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「留保」の意味と「保留」との違いとは
「留保」はビジネスシーンで用いられる機会の多い表現です。「保留」と似ているものの、両者にはニュアンスの違いがあります。
まずは「留保」の正しい意味とともに、「保留」との具体的な違いについて確認していきましょう。
「留保」とは物事を一時的に差し控えること
「留保」とは、物事をすぐに行わないことです。一時的に差し控え、とどめ置くことを意味します。また、「留保」には以下のように法律上の意味合いも含まれています。
【留保】りゅう-ほ
1.すぐその場で行わないで、一時差し控えること。保留。「決定をーする」
2.法律で、権利や義務を残留・保持すること。国際法上は、多数国間の条約で、ある当事国が特定の条項を自国には適用しないと意思表示すること。
(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
法律に関する使用機会は日常では少ないものの、「留保」が重要な意味合いをもつこともあわせて覚えておきましょう。
「留保」と「保留」との違い
前述したように、辞書における「留保」の説明には「保留」が含まれています。両者はとても近しい関係にあり、「留保」と同じように「保留」を使うシーンも多いでしょう。
気を付けたいのは、「保留」には「留保」のように「一時差し控える」という意味合いが含まれていない点です。以下は、辞書における「保留」の定義になります。
【保留】ほ-りゅう
1.そのまま保ちとどめておくこと。とめておくこと。「指名権をーする」
2.その場で決定しないで延ばしておくこと。「回答をーする」「態度をーする」
(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
「留保」の説明に含まれる「差し控え」には、悪い結果を招かないように遠慮するという意味合いがあります。
「保留」がただ物事をとどめるのに対し、「留保」は何かしらの目的をもって決断を先送りしているのが大きな違いです。
「留保」が法律的な意味をもつことからも、より意図的な理由で物事をとどめる場合は「留保」が適しているといえるでしょう。
「留保」を使ったビジネス例文
何かしらの意図をもち物事をとどめる「留保」は、ビジネスでの活用シーンも多い言葉です。ここでは具体的な使用例についてみていきましょう。
・その建物の所有権は我が社が留保している。
・投資において財務の健全性を示す内部留保は要視したい要素のひとつだ。
・当面のリスクを鑑み、プロジェクトの可否は留保された。
・現在の状況を考えると、決断を留保するのもひとつの策だと言わざるを得ない。
「留保」の類語や言い換え表現
「留保」には、「保留」以外にも以下のような類語や言い換え表現があります。
・順延
・延期
・先送り
・猶予
・棚あげ
なかにはビジネスシーンでの活用機会が多い言葉も含まれています。ここでは、それぞれの意味や「留保」との違い、使用例について確認していきましょう。