもあります。「特定の対象」というのは、理論やブランドなどが該当します。
「超自然的」
自然界の法則をこえた、理論的に説明のつかない神秘的なものを指します。読み方は「ちょうしぜんてき」。自然界にある法則や、物理的な理論では説明のつかない現象や状況を表すと考えてください。
「超自然的」の後ろに「現象」をつけ「超自然的現象」のように使うことが多いでしょう。
「超心理学」
現在の科学では、説明不可能と思われる精神現象を研究する心理学の一部門のこと。テレパシー・透視・予知・念力などを扱います。
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看護や介護の世界でも注目される「スピリチュアル」
「スピリチュアル」は、看護や介護の世界でも注目されています。死と向き合わざるをえなくなった人が、自責の念や罪の意識を持ち、自分自身の存在価値がなくなったと感じて深く苦悶することを指す「スピリチュアルペイン」や、それに対処するための「スピリチュアルケア」は、今後さらに重要度が増すとされています。
「スピリチュアル」は、人に関わる「死」や「心」「魂」「人生」などと深く関連する言葉ですから、正しく意味を把握しておきたいですね。
参照：スピリチュアルケアとは｜一般社団法人日本終末期ケア協会 (jtca2020.or.jp)
最後に
「スピリチュアル」は、「精神的な」「霊的な」という意味以外に、「歌」も意味し、人の思想や文化に大きな影響を与えている言葉です。ゴスペルソングは日本でも人気でよく知られていますが、その背景にどのような出来事や意味があるのかを調べてみるのもいいですね。
「スピリチュアル」は、医療や介護の分野でも注目されています。言葉の意味や使い方を知ることで、より理解が進むかもしれません。
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