鬱になった僕を支えてくれた、最高の妻
前回のお話▶︎妻が大好きすぎて13年目に離婚宣告。「僕がEDになった理由」
外見も性格も最高に好み。そんな妻と結婚したのに、結婚早々レスになってしまった俊太郎さん。
結婚を機に京都から東京に来て仕事で独立し、事務所の売り上げは1億円を超える好調ぶり。だけどお金で成功すると今度は、仕事上の悩みが増えて鬱病を患うことに…。
俊太郎さん(以下、し):そのときに会社を整理してくれたのは妻でした。スタッフが30名にまで増えた事務所を、「一度縮小してまたゆっくりやろう。食事も改善して、病気をちゃんと治しましょう」と言ってくれて。事務所のデスクや器具をヤフオクで処分してくれたり、料理教室に通って健康にいい食事を研究してくれたりしてくれました。
その甲斐あって、そこからは抗うつ剤を飲まなくてもどんどん元気になっていったとか。―顔も満島ひかり似だというし、夫の病気を直すために甲斐甲斐しく動いてくれるし、めちゃくちゃ出来た、いい妻じゃないですか〜〜〜(涙)!
だけどどんなに愛している相手でも、お互いに愛情があっても、一度何かのきっかけでボタンの掛け違いのようなことが起きると、そのまますべてがズレ始めて上手く行かなくなってしまうことがあるのが夫婦というものの奥深いところでもあるのです。
結婚5周年の記念日に入った夫婦の亀裂
―俊太郎さんの体調が良くなって来ると、仕事も兼ねて夫婦で海外によく行くようになり、そのうち、「年に3ヶ月くらい、海外でアパートを借りて一緒に住もうか」という話が進みだしました。
し:でもそこからですね、本当に夫婦の営みが、年1回になってしまったのは。
―実は子供が欲しくて不妊治療をしていた時期もあり、そのときは週1でがんばったこともあったとか。だけど振り返ってみれば、夫婦の間に決定的な亀裂が入ったのは、結婚5周年のこと。
し:結婚記念日だからと、都内の一流ホテルのスイートに泊まったんですよ。だけどそれでもできなかった。そうしたら宿泊した翌朝、朝食のルームサービスが来たのに、妻が部屋を飛び出してしまったんです。慌てて追いかけて自宅に戻ったら、彼女が僕の荷物をスーツケースに詰め込んで「出てって!」と追い出されて。ウィークリーマンションに3日間くらい泊まって、結局その後仲直りして家に戻りましたけど…。
ふたりで海外で過ごすようになり、俊太郎さんからは「いいバランス」に見えていた夫婦仲でしたが、奥様であるAさんの、一度セックスレスで受けた心の傷は、きっとじわじわと広がり続けていたんじゃないかな。俊太郎さんと話していて、私はそんな風に感じました。
結婚8年目にして「留学したい」とAさんが言い出したのには、そんな背景もあるんじゃないかと思うからです。
妻の海外留学で別居婚がスタートしたけれど…
Aさんはニュージーランドに短期留学したあと、インドにヨガ留学し、その後はサンフランシスコの語学学校に入学。半年くらい海外で過ごしては、また半年日本に帰国して俊太郎さんと一緒に暮らす、というスタイル。その間、もちろん俊太郎さんが妻がいる海外に会いに行くことも。
なんだか、聞いていると悠々自適で自由な結婚生活で「こういう結婚スタイルもありかも」と思ってしまうけれど、実は奥様にはサンフランシスコで付き合いだしたアメリカ人のボーイフレンドが居て、俊太郎さんが「離婚しよう」と彼女から切り出されたのは、結婚13年目のことだったのでした。
レスに悩んだ奥様の葛藤や離婚しても不思議な関係を続けるふたりの顛末は、次回に続きます。
▶︎「最愛の妻だけにED」の僕が愛想を尽かされ離婚。なのに、今は老後を一緒に暮らそうと話す関係に〜俊太郎さんの場合vol.3
インタビュー・文
さかい もゆる
出版社勤務を経て独立。と思った矢先、離婚してアラフォーでバツイチに。女性誌を中心に、海外セレブ情報からファッションまで幅広いジャンルを手掛けるフリーランスエディター。Web Domaniで離婚予備軍の法律相談に答える「教えて! 離婚駆け込み寺」連載も担当。著書に「やせたければお尻を鍛えなさい」(講談社刊)。講談社mi-mollet「セレブ胸キュン通信」で連載中。withオンラインの恋愛コラム「教えて!バツイチ先生」ではアラサーの婚活女子たちからの共感を得ている。