「ご懐妊」とは
「ご懐妊」という言葉を知ったのは、「皇室関連のニュースを見たのがきっかけで」という人もいるでしょう。妊娠することを意味する「ご懐妊」は、ビジネスシーンででも使われています。かしこまった表現ですから、正確な意味や使い方を把握し、適切に使えるようにしたいですね。
また、妊娠を祝う際の「ご妊娠」や「おめでた」との違いも把握しておきたいところ、まずは辞書で調べた「ご懐妊」の意味を見ていきましょう。
「ご懐妊」は妊娠のこと
【懐妊】
読み方:かいにん
(スル)胎内に子を宿すこと。身ごもること。妊娠。懐胎。「めでたく—する」
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用
「ご懐妊」は、「懐妊」に尊敬の意を表す「ご」をつけた言葉。目上の人に対して、妊娠のお祝いをする際などに使うことが多いでしょう。皇室関連のニュースでも使われるくらいですから、カジュアルな表現にはなりません。一般の人に対しても使いますが、かしこまった表現であるということを把握しておくといいですね。
「ご懐妊」は誰に対して使う?
上述したように、「ご懐妊」は目上の人に対して使う言葉です。ビジネスシーンで言うと、会社の上司や取引先の人が妊娠した際に使うことが多いでしょう。また、目上の人のパートナーが妊娠した際にもお祝いの言葉として用いることがあります。
「ご懐妊」はビジネスシーン以外でも使いますが、この場合も目上の人に向けて用いることがほとんどです。かしこまった表現ですので、友人や後輩などに対して使うことはないため、別の表現を用いるといいですね。
「ご懐妊」言葉の使い方
ここからは「ご懐妊」という言葉の使い方を見ていきます。例文とともに紹介しますので、参考にしてくださいね。
例文1「部長、ご懐妊おめでとうございます。どうかお身体を大切になさってください」
「ご懐妊」をよく使うのは、妊娠に対するお祝いの言葉を述べる時でしょう。「ご懐妊おめでとうございます」の言葉とともに、相手の体調を気遣う言葉やうれしい気持ちを表す言葉などを添えることが多いですね。
「ご懐妊」は話し言葉と書き言葉、どちらも使えます。口頭でお祝いを伝える際はもちろん、メッセージカードなどにもよく登場します。
例文2「○○様がご懐妊されたと伺いました。無理をせず、ご自愛くださいね」
妊娠した本人ではなく、その関係者にお祝いの言葉などを贈る際にも「ご懐妊」を使います。この場合も、お祝いの言葉以外に、相手のことを気遣う言葉や、お祝いしたい気持ちを表す言葉を添えるといいですね。
「ご懐妊」を使う際の注意点
「ご懐妊」という言葉を使う際の注意点を見ていきましょう。妊娠はお祝い事ですが、とてもセンシティブなことでもあります。そのことを十分に把握し、言葉を使いたいですね。
噂話や伝聞で知った場合は、注意
その人の妊娠を本人からではなく、噂話や伝聞で知るということもあるでしょう。妊娠はおめでたいことですから、すぐにでもお祝いの言葉を贈りたいと思うかもしれません。しかし、相手の状況によっては、それが負担になることも。妊娠は不安をともなうケースが多いので、その点は十分に考慮したいですね。
妊娠はとてもセンシティブなことです。本人から報告や連絡がある前に、「○○さんから聞きました」と言ってお祝いの言葉を贈ったりすると、トラブルになることも。噂話や伝聞の段階で、サプライズでお祝いを仕掛けるなどは絶対に避けましょう。良かれと思ってしたことでも、相手を傷つけてしまっては意味がありません。
ビジネスシーンなどでは、何かしらの事情があり、本人以外から妊娠の報告をされるケースもあるでしょう。その場合は、本人の了承を得ての報告なのかどうかを確認するといいですね。本人の了承を得ていない場合は、話を広めることは避けましょう。本人からの報告を待つようにしてください。
「ご懐妊」と似た言葉
「ご懐妊」と似た言葉を紹介します。シチュエーションに合わせて、うまく使い分けてください。例文と一緒に見ていきましょう。
「ご妊娠」
女性が身ごもることを表す言葉である「妊娠」に、敬意を表す「ご」をつけた言葉。「ご妊娠」もお祝いの言葉などでよく用いられています。基本的には目上の人に対して使われる言葉と考えてください。
「ご妊娠」は「ご懐妊」よりも知られている言葉でしょう。「ご懐妊」はかしこまった表現ですから、「ご妊娠」の方が使いやすいかもしれませんね。たとえば、親しい間柄の上司が妊娠した場合などは、「ご妊娠おめでとうございます」のように使うのもいいでしょう。
「ご懐胎」
「懐胎」は、子を身ごもることを意味する言葉。敬意を表す「ご」をつけ「ごかいたい」と読みます。一般的にこの言葉を使うことはあまりないかもしれませんが、「ご懐妊」と意味は同じ。お祝いの言葉としても使えます。
「おめでた」
「おめでた」は、めでたいことを言う尊敬語であり美化語。妊娠や出産などで使われることが多いでしょう。「おめでた」という言葉はフランクさを感じさせるため、目上の人に対して使うことはあまりありません。基本的には、親しい間柄の人に対して使うと考えてください。
また、「おめでた」が結婚を表すケースもあります。「おめでた」が何を指すかは、会話の流れや前後の文脈などから判断するようにしてください。
「ご懐妊」を英語で表すと
「ご懐妊」の英語表現もチェックしましょう。
「pregnancy」
妊娠を表す「pregnancy」を使うといいですね。例文を見てみましょう。
《例文》
ご懐妊おめでとうございます
→Congratulations on your pregnancy.
あなたのご懐妊を知り、とてもうれしく思います
→I am very happy to know about your pregnancy.
上記のような表現を使うと、英語でもスムーズにお祝いの気持ちを伝えることができるでしょう。
「ご懐妊」は、相手の妊娠を祝う気持ちをていねいに伝える言葉です。目上の人に対して使える言葉ですので、使い方などを把握しておきたいですね。
最後に
「ご懐妊」という言葉について紹介しました。皇室関連のニュースで目にするこの言葉は、一般の人に対しても使えます。かしこまった表現ですので、目上の人に対して使うのがいいでしょう。妊娠はとてもおめでたいことですが、本人や家族は何かと不安になったり、プレッシャーに感じたりするもの。周りはそのことを十分に意識したいですね。
TOP画像/(c)Adobe Stock
【関連記事】