惰性とはどんな意味?
惰性とは、これまでに続けてきた習慣や癖や動作をそのまま続けていくさまという意味の語句です。日常会話でもビジネスでもよく使われています。成長がない、進歩がないなど、ネガティブな意味で使われることの多い言葉といえるでしょう。
読み方は「だせい」です。物理学などで使われる場合には、日常的に使う場合と意味が異なるため、注意してください。なお、デジタル大辞泉では、以下のように解説されています。
【惰性】
これまでの習慣や勢い。慣性(かんせい)
(引用〈小学館デジタル大辞泉〉より)
日常会話と物理学での意味の違い
惰性の意味は、日常会話やビジネスで使われる場合と物理学で使われる場合とでは明確に異なるため、注意してください。物理学では、惰性は「慣性」という言葉と同義語として使われることがあります。
慣性とは、「慣性の法則」という言葉があるように、物体が運動している状態をそのまま維持する性質を表しています。日常会話で惰性という言葉を使う場合には、ネガティブなニュアンスを持つこともありますが、物理学では純粋に学術的な語句といえるでしょう。
惰性の語源
惰性という言葉自体には、明確な語源があるわけではなく、中国などの歴史書に出典するものでもありません。
惰性という語句の「惰」という文字には、「怠ける」や「だらける」という意味とともに、「これまでの状態をそのまま維持する」という意味があります。
この「惰」と「性」という2つの漢字がつながることで、「このままの状態をそのまま維持する性質」という意味を持つ惰性という言葉が成り立ったと考えられています。
惰性と怠惰の違い
惰性と混同されやすい言葉に、怠惰があります。惰性が性質や要因や法則を表す名詞であるのに対して、怠惰は性格や様子を表す名詞、もしくは形容動詞である点が違いです。
惰性が物事に対して使われることが多いのに対して、怠惰は人物や動物に対して使われることが多いことも違いといえるでしょう。
惰性という言葉は、ネガティブな意味以外で使われる場合もありますが、怠惰は、ほぼネガティブな意味で使われることも大きな相違点です。
惰性と慣性の違い
惰性と慣性という語句は、物理学で使われる場合には同義語であるのが一般的です。しかし、物理学以外の場面で使われる場合には、明らかな違いがあります。
惰性が人の習慣や癖などが続いている状態を表すことが多いのに対して、慣性は、物が同じ状態を維持している場合に使うのが一般的です。惰性が人に対して使うことが多いのに対して、慣性は、基本的には人に対しては使いません。
惰性の使い方と例文
惰性という言葉をビジネスで使う場合には、ネガティブな響きを持つ可能性があることを覚えておいてください。現状維持を良しとしない場面などでも、使われることがあります。